語源としては「おにぎり」「おむすび」ともに「握り飯」の丁寧語です。古くは「握飯(にぎりいい)」と呼ばれていたものが「握り飯(にぎりめし)」に変化し、「おにぎり」に変化したと考えられています。
諸説ありますが、「おにぎり(御握り)」は形を問わず、「おむすび(御結び)」は神様の力を授かるために米を山型(三角形)にしているという説があります。
地域差もみられ、「おむすび」が東日本、「おにぎり」が西日本に偏っているとも言われています(江戸前寿司を「にぎり」と呼んだことから)。
おじやは、既に炊かれているご飯をそのまま出汁と具で煮込んだものです。ご飯の粘りが残ってとろみがあります。
雑炊は、既に炊かれているご飯を水洗いし、出汁と具で煮込んだものです。ご飯の粘り気が少なく、おじやよりもさらっとしています。
なお、味噌や醤油などで味付けし、比較的味がしっかりしているものを「おじや」、煮汁や塩で味付けして比較的味がさっぱりしているものを「雑炊」と呼ぶ場合もあります。
おかゆは、米を多めの水分で柔らかく炊いたご飯です。
リゾットは、米をオリーブオイルやバターなどで炒めてから、出汁や白ワインなどで炊き、具材を盛り付けるイタリア料理です。
漬物は、塩や米ぬか、味噌や酢、醤油、酒粕などに漬けるもの全般です。
お新香は、野菜を浅く漬けた漬物の一種です。
紫蘇(しそ)は、シソ科シソ属の植物の総称です。一般的には食用の赤じそやその変種である青じそを指すことが多いです。
大葉は、青じその葉の部分を指します。
もりそばは、せいろやざる、皿などに盛られて、海苔が載っていないそばです。せいろに盛られているもりそばのことを、「せいろそば」と呼びます。
ざるそばは、ざるやせいろなどに盛られて、海苔が載っているそばです。もりそばと比べてつゆが濃い(特製の)場合もあります。
小麦粉から作られる麺という意味では同じですが、「太さ」によって呼び方が異なります。そうめんは直径が1.3mm未満、冷や麦は1.3mm以上1.7mm未満、うどんは1.7mm以上の麺です。
なおそうめんは「手延べ麺」であり、小麦粉と食塩水で作った生地に油を塗って(塗らない場合もある)巻き取りながら、細く伸ばして麺にしていきます。そのため断面が丸型をしています。一方、冷や麦とうどんは生地を平らに伸ばしてから畳んで切るため、断面が四角形となっています。
同じものです。
歴史的には、人口に膾炙するようになった順に南京そば(明治初期)→支那(china)そば(明治中期)→中華そば(戦後)→ラーメン(高度成長期以降)と いう経緯を辿っているようです。
同じものです。
「麻竹」という種類のたけのこを蒸してから発酵させ、調味した食品です。麻竹の主な栽培地が中国南部・台湾であることから、「支那竹」です。また、麺の上に載せる「麻竹」から「メンマ」だとされます。
パスタはイタリア語で粉物の生地全般を指しますが、一般的には「麺類」の総称です。日本においてはさらに主にイタリア料理で使われる麺類全般、という解釈をしておいてよいでしょう。
したがってスパゲッティは「パスタの1種」ということになります。太さが2mm前後のパスタのことを「スパゲッティ」と呼びます。ちなみに日本の食品表示法上は、パスタは「マカロニ類」に属します。
パンは、主に小麦粉を主原料にして、水でこねてイースト菌などで発酵させて焼いた食べ物の総称です。
マフィンは、ベーキングパウダーで膨らませる、カップケーキ状の焼き菓子(ケーキマフィン)と、丸型のイングリッシュ・マフィンとがあります。イングリッシュ・マフィンは、発酵させた丸いパンにコーンミールをまぶした食べ物です。
スコーンは、小麦粉や大麦粉、オートミールにベーキングパウダーを加え、牛乳でまとめ、こねて、成型して焼き上げるパンです。イギリスでは具の入っていないプレーンスコーン(アメリカではビスケットに近い)ですが、アメリカでは具入りのものだけが「スコーン」です。
ベーグルは、小麦粉に水・食塩を加えて練った生地を発酵させて茹でてから焼成した食べ物です。牛乳や卵、バターを使わないことが特徴です。
肉の入った中華まんが、「肉まん」です。
豚まんは、肉を「牛肉」と指すことの多い関西圏での「肉まん」の呼称です。すなわち、「肉まん」=「豚まん」です。
ホットケーキは和製英語で、パンケーキの一種です。パンケーキの中でも甘い(食事というよりも、おやつ寄り)ものをホットケーキと呼ぶことが多いようです。
パンケーキは、pan cakeで、フライパンや鍋などで焼いて作るケーキの総称です。一般的には甘いホットケーキに比して、甘味が抑えられており、食事のメニューとして供される パンケーキを呼称することが多いようです。
バターは牛乳を原材料とした乳製品です。マーガリンは植物性・動物性油脂を原料としてバターに似せた加工食品です。以前は「人造バター」と呼称していました。マーガリン類の中で、油脂含有率が80%未満のものはファットスプレッドと呼びます。
アイスクリームは牛乳を冷やし、クリーム状にしたものです。厳密には乳固形分が15%以上、乳脂肪分が8%以上のものが「アイスクリーム」、 乳固形分が10%以上、乳脂肪分が3%以上のものが「アイスミルク」、乳固形分が3%以上のものを「ラクトアイス」と呼称します。
ジェラートは、イタリア発祥で、牛乳に果汁や果肉を混ぜて凍らせたものです。食品衛生法上はアイスクリーム類の一種で、「アイスミルク」「ラクトアイス」に分類されることが多いです。
シャーベットは、果物のピューレを凍らせたり、フルーツジュース(またはフルーツフレーバーの清涼飲料水など)を凍らせたりしたものです。乳固形分が3%未満のもので、「氷菓」と分類されます。
ソーセージは、「動物の腸に、塩漬けした肉(ひき肉)を詰めて作られたもの」の総称です。
ウインナーはソーセージの一種で、羊の腸を使用し、太さは20mm未満と定められています。オーストリアのウィーンが発祥です。
フランクフルトもソーセージの一種で、こちらは豚の腸を使い、太さは20mm以上、36mm未満です。ドイツのフランクフルトが発祥です。
ちなみに、牛の腸を使った太さ36mm以上のソーセージをボロニアソーセージと呼び、これはイタリアのボローニャ地方が発祥です。
ハムはもともと、豚のもも肉を意味します。もも肉で作られたハムをボンレスハムと言います。背肉のハムはロースハムです。ブロック肉を、塩漬け→塩抜き→乾燥→熟成→成型→燻製→スチームやボイルで加熱→冷却といくつものステップを経て加工します。
ベーコンは豚のバラ肉(あばら骨の周囲の肉)のことです。ただし、背肉を使ったロースベーコンもあります。ブロック肉を、塩漬け→塩抜き→乾燥→熟成→燻製するところまではハムと同じですが、仕上げにスチームやボイルで過熱をしないところが違いです。
ハムは燻製した豚のもも肉などをボイルやスチームで加熱加工したものです。
生ハムは、豚のもも肉などを低温で燻製させたもので、ボイルやスチームで加熱加工は行いません。製造工程でみるとベーコンと大きな違いはありませんが、生ハムは基本的に豚もも肉を使い、ベーコンは豚バラ肉を使うという違いがあります。
カルビは、あばらやお腹周りの肉で、脂がのっていてこってりしています。
ロースは、背中やもも周辺の肉で、赤みが多く、サシが入っており、さっぱりしています。
デザートは食後に出される果物やお菓子のことです。
スイーツはもともとはガムや飴を含むお菓子のことです。日本では高級洋菓子とか、ホテルや有名パティシエのいるレストランで出されるようなお菓子を「スイーツ」と呼称することも多いです。イタリア語の「ドルチェ」もスイーツと併称されることが多いです 。
