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人魚大海戦の巻

最近、わさびドラにハマってきているという話をしている。
今度は、映画「人魚大海戦」を見た。

映画ドラえもんの30年記念作品なので、ちょうど10年前の作品になる。
率直な感想は、「これはこれでアリなんじゃないか」ということ。「藤子先生のドラえもんではもちろんないが、ドラえもんではある」ということだ。

娘は本作を見てケラケラ笑い転げていた。絵もすごくきれいだしね。人魚のお姫様もかわいいのに強いし。戦いのシーンなどは「プリキュアみたいだ」とすごくよろこんでいた(ちょうど今の「トロピカルージュプリキュア」も人魚が出てくるし)。「アナ雪」からみてもわかるように、強い女の子、というのは最近のトレンドだろう。

「今の子どもが喜ぶ」というところが作品にとっては何よりも重要なところである。大衆向けコンテンツが生き延びるためには、どこかで「時代とともに在る」ことが必要であり、そういう意味ではドラえもんのコンテンツとしての寿命は、間違いなくまだまだであると感じて私はうれしくなった。現代ナライズは大成功であろう。

ちょうど1回前に「海底鬼岩城」を見た後だったので、その要素も感じなくもなくて懐かしい気持ちになった。そして挿入歌「遠い海から来たあなた」は武田鉄矢である。・・・「ドラえもん映画にはやはり武田鉄矢である。」と昔は無制限で思っていたが、わさびドラ映画の「陽」の部分と、この歌・・・ いい意味でミスマッチ(歌は昭和!)でなかなか「あ、これは歌は世に連れ世は歌に連れだな」と考えさせらるところ大であった。この歌、EDでもよかったけれどねぇ、と少し思った。

あ、あと最後に安直に「人魚の星に行ってハッピー」みたいなエンドにせず、「僕たちの戦いはまだこれからだ」的にまとめたのもよかったです。

以上、10年も前の映画のレビューでした。

ではまた。

わさびドラ!の巻

最近、「土曜5時からのドラえもん」を娘とみる機会が増えた。そこで感じたことを書く。

すでに「わさびドラ」が登場してから16年が経過している。仮にドラえもんの視聴層が4歳から10歳くらいだとすると、すでに「わさびドラ」を見て育った初期の層は社会人である。

少子化でもあるので、社会のマス層は圧倒的に「大山ドラ」を見て育っているわけだが、「わさびドラ」を見て育った層も相当に多くなってきた。ざっくり1年に100万人子どもが生まれてきたとすると、ざっと1600万人のボリュームということだ。社会全体の13%は「わさびドラ世代」であるといえる。

マーケティングでは、普及率「11%」が影響度を与える目標値ということはよく言われるので、「わさびドラ」も社会の中で一定の存在感を示しつつあるというのがわかる。

で、何が言いたいかというと、今のドラえもん、すごく面白いのである。

原作出典の作品だけでなく、アニメオリジナルのストーリーも織り交ぜて展開されているが、製作陣は原作へのリスペクトを持ちつつ、いかに現代の子どもに受け入れられる「ドラえもん」を提供しようとしているか、相当に腐心していることがわかる。

だんだんと、キテレツ大百科的な展開(原作の枠を超えてキャラクター・ストーリーが独り歩きする)にもなってきた印象を覚える。

本日放送の『人間味調味料』(2019年放送分の再放送である)などは、その典型。原作には登場しない、「人間味」を振りかけるという秘密道具が巻き起こすドタバタ劇だ。ドラえもんやのび太がハードボイルドに変身したり、静香に「塩味」をかけて出木杉に「塩対応」させたり、オチではのび太・ジャイアン・スネ夫が様々な人間模様を繰り返し発現させて大狂いするというとんでもないドタバタ劇が繰り広げられた。ある意味、初期のスラップスティック的な「ドラえもん」世界の現代版ともいえる。

娘はこれをみて腹を抱えて笑いころげていた(録画してその日のうちに3回もみていた)。私も笑った。

これでいい、と私は思った。原作は原作。大山ドラは大山ドラ。わさびドラはわさびドラ。それぞれに良さがある。肝心なのは、今の子どもたちがそのコンテンツに夢中になって、笑って、「ああ、楽しかった。次回も見たい」となるかどうか、である。オールドファンだけ喜ばせていては、未来がない。「一言さんお断り」は大衆向けコンテンツでは致命的なのだ。

