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月別アーカイブ: 3月 2021

ありがとう定期券、の巻

高校時代から使ってきた定期券。以来、大学、社会人・・・と約四半世紀の間、途切れることなくずっとお世話になった定期券。

最初は磁気カード。続いてSuica、モバイルSuicaと形は変われどずっとポケットの傍で存在感を発揮してくれていた。

会社の「定期代支給廃止(通勤交通費実額支給)」によって、ついに自分の定期券はその役目を終える。

最後の改札を通り抜けた時、感慨深さが込み上げてきた。

初めて定期券を使った時の大人になった気持ち。

初めて「通勤定期券」を使った時のこそばゆい気持ち。

初めて「Suica」でタッチした時の驚きと感動。

初めて「オートチャージ」したときの文明への感謝。

初めて「モバイルSuica」を使った時の誇らしい気持ち。

通勤通学の思い出は、ポケットの中の「定期券」とともに。

「僕はここにいる きみのポケットに」

「待っていたんだよ 気づいてくれるまで」

ありがとう、定期券。

ではまた。

うまい話の巻

「儲け話は人にはしない」というのに、「うまい話」はそこかしこに転がっている。大抵は、「儲け話をすることそのものがそれを伝える側の儲けになる」だけだというのに。

儲け話のコミュニティに参加しても儲けるのはそのコミュニティの主催者だけである。「同じことをしろ」というのがその常道。

しかし唯一、「元本保証」「利回り無限大」「引き出しても減らない」夢のような投資がある。<自分への投資>だ。

勉強をするもよし、読書に耽るもよし、毎日運動をするでもよし。あるいは今の仕事をがんばるのもよし。「自分」を意図的に研鑽していくことだけが、唯一の「リターン確約」の投資なのだと心得たい。

ただ、これが変な方向にいくと「自己啓発マニア」とかになってしまうから難しい。

ではまた。

「ひみつ道具」の巻

【秘密(ひみつ)】-隠して人に知らせたり、見せたりしないこと。(新明解国語辞典 第四版)

皆さんはドラえもんの出す未来の便利な道具のことを「ひみつ道具」と言いますよね。でもこれ、誰に対しての秘密なんでしょう?

ドラえもんは作中で、普通にみんなの前で、躊躇することなく「ひみつ道具」を使っています。どこにも「秘密」は存在していないような気がします。

読者である私たちも50年間、彼が「ひみつ道具」を使うところを何度も目撃しています。というか、ひみつ道具自体が「秘密」なのに1600種類もあって、事典になって市販されていたり、そもそもそれを冠した映画にも(「ひみつ道具博物館」)なっていたり。もはや何がひみつなのだか!

そもそも、ドラえもんに「ひみつ道具」が出てこない話は、数えるほどしかありません(しかも、それらは「道具」がある前提でストーリーが展開します。例えば「シャラガム」「うつつまくら」「ウルトラよろい」など)。

とにかく、ドラえもんといえば「ひみつ道具」なわけですね。

でも、めちゃくちゃ不思議じゃないですかこれ。「ひみつ」でもなんでもないのに「ひみつ」。

秘密というのは、「ひみつのアッコちゃん」や「名探偵コナン」、「月光仮面」のように「主人公の正体を知られるとクソヤバい」ことなのだと思うわけですが、ドラえもんのひみつ道具には、というかドラえもんそのものに、そういう背徳感が一切ないわけです。

ところで藤子先生自身は、生前に「ひみつ道具」についてこんなことをおっしゃっています(『ドラえもん 最新ひみつ道具大事典』2008年、小学館の巻頭言より)

ドラえもんのひみつ道具には”レンタル”と”セル”の二種類があります。

(中略)

あまり高価な道具は買えないので、安い使用料で貸してもらいます。ドラえもんは三分の二くらいを、このレンタルで間に合わせているのです。

(中略)

メーカーが新製品を発売するときは、試供品をただでくれたりして、ドラえもんも助かっているようです。

めちゃめちゃヤバい設定だと思いません?未来の夢の道具は、実は「レンタル」と「セル」!・・・「今からしたら夢のような製品でも、未来になったら日用品。テレビや電卓、車なんかと同じだよ。でもそれってむしろ一番夢があるよね諸君!?」ということを藤子先生は一番伝えたいわけですが、それにしたって現実的すぎる!!