団子は、米粉や小麦粉、きび粉、でんぷん粉を捏ねて小さく丸い形にし、茹でたり焼いたりしたものです。醤油のたれやきな粉、あんみつなどで味つけをすることが多いです。
大福は、餅の皮に餡や苺、豆などを包んだものです。
饅頭は、小麦粉でできた皮に餡を包んで蒸したり、焼いたりしたものです。皮自体に黒糖や酒粕などで味をつけることもあります。
基本的には同じもので、季節によって呼び方を変えることが一般的とされます。ただし、地域により大きさ(ぼたもちは大きめ、おはぎは小さめ)やあんこなどの違い(ぼたもちはこしあん、おはぎは粒あん/ぼたもちは小豆餡、おはぎはきな粉)、お米の違い(ぼたもちはもち米、おはぎはうるち米)、形状の違い(ぼたもちは餅状、おはぎは米粒が残っている)などで呼び名を変える場合もあります。
ぼたもちは、春のお彼岸の頃に咲く「牡丹」から、「牡丹餅」です。
おはぎは、秋のお彼岸の頃に咲く「萩」から、「御萩」です。
ちなみに、夏の場合は「夜(よい)船」、冬は「北窓」です。これは、おはぎ・ぼたもちは杵を搗かずに作ることから、音がせず、「いつ搗いたか分からない」ことから「搗き知らず」となり、夜は暗くて船がいつ着いたのか分からないことから「着き知らず」で夏の「夜船」、そして北向きの窓からは月が見えないことから「月知らず」で冬の「北窓」になったとされています。
つまり、季節で見ると「牡丹餅」「夜船」「御萩」「北窓」となります。
いずれも、小麦粉・卵・砂糖で作った円形の生地に小豆の餡(やカスタードクリームなど)を入れて焼き上げたお菓子です。地域によって様々な呼び名があります(一説には、100種類ほどの異名があるとされます)。
主に関東では、発祥とされる江戸の神田・今川橋の地名にちなんで「今川焼」の名で呼ばれます。全国的には「大判焼き」と呼ばれており、特に近畿では「回転焼き」、兵庫では「御座候」、広島では「二重焼き」、北海道 や北東北では「おやき」と呼ばれることも多いようです。
あんみつは、みつ豆の一種でみつまめにあんこが入っているものです。
みつ豆は、寒天、求肥、赤えんどう豆、果物や白玉などを盛りつけ、みつをかけた清涼菓子です。さらにシンプルに、赤えんどう豆と寒天とみつのみのお菓子(白玉や果物の盛り付けがない)が「豆かん」と呼ばれます。
ビスケットは、小麦粉・砂糖・油脂・乳製品から作られる焼き菓子の総称です。クッキー、クラッカー、乾パン、(オーブンで焼いたいわゆる)ビスケット、パイ、プレッツェルなどもすべて広義の「ビスケット」です。
日本においては、全国ビスケット協会が「小麦粉、糖類、植物油脂、食塩」を主な材料とし、オーブンで焼いたものをいわゆる「ビスケット」として定義づけています。
その中で、「糖分+脂肪分の合計が全体の40%以上」「手作り風の外観を有する」「乳製品やはちみつなどで特徴をつけて、風味よく焼き上げたもの」で、かつ、「全国ビスケット公正取引協議会」の承認を得たものを「クッキー」として認めています。
キャンディーは砂糖や水あめなどから作られるお菓子の総称で、日本では特に西洋風の飴の種類を指します(アメリカではチョコレート菓子や氷砂糖もcandyと呼びます)。硬いキャンディー がハードキャンディー、やわからいキャンディーがソフトキャンディーです。
ドロップはキャンディーの一種(ハードキャンディー)で、砂糖と水飴を140~150度で煮詰めて、香料や着色料などを加えた生地を型で成形してつくられる透明な飴です。
ロリポップは、棒付きのハードキャンディのことで、「ペロペロキャンディ」のことです。
サンデーは、低くて丸いグラスに入っているアメリカ発祥のスイーツで、アイスの上にトッピングがデコレーションされています。
パフェは細長いグラスに入っているフランス発祥のスイーツで、一般的にはクリームやトッピングでデコレーションされたアイスとコーンフレークが交互に積み重なっています。
ちなみにサンデーは毎週日曜日(sunday)に売られていたことが由来とされますが、つづりは「sundae」と書きます。
「卵」は、生き物全般の卵を指します。鶏卵においては、生の状態のものを「卵」と呼称します。「生卵」「卵かけごはん」「ゆで卵」ですね。
「玉子」は食用のものを指し、一般的には鶏卵を表します。また鶏卵では、「生卵」に対して、調理されたものを「玉子」と称します。「玉子焼き」「玉子丼」ですね。
いずれも鮭やマスの卵です。
卵巣膜に入ってつながっている状態が筋子、卵巣膜を外してバラバラになった状態がいくらです。
ちなみに「数の子」はニシンの卵です。
白滝は、まだ固まりきっていないゼリー状のコンニャクを心太のように押し出したものを湯で固めて作ります。コンニャクが出てくる姿が白い滝のように見えることから「白滝」です。太さは2~3mmくらいとされます。
一方の糸こんにゃくは、すでに固まったこんにゃくを細く切って糸状にしたところから「糸こんにゃく」です。こちらは4~8mmくらいの太さがあります。
現在では、製法・太さによる大きな違いはないとされ、関東では「白滝」、関西では「糸こんにゃく」と呼ぶことが多いようです。
赤かぶは、アブラナ科アブラナ属の「かぶ」の一種で、色素(アントシアニン)によって実が赤くなっています。
ラディッシュは、アブラナ科ダイコン属の「二十日大根」のことで、サラダ用に品種改良されたヨーロッパ原産の小さな大根の一種です。
エシャロットは、小さな玉ねぎのような形をした野菜で、香味野菜として、とくにフランス料理のソースの材料として使われます。
エシャレットは、土寄せして白く柔らかく(軟白させて)栽培し、若いうちに収穫したらっきょう(根らっきょう)のことで、しばしば生食します。
島らっきょうは、沖縄独自のらっきょうの品種で、本土のらっきょうよりも小型で香味が強いのが特徴です。
きゅうりは、インド・ヒマラヤ原産の、ウリ科きゅうり属の野菜です。表面はイボイボしています。
ズッキーニは、アメリカ・メキシコ原産の、ウリ科かぼちゃ属の野菜です。表面はツルツルしています。
どちらもナス科トウガラシ属の同種の野菜で、生物学的には同じものです。品種はピーマンが中型種(比較的薄く細長い)、パプリカが大型種(大きく肉厚でふっくらとしている)と異なる分類がなされます。
ピーマンは、緑色をした未熟の果実で、苦みがあり、生食には向きません。 緑色のピーマンが追熟することで、見た目が赤・黄色・橙色へと変化したものは「カラーピーマン」です。
パプリカは、赤・黄色・橙色をした完熟の果実で、比較的甘く、生食も可能です。 ピーマンよりも大型(重さが100g以上、果肉が7~10mmくらい)の、カラーピーマンの一種です。
どちらもケールを原種とする、地中海沿岸原産のアブラナ科アブラナ属の野菜で、ケールから分化したのがブロッコリー、ブロッコリーが突然変異で白化したものがカリフラワーです。
ブロッコリーは花蕾が緑色、茎が黄緑色の野菜です。茎の部分は固めの触感です。
カリフラワーは全体が白色の野菜です。茎の部分は噛むとほろほろと崩れやすいことが特徴です。
キャベツは、地中海・大西洋沿岸を原産とするアブラナ科の一年草または二年草の野菜です。色は淡い黄緑色で、葉は厚めでずっしりとしており、シャキシャキとした歯ごたえがあります。
レタスは、エジプト・地中海沿岸を原産とするキク科の野菜です。色は濃い緑色で、葉は薄めで柔らかく、ふんわりとした食感です。
ほうれん草は茎が細くて緑色をしており、根元が赤くなっています。葉っぱは先端に向かって細くなります。灰汁があるため、茹でて灰汁抜きをしてから食べます。