わさびドラは16年。立派な長寿番組だ(「全員集合」が16年である)。50年物の作品で、今の子どもが笑い転げるのである。コンテンツとしてのドラえもんの「延命策」は間違いなく成功である。

「ドラえもん」を残すための関係者の努力に改めて頭が下がる思いだ。映画『秘密道具博物館』でも感じたが、「原作らしさ」を残しつつ、「新しさ」を加える。この微妙な匙加減が、次の世代にも「鑑賞される」コンテンツとしての「新・ドラえもん」の妙味であろう。

こういう挑戦的な作品の積み重ねが、未来のドラえもんをつくっていく。これからも「わさびドラ」の展開を楽しみにしていきたい。

ではまた。

「ひみつ道具博物館」をまた見たの巻

先々週に初めてドラえもん映画「ひみつ道具博物館」を見てあまりにも面白かったので、また見る。8年遅れでハマってどうする。

これ、ドラえもん映画の中でも群を抜いて傑作の1つである。藤子先生原作でない作品の中ではNo.1といってよい。

散りばめられた伏線の見事な回収。謎が謎を呼ぶ展開。それぞれのキャラ立ち。ギャグも全編に渡って冴え渡り、押し付け臭くない感動や風刺も混じって「見てよかった」と思える作品である。

今までの「映画ドラえもん」らしくはないが、正真正銘、「ドラえもん」でないとできないストーリーである。1時間43分、無駄なシーンが一切ない。敢えて王道を外して「実」をしっかり取るという制作陣の意気込み・迫力が画面の向こうから伝わってくるような素晴らしい作品であった。

えー、それなりにドラえもんは齧っている私がこうやって絶賛していますので、未見の方で興味を持たれた方はぜひご覧くださいませ。前回見た時も書いたが、「モンスターズ・インク」的なタッチが好きなら特にお勧めである(話は全然違うが、読後感のイメージが近いのよね)。

今年でドラえもんも51年め(厳密には70年1月号の連載開始=69年12月発売なので52年めとも言える)である。こういう作品が出せるなら、ドラえもんの賞味期限はまだまだ先といってよい。『相棒』方式で映画ドラえもんの監督や脚本は毎年チェンジしているようなので、こうやって「当たり」を定期的に出していくことが、新たなファン層の獲得、作品の延命につながるのではないか。この作品はその好例である。

ストーリーを知っていて2回目でも楽しめる作品というのはなかなか珍しい。ドラえもん万歳!

ではまた。

「ひみつ道具」の巻

【秘密(ひみつ)】-隠して人に知らせたり、見せたりしないこと。(新明解国語辞典 第四版)

皆さんはドラえもんの出す未来の便利な道具のことを「ひみつ道具」と言いますよね。でもこれ、誰に対しての秘密なんでしょう?

ドラえもんは作中で、普通にみんなの前で、躊躇することなく「ひみつ道具」を使っています。どこにも「秘密」は存在していないような気がします。

読者である私たちも50年間、彼が「ひみつ道具」を使うところを何度も目撃しています。というか、ひみつ道具自体が「秘密」なのに1600種類もあって、事典になって市販されていたり、そもそもそれを冠した映画にも(「ひみつ道具博物館」)なっていたり。もはや何がひみつなのだか!

そもそも、ドラえもんに「ひみつ道具」が出てこない話は、数えるほどしかありません(しかも、それらは「道具」がある前提でストーリーが展開します。例えば「シャラガム」「うつつまくら」「ウルトラよろい」など)。

とにかく、ドラえもんといえば「ひみつ道具」なわけですね。

でも、めちゃくちゃ不思議じゃないですかこれ。「ひみつ」でもなんでもないのに「ひみつ」。

秘密というのは、「ひみつのアッコちゃん」や「名探偵コナン」、「月光仮面」のように「主人公の正体を知られるとクソヤバい」ことなのだと思うわけですが、ドラえもんのひみつ道具には、というかドラえもんそのものに、そういう背徳感が一切ないわけです。