なにせ、「レンタルとセルの二種類があります」って言いきっているものね。実は文中で、わざわざ「”レンタル”は借りること。”セル”は買うことです。」と説明までしているのだ。小さい子にとっては、『こち亀』ばりに世の中の仕組み(所有させるだけが商売ではない)を体得する入口にだってなるほどの巨大インパクトだ。

藤子先生の作品のすごさは、「子ども向け」のような明るさの中に覗く「妙なリアリティ」と「スパイシーなブラックさ」にその一面がある(有名どころでは「賄賂」にかけた道具「Yロウ」とか)のですが、まさにそういう側面全開の設定です。

・・・ともかく、ドラえもんのひみつ道具のほとんどはレンタル品というのが「公式設定」です。あろうことか試供品まで使って、いかに資金切りに四苦八苦しているか。「夢の未来世界」を描く張本人が、未来になっても人間の生活は変わらないということを仄めかす・・・こういうブラックなユーモアがパッと出てくるところが、藤子先生の迫力なんですよね。

そういえばドラえもんのお小遣いの額は「月500円」といいます。月500円でやりくりできるひみつ道具なんて、そりゃあたかが知れていますし、「故障だらけ」でしょう。これで、「ドラえもんの道具のせいで」と怒るのび太の気持ちにも、まあ、わからなくもないのです。

まさに、藤子先生が提唱するところの「S(すこし)F(ふしぎ)な生活ギャグマンガ」、それがドラえもんなわけですね。

・・・と、ここまで見てくると、「未来の夢の道具は、実はほとんどレンタル商品だったんだよ。ドラえもんもお金がないからね」というのが、まあ、「秘密」っちゃあ「秘密」なのか。

【秘密(ひみつ)】-2、一般に知られていないこと。(goo辞書)

ではまた。

あれから1年、の巻

「バカ殿のメガネの家来」でおなじみ、乾き亭げそ太郎さんの『我が師・志村けん』を読む。

後半のシーン、ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが、志村の悲報に接しLINEのビデオ通話で「あのハゲ死んじゃったな」と泣きながら言った―という描写で、私は大泣きしてしまった。

これほどまでに悲しい言葉があるだろうか。こんなにも人を悼む気持ちが120%込められた言葉があるだろうか。


1年前。私は職場で「志村けんの死」の悲報に触れた。向かいの席に座っていた同僚がネットニュースの速報を見て教えてくれたのだが、職場ということも忘れ、「やだやだやだ!」と子どものように喚いたことを思い出す。

妻からも心配してメールが来た。「志村好き」は知っていたから、本当にヤバいと心配になったのだろう。悲しさが余計にこみあげてきた。これはただことではない。

昼休みになると、悲しさがもうどうしようもない領域に達し、ご飯を食べながら大号泣してしまった。確かこの時はリンガーハットに居たと思う。

当然、午後も元気はない。仕事が手につかない。もう涙も枯れたと思ったら、さにあらず。帰り道も涙が止まらない。帰宅中、滝のように涙が出てきて自分でも驚いた。まだまだがまんしていたんだな。

帰宅してからも泣き続けだ。自分でもびっくりした。志村けんが好きすぎたのだ。

以前、別のところでも取り上げたが、1年前の堀井憲一朗さんの追悼コラム「志村けんの死でわれわれは何を失ったのか 彼が作り続けたコント世界のすごさ」に、私が悲報に触れた時に感じたすべての感覚が一言で表されたことばが載っているので紹介する。

<志村けんは、いなくなってしまったのだ>

こんなにも、敬意のこもった追悼文が書けるのは堀井さんの筆力である。この言葉に、志村けんを失った社会にいる私たちの「感覚」が詰まっているような気がしてならない。

この項も泣きながら書いている。だめだ、もうかけない。

ではまた。

ドラえもんの「ド」の字の巻

ちょっとした豆知識を。「ドラえもん」の「ド」の字で、どんなカテゴリーのドラえもんか、わかるんですよ。え?どういうことかって?

実は「ドラえもん」の「ド」の字は、現在3つのタイプが流通しているのです。以下のロゴ、「目の形」を見てみてください。

まずはこちら。

『●●』タイプ

これは「原作」および「大山ドラ」までのすべてのドラえもん(ライセンス商品含む、以下同じ)に使われている「ド」の字です。もっとも見覚えのある「ド」ですよね。

「え?ほかにもあるの?」と思われた方。最近は以下のロゴも急速に流通が拡大していますから、身近にあるドラえもん商品を今すぐチェック!

『^^』タイプ

笑顔の「ド」。これは「わさびドラ」以降のドラえもんに使われている「ド」の字。このロゴを見かけたら、基本的には「わさびドラ」ベースの商品だと判別することができるわけです。2005年からですから、もうかれこれ16年も経過しています。

そして、このようなハイブリッド型の「ド」の字もあります。

『●^』タイプ

こちらはわさびドラ以降の映画版ドラえもん(関連商品含む)に使われている「ド」の字です。こちらは映画版限定ですからもっとも露出量は少ないのですが、とはいっても2006年からの使用ですから今年でちょうど15年目になるわけです。

ということで、「ドラえもんのドの字には3種類ある」という日常生活にとても役立つお話でした。

「ドラえもん」は、ロゴ1つとっても実に奥深い世界ですね。

ではまた。