小松菜は茎が太くて白味がかった緑色をしており、根元もほぼ同色です。葉っぱは丸みを帯びています。灰汁がないため、生食も可能です。また、ほうれん草よりもカルシウムを多く含みます。
山芋は、自然薯や長芋、大和芋など、ヤマノイモ科に属する芋類の総称です。
長芋は、長い棒状の山芋です。水分が多く、粘り気が少なめで、サクサクした食感です。
大和芋は、「いちょう芋」とも称し、扁平な形をした山芋です。丸っこい形をしているものは「つくね芋」と呼ぶこともあります。粘り気が強く、濃厚な食感です。
自然薯は、もともとは山野に自生する山芋で、非常に細長い形をした山芋です。粘り気が大変強いことが特徴です。また、特に天然物は希少価値が高いです。
みかんは、ふつうは「温州みかん」のことを指します。中国の地名である「温州」がついていますが、原産地は日本です。もと、蜜のように甘い柑橘から「蜜柑」と称します。
オレンジは、明治時代以降に日本に輸入(導入)されるようになった柑橘類の一種、スイートオレンジ(アマダイダイ)を指すことが多いです。
ちなみに、柑橘類は、ミカン科ミカン亜科のカンキツ属、キンカン属、カラタチ属の植物の総称で、以下のような種類があります。
<カンキツ属>
<キンカン属>
<カラタチ属>
もともとは、ご飯の上にカレーのルーがかかった状態の料理を「ライスカレー」、カレーとご飯が別々に給仕された料理を「カレーライス」と呼んでいました。
概ね戦後には、ほぼ両者の区別なく、「カレーライス」の呼称が一般的になったとされます。
から揚げは、食材に小麦粉や片栗粉の衣をまぶし、油で揚げた料理です。
竜田揚げは、食材をみりんや醤油などに漬け込み、下味をつけた上で片栗粉の粉をつけて油で揚げた料理です。
ガパオライスはタイ料理で、ご飯の上に炒めた具材を載せます。
ナシゴレンはインドネシア両市で、ご飯と具材を一緒に炒めます。
魚介類は、水産物全般(魚類、貝類、甲殻類、イカ・タコ、ナマコなど)です。
魚貝類は、魚や貝のことです。
鮭はサケ・シャケどちらでも正しいとされます。寄生虫がいるため生食は基本的に不可で、加熱して食べる必要があります。
サーモンは、厳密には様々な種類があって、淡水魚である「トラウトサーモン」(ニジマス科)のほか、「アトランティックサーモン」(サケ科)などがあります。日本で「サーモン」といった場合は後者の「アトランティックサーモン」を指すことが多く、このサーモンはほとんどが養殖ものであって、鮭とは違い生食できることが特徴です。
ツナは、マグロ類を油漬け加工した食品です。
シーチキンは、はごろもフーズのツナ缶(商品名)です。
昆布は、冷たい海(日本では宮城県以北)で育つコンブ科に属する海藻の総称です。1年経って枯れた後、再び芽が出て、成熟した2年目に収穫されます。
ワカメは、様々な海(日本全国の海)で育つチガイソ科の海藻です。1年で収穫されます。
和牛は、黒毛和牛(神戸、宮崎)・褐毛和牛(肥後、土佐)・無角和牛(萩)・日本短角種(北海道、青森、秋田、岩手)の4品種のみの純血個体を指します。
国産牛は、日本国内で3か月以上肥育されているか、国内で肥育されている期間がもっとも長い牛のことです。肥育場所と肥育期間のみで判断します。
ミニトマトは10~20gくらいの小さなトマトの総称で、プチトマトはその品種(すでに販売は終了)の1つです。
どちらも1960年から販売されている揚げせんべいで、歌舞伎揚げは東京、ぼんち揚げは大阪発祥です。
歌舞伎揚げは、東京・天乃屋のせんべいで、やや柔らかく、砂糖と醤油の濃い目の味付けが効いた、甘味が特徴です。せんべいと歌舞伎、2つの和の伝統を組み合わせたもので、パッケージには歌舞伎の定式幕である緞帳の色(萌葱色・柿色・黒の三色)があしらわれ、せんべいには歌舞伎の家紋が刻印されています。
ぼんち揚げは、大阪・ぼんちのせんべいで、歯ごたえがあり、カツオや昆布だしの効いた、うす塩味が特徴です。山崎豊子の小説『ぼんち』が元になっています。
食料は食べ物全般を指す言葉です。食糧は食料の中でも特に、米や麦などの主食を指します。
グリルは、焼き網や鉄板で直火焼きをすることです。
ローストは、蒸し焼きをすることです。
ゼロカロリー・ノンカロリーともに、食品100g/飲料100mlあたりのエネルギーが5kcal未満であることです。
カロリーオフは、食品100gあたりのエネルギーが40kcal未満、飲料100mlあたりのエネルギーが20kca未満であることです。「低カロリー」「ローカロリー」「カロリーライト」や「カロリー控えめ」も同じ意味で使われます。
健康食品は、「健康によいとされる食品」の総称です。
保健機能食品は、健康食品のうち、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品の総称で、健康増進法や食品表示法による定めのある食品の総称です。
特定保健用食品は、「トクホ」と称され、消費者庁の許可が必要な保健機能食品です。商品ごとにその機能性や安全性を専門家が検証します。具体的には、消費者庁の食品表示課が諮問する消費者委員会(新開発食品評価調査会)がまず効果を判断し、食品安全委員会(新開発食品専門調査会)が新規の関与成分の安全性を審査し、再び消費者委員会(新開発食品調査部会)が安全性と効果について判断し、答申を受けた厚生労働省医薬食品局が医薬品の表示に抵触しないかを確認したものを、国立健康・栄養研究所または登録試験機関によって関与成分量を分析し、最終的に消費者庁長官が「トクホマーク」の付与を許可するものです。最終製品では実際の人による試験も必要です。
機能性表示食品は、消費者庁への届け出が必要な保健機能食品です。事業者が健康効果に関する科学的な根拠(研究結果をまとめたものなど)を自己責任で示すものです。
栄養機能食品は、20種類の栄養成分(n-3系脂肪酸、亜鉛・カリウム・カルシウム・鉄・銅・マグネシウムといったミネラル、ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・ビタミンA/B1・2・6・12/C/D/E/K・葉酸といったビタミン)について、国が表示できる内容を定めた保健機能食品です。消費者庁への届け出は不要です。
オーガニックは「有機の」という意味で、語義としては有機栽培とオーガニック栽培は同一のものです。「有機物」は炭素を含むもので、農業においては「肥料として、有機物である堆肥を使っている」ことを指します。「有機物である堆肥」には、生ごみ堆肥や有機廃棄物堆肥(米ぬか、家畜の糞)と籾殻を合わせて発酵させる籾殻堆肥、畜糞堆肥などがあります。
狭義では生産過程で堆肥を使えば有機栽培となりますが、一般的には、化学肥料や殺虫剤などの合成された肥料・農薬を使わない栽培のことを指すことが多いです。
日本においては、有機JAS制度で「有機農産物」と表示できる基準が(食品において)定められており、「化学的に合成された肥料や農薬の使用を避けること」、「遺伝子組み換え技術を利用しないこと」、「播種や種付け前2年間(ただし多年生の作物においては最初の収穫前3年以上)において、有機肥料での土づくりを行った田畑で生産したもの」が「有機栽培」(オーガニック栽培)と認められています。
ただしこの規制はあくまでもJASの規制に関連する農作物だけであり、化粧品などにおいては事実上、基準がないため、「オーガニック」「有機栽培」といった表現は、(有機栽培過程さえ経ていれば)メーカーの倫理に委ねられることになります。
なお、「有機農産物」と表示できる基準によれば、「化学的に合成された」農薬の使用が制限されているだけであり、天然原料をベースとする農薬については使用できることとなります(さらに厳密には、農薬の成分が「有機」であことは求められていない)。したがって、「有機栽培」や「オーガニック栽培」は「無農薬」とは異なる意味合いとなります。