ところで藤子先生自身は、生前に「ひみつ道具」についてこんなことをおっしゃっています(『ドラえもん 最新ひみつ道具大事典』2008年、小学館の巻頭言より)

ドラえもんのひみつ道具には”レンタル”と”セル”の二種類があります。

(中略)

あまり高価な道具は買えないので、安い使用料で貸してもらいます。ドラえもんは三分の二くらいを、このレンタルで間に合わせているのです。

(中略)

メーカーが新製品を発売するときは、試供品をただでくれたりして、ドラえもんも助かっているようです。

めちゃめちゃヤバい設定だと思いません?未来の夢の道具は、実は「レンタル」と「セル」!・・・「今からしたら夢のような製品でも、未来になったら日用品。テレビや電卓、車なんかと同じだよ。でもそれってむしろ一番夢があるよね諸君!?」ということを藤子先生は一番伝えたいわけですが、それにしたって現実的すぎる!!

なにせ、「レンタルとセルの二種類があります」って言いきっているものね。実は文中で、わざわざ「”レンタル”は借りること。”セル”は買うことです。」と説明までしているのだ。小さい子にとっては、『こち亀』ばりに世の中の仕組み(所有させるだけが商売ではない)を体得する入口にだってなるほどの巨大インパクトだ。

藤子先生の作品のすごさは、「子ども向け」のような明るさの中に覗く「妙なリアリティ」と「スパイシーなブラックさ」にその一面がある(有名どころでは「賄賂」にかけた道具「Yロウ」とか)のですが、まさにそういう側面全開の設定です。

・・・ともかく、ドラえもんのひみつ道具のほとんどはレンタル品というのが「公式設定」です。あろうことか試供品まで使って、いかに資金切りに四苦八苦しているか。「夢の未来世界」を描く張本人が、未来になっても人間の生活は変わらないということを仄めかす・・・こういうブラックなユーモアがパッと出てくるところが、藤子先生の迫力なんですよね。

そういえばドラえもんのお小遣いの額は「月500円」といいます。月500円でやりくりできるひみつ道具なんて、そりゃあたかが知れていますし、「故障だらけ」でしょう。これで、「ドラえもんの道具のせいで」と怒るのび太の気持ちにも、まあ、わからなくもないのです。

まさに、藤子先生が提唱するところの「S(すこし)F(ふしぎ)な生活ギャグマンガ」、それがドラえもんなわけですね。

・・・と、ここまで見てくると、「未来の夢の道具は、実はほとんどレンタル商品だったんだよ。ドラえもんもお金がないからね」というのが、まあ、「秘密」っちゃあ「秘密」なのか。

【秘密(ひみつ)】-2、一般に知られていないこと。(goo辞書)

ではまた。

ドラえもんの「ド」の字の巻

ちょっとした豆知識を。「ドラえもん」の「ド」の字で、どんなカテゴリーのドラえもんか、わかるんですよ。え?どういうことかって?

実は「ドラえもん」の「ド」の字は、現在3つのタイプが流通しているのです。以下のロゴ、「目の形」を見てみてください。

まずはこちら。

『●●』タイプ

これは「原作」および「大山ドラ」までのすべてのドラえもん(ライセンス商品含む、以下同じ)に使われている「ド」の字です。もっとも見覚えのある「ド」ですよね。

「え?ほかにもあるの?」と思われた方。最近は以下のロゴも急速に流通が拡大していますから、身近にあるドラえもん商品を今すぐチェック!

『^^』タイプ

笑顔の「ド」。これは「わさびドラ」以降のドラえもんに使われている「ド」の字。このロゴを見かけたら、基本的には「わさびドラ」ベースの商品だと判別することができるわけです。2005年からですから、もうかれこれ16年も経過しています。

そして、このようなハイブリッド型の「ド」の字もあります。

『●^』タイプ

こちらはわさびドラ以降の映画版ドラえもん(関連商品含む)に使われている「ド」の字です。こちらは映画版限定ですからもっとも露出量は少ないのですが、とはいっても2006年からの使用ですから今年でちょうど15年目になるわけです。

ということで、「ドラえもんのドの字には3種類ある」という日常生活にとても役立つお話でした。

「ドラえもん」は、ロゴ1つとっても実に奥深い世界ですね。

ではまた。