ちなみに「無農薬栽培」は、農薬自体の使用を控えた栽培方法です。しかし現実問題として、商業レベルでの安定した農作物供給のためには「完全な無農薬での栽培」は極めて困難とされます。そこで農林水産省は「特別栽培農作物に係る表示ガイドライン」において、「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」の語については、消費者へ優良誤認を与える虞があることから、原則として表示を禁止しています。また、この規制に該当しない場合であっても、農産物の品質と表示が大きく異なり、消費者へ優良誤認を与えることは法的に認められていません。
「蒸す」は、蒸気で食材を加熱する調理法です。
「蒸かす」は、蒸気で芋や大豆などの固い食材を加熱し、柔らかくする調理法です。
「茹でる」は、食材を、お湯で火を通して加熱することです。
「煮る」は、食材を、調味料や出汁、煮汁などで味付けをしながら加熱することです。
「炊く」は、穀物を煮ることです。また、出汁や煮汁などを食材に含ませて加熱する調理法を指すこともあります。ちなみに「焚く」となると、燃料を燃やすことを意味します。
「燃やす」は、そのものに火をつけて炎が立っている状態にすることです。
「焼く」は、熱や光、薬品などを通じた作用により、あるものの性質を変質させたり、加工したりすることです。
「焦がす」は、焼いたり加熱したりすることで、ものの表面を黒くすることです。
いずれも、材料と調味料を入れてボタンを押すことで自動で調理を行う「自動調理機能」を持った調理家電です。マニュアル調理も可能ですが、複数のレシピを内蔵し、スマホなどと連動して自動で予約・保温などができるタイプもあります。
自動調理鍋(オートクッカー)は、圧力を掛けずに、主に食材の水分を使って自動でかき混ぜを行う「無水調理」タイプと、電気の力で圧力をかけ、自動でかき混ぜも行う「電気圧力鍋」タイプがあります。
電気圧力鍋は、「自動かき混ぜ機能」こそありませんが、基本的には食材を入れるだけで電気の力で圧力をかけ、自動で加熱調理を行います。
本来の意味では、「焼きながら食べる」のが焼肉、「すべて焼いてしまってから一斉に食べる」のがバーベキューです。
少々は、親指と人差し指の2本指でつまんだ分量のことです。
ひとつまみは、親指・人差し指・中指の3本指でつまんだ量です。
シェフは料理長、コックは料理人です。
ソーダは、炭酸水全部を指す言葉で、炭酸ガスを含有する水のことです。
サイダーは、フランス語のシードル(cidre)、すなわち「リンゴのお酒」を由来とするソーダです。本来はリンゴ風味でしたが、こんにちの日本では砂糖・クエン酸・香料などを加えた炭酸の清涼飲料水全般を指します。 なお、アメリカでは果汁100%で無濾過・無加工のリンゴジュースのことをcidreと呼ぶ場合があります。
ラムネは、英語のレモネード(lemonade)が転訛したもので、レモンやライムなどの柑橘系の風味に、砂糖などを加えたソーダです。
当初はサイダーが(シードル由来なので)リンゴ風味、ラムネが(レモネード由来なので)レモン風味という風味の違いがあったのですが、近年ではサイダーにもレモン風味が使用されるなどして、味だけで「サイダー」と「ラムネ」を分類することはできなくなりました。
今は、容器にビー玉が入った炭酸清涼飲料水が「ラムネ」、そうでない炭酸清涼飲料水が「サイダー」と、容器で区分することが普通です。
ソフトドリンクは、本来はアルコール飲料(ハードドリンク)の対義語です。日本においては水道水、牛乳や乳製品、乳酸菌飲料以外の飲み物の総称(「ミネラルウォーター」「茶系飲料」「コーヒー飲料」も含む)を「清涼飲料水」と呼んでおり、これが広義のソフトドリンクとほぼ同義となっています。
ジュースは、野菜や果物の絞り汁のことです。英語では果汁100%のものを「fruit juice」、それ以外のものを「fruit drink」と分けて呼称します。日本でも、食品衛生法で「100%果汁(還元果汁でもよい。砂糖や蜂蜜等を加えることは可能)」のものを「ジュース」と呼称することになっています。
「ミネラルウォーター」は、採水した地下水のミネラル分を人工的に調整した水を指します。「天然」「自然」の呼称はできません。
「ナチュラルウォーター」は、採水した地下水を、沈殿・濾過・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わない「天然水」です(塩素処理やオゾン処理をした場合は「天然」ではなくなります)。
「ナチュラルミネラルウォーター」は、採水した地下水に、自然のミネラルが溶け込んでいる「天然水」です。
アイソトニック飲料は、人間の体液とほぼ同じ浸透圧の飲料です。エネルギー源となる糖質や、発汗で失われるミネラル分の補給を事前に行うため、運動前はアイソトニック飲料での水分補給が望ましいとされます。
ハイポトニック飲料は、人間の体液よりも低い浸透圧の飲料です。運動中や運動後は、発汗で大量の水分を喪失することから、水分を素早く吸収することのできるハイポトニック飲料での水分補給が望ましいとされます。
いずれも茶葉の浸出液を飲用するお茶です。
緑茶は、茶葉を発酵させない「不発酵茶」です。
紅茶は、茶葉を完全に発酵させる「発酵茶」です。
烏龍茶は、茶葉の発酵を途中で止める「半発酵茶」で、「青茶」の一種です。
ちなみに、弱めに茶葉を発酵させる「弱発酵茶」は「白茶」といいます。
煎茶は、もっとも一般的な緑茶です。摘んだ茶葉を蒸して(発酵をさせず)揉んでつくります。
番茶は、成長して硬くなり、煎茶で使用しない茶葉(煎茶規格外の茶葉)を使用したものです。
番茶を焙煎し、香ばしさを引き出したお茶が「ほうじ茶」です。
玉露は新芽が出てから20日以上、日光を遮って育てたお茶(遮光率70~90%)です。茶摘み後の製造工程は煎茶と同じです。お茶のうま味成分のテアニンは、日光を浴びることで「茶カテキン」となりますが、遮光することにより「うまみ成分」を強く残すことができるのが特徴です。
かぶせ茶も新芽が出てから日光を遮って育てたお茶ですが、遮蔽の期間(7~10日程度)が異なります。
玉露・かぶせ茶ともに、茶摘み後の製造工程は煎茶と同じです。
抹茶は覆下栽培(2~3週間程度)した茶葉を摘んだ後、揉まずに乾燥させた茶葉(碾茶)を、茶臼で引いて粉状にしたお茶です。なお、狭義では単に粉末状の緑茶のことを指す場合もあります。
粉茶は、煎茶や玉露を製造する課程で出る粉の部分を選別したものです。粉が大きいため、急須や茶こしを使用します。
粉末茶は、茶葉を粉砕したものです。回転寿司店で用いられることが多いです。
インスタントティーは、茶葉から抽出した液体を乾燥させて粉末状にしたものです。主に給茶機で用いられます。
ミルクティーは、牛乳を加えた紅茶のことです。
ロイヤルミルクティーは、沸騰直前まで温めた水・牛乳に茶葉を加え、蒸らして抽出したものです。
カフェオレはフランス語で、「コーヒー牛乳」の意味です。ドリップコーヒーに温めたミルクを1:1で入れて作ります。
カフェラテはイタリア語で、「コーヒー牛乳」の意味です。エスプレッソに温めたミルクを1:1で入れて作ります。
カプチーノは、エスプレッソにフォームドミルク(泡立てたミルク)やフォームドミルクとスチームドミルク(蒸気で温めたミルク)を加えた飲み物です。
コーヒー牛乳は、日本においては一般的には「牛乳にコーヒーを加えて作った飲み物」全般を指します。しばしば、多くの砂糖も加えられてまろやかな味で作られます。
ビールは、麦芽とホップを酵母で発酵させたお酒で、麦芽の使用率が原料の2/3以上、アルコール度数は20%未満のものです。
発泡酒は、麦芽又は麦を原料の一部としているお酒で、発泡性を有し、アルコール度数は20%未満のものです。
第3のビールは、ビールや発泡酒以外で、発泡性を有し、アルコール度数が10%未満の「ビールテイストの」お酒です。麦以外の原料(穀類や糖質など)を用いてつくられた「その他の醸造酒(発泡性)①」に分類されるものと、発泡酒にスピリッツを加えたエキス分が2%以上の「リキュール」とに分類されます。
生ビールは、貯蔵工程で熱処理をしないビールです。
ラガービールは、貯蔵工程で熟成させたビールです。
黒ビールは、その名の通り黒みがかったビールで、原料(麦芽)の濃い色味に由来します。
スタウトは、原料(麦芽)の色が濃く、また香味をもったビールです。
チューハイは、焼酎ハイボールの略です。ハイボールはお酒の炭酸割りのことですが、特に焼酎の炭酸割りを「チューハイ」と呼んでいます(日本ではウイスキーを炭酸で割ったものを「ハイボール」と呼びますが、本来は「チューハイ」も「ハイボール」です)。
サワーは、日本ではほとんどチューハイと同義に扱われています。しかし、本来のサワーは炭酸を入れず、蒸留酒(ジンやウォッカなど)にレモンなどの酸味や砂糖などの甘みを加えた、カクテル全般を指す言葉です。
スピリッツは、蒸留酒のことです。広義ではウイスキーやブランデーも含まれますが、一般的にはこれ以外の、ジンやウォッカ、ラム、テキーラ(これを四大スピリッツといいます)などの蒸留酒を指すことが多いです。
リカーも、蒸留酒全般を指しますが、「リカーショップ(酒店)」といったときは醸造酒(ビールや日本酒など)も扱っていることが普通です。
リキュールは蒸留酒に果実や香草、薬草などで風味付けしたものを指します。果実系やハーブ系(薬草・香草)、シード(種子)系など様々な種類があります。
どちらも蒸留酒の仲間ですが、ウイスキーが麦やトウモロコシなどの穀物を使って作られた「味を楽しむ」お酒、ブランデーはブドウを原料とした「香りを楽しむ」お酒です。
ワインはぶどうの醸造酒で、ブランデーはワインを蒸留したお酒です。ワインのアルコール度数はだいたい14%前後ですが、ブランデーは40~50%近くまであります。
シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で生産されるスパークリングワインの一種で、フランスの法律である「原産地呼称(AOC)管理法」で定められた条件を満たしたもののみを指します。
スパークリングワインは発泡性ワイン(3気圧以上)の総称です。1~2.5気圧の発泡性ワインは「セミスパークリングワイン」と言います。
電柱は、電力会社などが送配電をするために設置する「電力柱」のことです。電車の架線柱も電柱の一種です。
一方の電信柱は、通信会社が電話線や通信ケーブルを通す柱です。
ちなみに、「電力柱」と「電信柱」を兼ねるものもあって、これを「共有柱」と呼んでいます。
街は、商店などが立ち並ぶ通りや場所を指し、英語ではstreetです。
町は、家々が密集している地域や都会を意味します。英語ではcity、townです。
ライブは「ライブコンサート(生演奏)」を省略した言葉で、コンサートの一種です。どちらかというと観客と演者が一体となって(ときに歌ったり、踊ったりして)場を盛り上げるコンサートのことを特に「ライブ」と呼ぶことが多いでしょう。
コンサートは、一般的な演奏会や音楽会のこと全般を指しますが、生演奏に限らず、フィルムコンサートやビデオコンサートもコンサートの一種です。鑑賞が目的となるものを「コンサート」と呼ぶことが多く、観客は拍手以外のときは基本的に静かに聴くことが求められる傾向にあると言えるでしょう。
野外フェス、音楽フェス、ロックフェスなどの「フェス」はフェスティバルの略語で、「音楽のお祭り」といった意味合いのイベント全般を指します。
歌は、旋律やリズムがあり、歌詞がついている音楽(song)全般を指します。また、日本おいては和歌、特に短歌を「歌」と言います。
唄は、民謡や俗曲のことです。
詩は、旋律やリズムのない詩や漢詩のことです。
ランニングは基本的には「競技に向けたトレーニング」のことで、スピードも早く(時速8km以上が目安)、運動強度の大きい「走り」です。
ジョギングは 健康増進や準備運動を目的として比較的ゆっくりと走ることで、しゃべりながら走れる程度(時速5km前後が目安)の、いわばウォーキングの延長線上の「走り」です。
ちなみに両足のどちらかが接地している瞬間がある場合はウォーキングと呼ばれ(概ね時速3km程度が目安)、ジョギングになると「どこかで両足が浮く」走り方になります。
礼儀は、相手のことを敬う気持ちを込めた行動様式のことです。
マナーは、礼儀のことです。どちらかというと「社会みんなが気持ちよく過ごすための作法」という意味合いです。テーブルマナー、食事マナーなどですね。
作法は、決められた立ち居振る舞い・動作のことです。
行儀は、礼儀の面からみた立ち居振る舞いのことです。その作法や規則もあらわします。
エチケットも礼儀のことですが、どちらかというと「相手に対する個人的な思いやり」という意味合いです。身だしなみのエチケット、言葉遣いのエチケット、咳エチケットなどですね。
ルールは、外面的・物理的な強制をともなう規則やきまりのことです。きまりを破ると罰則があることもしばしばです。条約、法律や条例などの国や地方公共団体に適用されるルールのほか、学校のルールや映画館のルール、スポーツジムでのルールなどがあります。
しつけは、「礼儀作法」のことです。また、「礼儀作法」が身につくように教え込むことです。
道徳は、善悪を弁えて「正しい」行為をするために、(その社会で、あるいは人として)守り従わなければならない規範の総体です。外面的・物理的な規則であるルールとは異なり、自発的な行為を促す内面的な規範です。ちなみに、「道」は物事の道理やことわりのことで、「人として踏まなければならないとされる行動の筋道」、「徳」は「精神の修養によって得られるすぐれた品性や人徳」のことです。
モラルは、道徳のことです。社会生活を営む上でマナーやエチケットを備えて、良心的だったり、相手に不快な感情を与えない気遣いや心遣いをする 「正しい」心や立ち居振る舞いのありさまです。
倫理は、人として守り行うべき道のことです。善悪や正邪の判断において、(その社会において、あるいは人として)普遍的な規律や基準となるもので、道徳・モラルとも同義で用いられます。
公衆道徳は、社会生活を営む人々がそれぞれ守るべき社会的な規範のことです。
デニムは生地そのもの(丈夫な厚手の生地)を指します。
ジーンズはデニムを使って作ったズボンのことです。ジーパンですね。
下着は、衣服の下に着用するもので、肌に直接触れるものです。衛生上の意味合いはさることながら、一般的には、デリケート・ゾーンを覆い、着用時には「他人には見せない」ものです。「アンダーウェア」ともいいます。
肌着は、基本的には素肌に密着させる部分が多くあり、上の服を汗や皮脂などの汚れから守るために、あるいは肌の保温・保湿・快適さの維持などの目的で、主に下着の上に着用するものです。または、「下着」と同義で用いられます。いずれにしても、基本的には「他人に露出」しないものです。
インナーは、2枚以上の衣服を着る際に、内側に着る服のことです(外側は、アウターです)。また、「下着」そのものを指します。
インナーシャツは、アウターとして使用していないシャツ(上着よりも下に着るシャツ)の総称です。
アンダーシャツは、2枚以上の衣服を着用する際に、素肌に直接着るシャツ(肌着)です。
根付は、印籠や巾着などの堤げ物を、着物の帯にひっかけるための留め具のことです。
ストラップは、携帯電話やカバンなどに飾りをぶら下げるための布またはゴム製の紐のことです。
キーホルダーは、鍵などを1つに束ねるために金属製の輪がついた道具です。
計算は、数の法則に基づいて演算し、結果となる数量を求めることです。
演算は、数式の示すとおりに所要の数値を計算することです。「計算することそのもの」が演算で、「演算して答えを求めること」が計算、というニュアンスです。
勘定は、1つずつ金銭やものを数えることです。
算定は、数の法則や取引などのルールに基づいて、あるものがどのくらいの数量や価値になるかを予め目安として数値化することです。
算出は、演算法則を駆使して求める数値を出すことです。
定規は「線を引くための道具」です。目盛りがあるものとないものがあり、目盛りがある場合は筆記具を当てやすいように「0」点が記されています。「線引き」とも言います。
ものさしは「長さを測る道具」です。昔ながらの竹のものさしを見ると明らかですが、必ず端から端まで目盛りがあって、しばしば「0」の表記はありません。
メジャーは、帯状になったものに目盛りがあって、長さを測る道具です。
巻き尺は、布や皮、金属でできた計測機具で、使用しないときはケースに巻いて収納するメジャーです。英語では「テープメジャー」と呼びます。
印鑑は、判子を押印した時に残る「印影」や「印形」のことを指します。
判子(ハンコ)は、実印や認め印など、押印するための道具そのものです。はんこ屋さんはあっても、「印鑑屋さん」はないということですね。「印章」 や「印判」「印信」とも言います。
文は、一語以上の語で構成され、「句点」で区切られたまとまった内容を表す一続きの言葉の集合です。
文章は、「文」が連なり、あるまとまった話題(感情、思想、意見、主張、物語など)を表したものです。
本は、印刷と製本・装丁がされている、読むための書物です。
書籍は、ISBNコードがつけられて、一般流通ルートで管理・販売され、物語や知識、情報が記されており、かつ、定期刊行物ではない書物のことを指します。印刷物ではなくデジタルデータ化されたものが「電子書籍」です。
書籍は、定期刊行されず、背面にISBNコードとJANコードの2種類のバーコードが記載されている書物のことです。
雑誌は、定期刊行されて、背面に定期刊行物コード(かつては共通雑誌コード)のみが記載されている書物です。
ムックは、雑誌と書籍を合わせたような刊行物で、magazineとbookの混成語(mook)です。基本的には書籍の一種としてISBNコードが付されますが、同時に雑誌コードが付されるムック本もあります。
文庫は並製本(ソフトカバー)で、一般大衆への普及を目的として刊行される小型の叢書(シリーズ本)です。小説や古典、詩集などの文学系の作品や、 過去に重版された人気の単行本が文庫化されることが多いです。
単行本は、上製本(ハードカバー)や並製本 で、「単独で刊行される本」です。小説からエッセイ、ビジネスまでジャンルは多岐にわたります。売れたものが普及版としてのちに文庫化することも多いです。なお日本では並製本の単行本のうち、特に洋書の並製本の書籍のことを「ペーパーバック」と呼ぶことが多いです。
新書は、並製本で、文庫よりも一回り大きいサイズの叢書です。一般人向けの入門書のほか、専門書・学術書・実用書などノンフィクション系の作品が刊行されることの多い傾向にあります。
コミックは、コマ割りされたイラストによる物語作品を指します。comicの原義は「喜劇な」「滑稽の」という意味です。コミックを掲載した単行本や雑誌自体を指すこともあります。
漫画は、もともとは単純・軽快なタッチで描かれた誇張や風刺、滑稽、ときにナンセンスな表現をした「絵」そのものを指します。また、「絵をコマで連続させて、台詞をつけて物語化したもの」も指します。
絶版は、版元が書籍の原版を廃し、以降重版をしないことです。
品切れは、売り切れ状態のことです。在庫切れの場合でも、出版社が重版や再版を行っている途中の場合もあります。
重版は、過去の出版物の内容を一部加筆修正して、新しい版として追加印刷することです。タイトルや表紙は一般的には変わりませんが、奥付けの「版数」が変わります。
増刷は、過去の出版物の内容をそのまま追加で印刷することです。原則として奥付けの「刷り数」が変わります。
再版は、過去の出版物の内容をそのまま追加で印刷することの総称です。
改訂は、過去の出版物の内容を最新版として変更・追記して、新しい版として印刷することです。基本的には、タイトルや表紙でもその旨が告知されます。
校了は、最終校正の段階で修正がなく、校正が終了して印刷に進める状態です。
責了は、「責任校了」の略です。最終校正の段階で微細な修正や差し替えが発生してしまったときに、制作者側の責任で訂正内容を確認し、以降の修正を一任すること(責任修正)を条件として、校正を終了する状態です。要するに、「これ以上は戻さない」ことを相互了解の上、印刷に進めることです。
著名は、社会的に認められて世間に名がよく知られていることです。
有名は、「世間に名を知られていること」です。対義語は「無名」です。人・物どちらにも使い、また良い場合も悪い場合も用いられます。
高名は、社会的評価がとても高いことです(一般的に「著名」よりも高い)。
佳作は、「出来栄えのよい作品」のことです。コンクールでは「入賞に次ぐ作品」の意味合いがあります。
秀作は、「非常に優れた出来ばえの作品」「優秀作品」のことです。
表計算の場合は、横方向が行(row)、縦方向が列(colum)です。
文書の場合は、文章の流れていく方向が「行」です(縦書きの場合は縦方向、横書きの場合は横方向)。
ニュースは、(まだ広く知られていない、新しい)告げ知らせる内容そのものを指し、その性質は公的なものにも私的なものにも使われます。それを取り扱った新聞記事や放送番組そのものを「ニュース」と呼ぶこともあります。
報道は、人々に広く告げ知らせることです。私的なことには用いず、公的(社会一般的)なものにのみ使われます。
基本的には、フィルムカメラでないデジタルカメラの種類です。
コンデジは、もっとも一般的(に「デジカメ」として想定される)なデジタルカメラ(コンパクトデジカメ)で、レンズが一体型(取り外しができない)のものです。レンズ内蔵のデジカメは、基本的にはその大きさに依らず「コンデジ」と呼びます。
デジタル一眼レフは、「プロや写真愛好家が使用するデジカメ」としては最も一般的なもので、レンズの取り換えを行うデジカメです。カメラ本体のミラーボックスに反射鏡があり、撮影者は鏡に反射した実像をファインダーを通して捉え、撮影します。
ミラーレス一眼もレンズの取り換えを行うデジカメですが、反射鏡がなく(ミラーレス)、撮影者は液晶画面で被写体を捉え、撮影します。
宅配便は小口の荷物を荷主の戸口から届け先の戸口まで配送する輸送便のことです。
宅急便は、ヤマト運輸の提供する宅配便のブランド名で、登録商標です。
配送は、郵便物や荷物が、送り主から届け先に運ばれる一連の流れを指します。
発送は、送り主から荷物が送り出されることです。
配達は、送り主から発送された荷物を指定された場所(届け先)に届けることです。
収集は、取り集めること全般を指します。
蒐集は、主に趣味や研究のため、(例えば切手のコレクションや有名人の往復書簡など、ある特定の)ものを集めるときに使用することが多いです。
一次電池は、一度使い切ると(放電してしまうと)使用できなくなる電池のことです。乾電池(マンガン乾電池、アルカリ乾電池)がもっとも身近ですね。
二次電池は、充電することで繰り返し使用できる電池のことです。かつてはニッカド(ニッケル・カドミウム)充電池が身近な二次電池でしたが、今もっとも日常で使われている二次電池といえば、リチウムイオン充電池でしょう。
燃料電池は、水素と酸素の電気化学反応により発生した電気を取り出す装置です。
化学電池は、電池内部の化学反応によってエネルギーを生み出す電池で、一次電池や二次電池、燃料電池のことです。
物理電池は、光や熱などのエネルギーを、電気エネルギーに変換する装置で、太陽電池や原子力電池のことです。
生物電池は、生体触媒や微生物による生物化学的な変化を電気に変換する仕組みです。
ディスプレイは、電子信号を画面で発光させることで画像を表示する機器全般を指します。
モニターは、PCの画像や映像を表示したり、監視カメラなどの映像を監視・観測したりするディスプレイのことです。
テレビは地上波やBSを中心とした「テレビ番組」を見るための家電で、テレビ放送を出力可能なチューナーが付属していることが特徴のディスプレイです(「チューナーレステレビ」は、テレビ放送が受信できないことから、この定義では「モニター」ないし「ディスプレイ」ということになります)。
画像は、絵などとして描かれた像全般を指します。
映像は、光の屈折や反射によって描かれた像(モニターに映し出された像)を指します。
料理は、食べ物を作ること、そして作った食べ物そのものも指す総称です。料理をする過程(料理になる過程)の技術的な側面を切り取って、調理と呼ぶと解釈してもよいでしょう。
なお、家族や友人などのために食事を作ることはふつう「料理」で、レストランなどで料理をつくることは「調理」です。また、料理を加工する過程も「調理」で、ふつう、切り身や冷凍食品は「料理済食材」とは呼ばず、「調理済食材」と呼びます。
ミキサー(ブレンダー)は、食材を細かく切ったり削ったりしながら液体と一緒に撹拌し、どろどろしたスープ状にする調理器具です。ブレンダーの場合は、さらに食材を潰したり、刻んだり、泡立てたりする機能がついているものもあります。
ジューサーは、野菜や果物に含まれる水分を使って、さらさらとしたジュースにする調理器具です。
フードプロセッサーは、食材を粗く切削し、混ぜるための調理器具です。スープやジュースを作ることはできません。
観光は、名所旧跡の景色や風景を見て回ることです。
行楽は、出かけた土地の景色や食物などを楽しむことです。
レジャーは、余暇、余暇の遊びのことです。
ピクニックは、「野外に出かけ、飲食すること」「食事を持って遠足をすること」の意味です。遠足とは今では学校の「小旅行」の意味になっていますが、ほんらいは「遠い道のりを出かける」ことを指し、基本的に移動手段は問いません。すなわち、徒歩であろうとバスや電車、自家用車であろうと、とにかく「出かけて、野外で食事をすること」がピクニックなのです。
一方のハイキングは、「徒歩旅行」の意味です。「自然の中を歩く」ことに目的の焦点が当たっています。
登山は、基本的には「山頂を目指して山を登ること」です。
トレッキングは、「山の中を歩く」ことで、必ずしも山頂を目指していない部分が違いです。英語の本義(trekking)でいえば「比較的険しい山道を何日もかけて歩く」というニュアンスがあります(日本ではもう少し緩やかに、ハイキングよりもより運動強度が強く、「山道を歩くこと」という意味合いで使われることが多いかもしれません)。
リュックサックはドイツ語で、「後ろに背負う袋」です。ナップサックは小型のリュックで、ショルダーベルトではなく紐で背負うタイプのものを指すことが多いです。
バックパックは、英語でリュックサックのことです。日本では、登山用など比較的大型のリュックを指すことが多いです。日常使いの小型のバックパックは「デイパック」です。
遊園地は、常設の有料遊戯施設を3種類以上(コインやメダル式のアーケードゲーム機を除く)有する、娯楽施設です。
テーマパークは、ある特定のテーマに基づいて、常設の有料アトラクション施設を有するとともに、パレードやイベントなどによって空間全体を演出する、娯楽施設です。
遊戯は「遊びごと」の一般的な表現です。
「遊技」は、パチンコやマージャン店、ゲームセンターなど主に許可営業の娯楽に用いられます。
おしゃれは、他者から好感を持たれることを意図して、身なりに気を配ること、またそのさまです。
おめかしは、外出や、人と会う時に、着飾ることです。
ドレスアップは、華やかに着飾ることです。「盛装」と同義で、反意語は「軽装」です。
服装は、衣服や装飾品などを身に着けた姿のことです。
身なりは、外から見た(特に服装を身に着けたときの)様子のことです。
クラブは、共通の活動(主に趣味、運動など)をするために定期的に集まる団体のことを指します。
大学などでは、顧問や学校費などの公的な予算が正式についているクラブを「部」や「体育会」、顧問や学校費などの公的な予算がついていない自主的な集まり(クラブ)を「同好会」や「サークル」と呼ぶのが一般的です。また、小・中・高校では特別活動としての「クラブ活動」と、課外活動としての「部活動」(いわゆる部活ですね)とを厳密に分けています。
チームは、同種のグループを相手にして、試合やスポーツを行うためのグループを指します。英語ではclubというと、演劇部や合唱部など、スポーツで戦う相手がいないクラブを、teamは野球部やサッカー部など、スポーツで相手と 戦うクラブをそれぞれ指します。
ファスナーは「留め具」を指す一般名詞です。
ジッパーは、1921年にグッド・リッジ社(アメリカ)がファスナーを閉めるときの擬音である「zip」から「ジッパー」と名付けたファスナーをつけた靴を販売したところからファスナーの愛称として定着します。
ちなみ日本では「チャック」ともよく言います。これは、1927年に日本で初めてファスナー付きの財布が販売されたときに、「巾着袋」をもじって「チャック印」として売り出されたものが評判となり、「チャック」という呼び名が定着したものです。
鍵は、錠を開閉するために使う道具のことです。
錠は、開けられないように扉や金庫などに取り付ける器具のことです。錠前とも言います。
ところで錠を開けるのは一般的には「鍵」ですが、観音開きの門を内側から締めるために取り付ける戸締り用の横木である「閂」や、雨戸の上下の桟に取り付ける戸締り用の木片である「猿」も、錠を開けるための道具の一種です。
キー(key)は「鍵」のこと、ロック(lock)は「錠」のことです。
電気錠は電気配線を使用する錠前、電子錠は電気配線を使用しない(電池などで給電する)錠前です。例えばマンションなどのオートロック・システムは電気錠、スマホの指紋認証ロックは電子錠の1種です。
電気錠・電子錠とも、物理的な鍵(キー)のいらない錠前であることから、「キーレスシステム」と呼ばれます。カード型、生体認証型(指紋認証、顔認証、静脈認証など)など様々なタイプがあります。
セーフティは、「安全」や「安全性」といった意味で、危険がなく安心なことです。
セキュリティは、「保安」や「防犯」といった意味で、安全を保つこと、また犯罪を防ぐことです。
いずれも本人確認を行う際の電子認証の方式です。電子認証では「知識」(パスワードなど)・「所有」(IDカードなど)・「生体情報」(指紋・静脈パターン・虹彩・網膜・声・顔など)の要素による認証が行われますが、一段階(パスワードを1回入力するのみ)ではセキュリティが不十分な場合に複数の認証を組み合わせて行います。
二段階認証は、パスワード+秘密の質問、パスワード+第2パスワード、パスワード+ワンタイムパスワード、IDカードタッチ+パスワードなど、要素の組み合わせに関わらず、文字通り「二段階」の認証を行うことです。
二要素認証は、IDカードタッチ(所有)+パスワード(知識)やIDカードタッチ(所有)+顔(生体情報)など、2つの要素の組み合わせで認証を行うことです。
綱は、何かを支えたり、引っ張ったりするために用いる、繊維や針金などをよりあわせて長く作った太いものです。
縄は、ものを縛ったり繋いだりするのに用いる、繊維をよりあわせて作った綱よりも細長い紐です。
索は、綱や太い縄のことです。
ロープは、繊維や鋼線をよりあわせた丈夫な綱や縄を指します。
紐は、ものを縛ったり束ねたり結んだりするのに用いる、素材によりをかけたり、縫い合わせて作られた細長いものです。布や繊維のほか、紙や皮革などで作られます。
糸は、繊維を細長く引き伸ばし、よりをかけたものです。
いずれも、構造物や機械類の組立に用いられる「固定具」です。
ねじは、らせん状の溝が入っている固定具の総称であり、回転させて穴に結合させます。外側に溝がある「雄ねじ」、内側に溝がある「雌ねじ」があります。
ボルトは、直径8mmより大きい雄ねじで、雌ねじであるナットとセットで使用されます。頭は六角形や四角形であることが多いです。
ナットは、雌ねじのことで、ボルトとセットで使用される固定具です。
ビスは、側面に溝がついている小さな雄ねじで、直径は1~8mm、頭にプラスまたはマイナスの切り込みがあり、先端は尖っていたり、尖っていなかったりします。
リベットは、頭部を打ち付けることで結合させる装置です。
ダブルは、「2倍」や「二重」です。
デュアルは、(同じ使用目的だが)違う性質のものが2つあることです。例えば「デュアルモニター」といったときは、PCの画面とモニターなどで、同じ作業目的でも画面に映るものが違う場合に使います。
ツインは、同じもの(似た性質のもの)が2つあることです。ツインタワー、ツインビルなどが使用例の典型です。またツインズといえば「双子」のことです。同じ画面を2つのモニターに映すときは、「ツインモニター」です。
ユニバーサルデザインは、「万人にとって利用しやすい設計」のことで、「誰でも使える」デザインを指します。
バリアフリーは、障碍者や高齢者などが生活上障壁となる支障を取り除くことです。ひろくユニバーサルデザインに包摂されます。
アクセシビリティは、「誰もが使えるかどうか」の度合いのことです。
ユーザビリティは、「所与の目的達成のための使いやすさ」のことで、さらに「どれだけ使い勝手がよいか」「扱いやすさ」の度合いです。
防火は、火災で周辺が燃えてしまったときに延焼などの影響を受けない(燃え移るのを防ぐ)ことを指します。防火構造といったときは、建物の外側が燃えにくい構造になっています。
耐火は、火災が起きた際にその建物自体が倒壊しにくく、また火災発生場所から周囲に火が燃え移らないことを指します。耐火構造といったときは、建物の内側において火災が起こった場所から外側に延焼させにくい構造になっています。「防火扉」は、耐火構造の1種です。なお「準耐火構造」は、耐火構造よりもその求める条件が緩やかで、「延焼を防ぐ」ことが要件になっています。
不燃は、通常の火災で、20分間燃焼せず、防火上有害な変形や溶融・亀裂・その他の損害を生じず、屋内においては避難上有害な煙又はガスを発生しないことを以てその性能が認められます。ちなみに「準不燃」は、上記の基準が加熱開始後10分間、「難燃」は5分間と定められています。
火事は、建物や船、山林などから火が出て、焼けることです。
火災は、意図に反して火が燃え広がり、人やものに被害が出て、消火が必要な災害(火難)です。小規模で消し止められる火災を「小火」、焼失面積が大きく被害が甚大なものは「大火」「大火災」です。
なお火災には、燃焼する物質によって3分類があります。A火災は「普通火災」で、木材や紙、繊維などが燃える火災です。B火災は「油火災」で、油脂類や可燃性の液体が燃える火災です。C火災は「電気火災」で、電気器具や電気設備の火災です。
避難所は、地震や風水害などによる被害を受けたり、そのおそれがある人々が、一定の期間避難生活を送る場所です。小中学校や公民館などの公共施設が指定されています。
また避難所での生活が困難な、要介護者などを受け容れる避難所は、二次避難所(福祉避難所)と呼ばれており、こちらは一般の人々の避難生活はできません。
避難場所は、地震などによる火災など、地域全体の災害から身を護るため、一時的に逃げ込む場所です。河川敷や大きい公園など、地域の中で広いスペースが指定されます。
また津波の危険性がある地域では、「津波避難場所」として、高台のほか、「津波避難ビル」が指定されていることもあります。
なお、地域によっては「避難所」と「避難場所」を総称して、「避難拠点」という呼び方をする場合があります(東京都練馬区)。
一時集合場所(いっときしゅうごうばしょ)は、主に大都市部において、災害によって避難場所や避難所に避難をする際に、近隣の被災者が一時的に集合し、避難を行うための集団を形成する、主として町内会等における自主防災組織が割り当てた、地域の中継地点のことです。近所の公園、広場などが、原則として町丁目ごとに定められています。
まず、シャベルとショベルは同義です。シャベルは「掘るための道具」です。刃の上の部分が平らになっており、先端が尖っていて、土などに深く押し込めることが特徴です。
一方のスコップは「土などをすくって、運ぶための道具」です。刃の先端がまっすぐになっていて、すくった土などがこぼれないようになっています。
以上が定義上の「シャベル」と「スコップ」の違いですが、慣習的には東日本においては片手で使えるものをシャベル、大型のものをスコップ、反対に西日本においては片手で使えるものをスコップ、大型のものをシャベルと呼ぶことが多いようです。
クロック(clock)は「置いた状態で使う時計」(掛け時計、置き時計、目覚まし時計)のことです。
ウォッチ(watch)は「携帯して使う時計」(腕時計、懐中時計)のことを指します。
アプリケーションは、ユーザーの使用目的に応じて利用するプログラム・データなどのことです。
ソフトウェアは、アプリケーションだけでなく、それを動かすためのOS(基本ソフト)やカーネル(OSを動かす中核)を含め、あるシステムを動かすためのハードウェア(CPU、SSD、ハードディスク、ディスプレイ、マウスやキーボードなど)ではない部分すべてを指します。
あるURLが示す1つの場所をウェブページと呼びます。
あるウェブページに関連したウェブページの集合体がウェブサイトです。日本ではウェブサイトのことを「ホームページ」と呼称することも多いです。
ホームページは、日本では「ウェブサイト」と同義に使われていますが、英語圏では「トップページ(ホーム)」のことを指します。「ウェブサイト」が、「ホームページ(トップページ)」と「その他のウェブページ」で構成されているということです。
インターネットは、端的に言えば物理的なネットワークで接続されたコンピューター同士のデータ通信技術と、その規格の総称です。
ウェブ(ワールド・ワイド・ウェブ)は、インターネット上で動作するアプリケーションを指します。アドレスを示すハイパーリンクによって、まさに蜘蛛の巣(ウェブ)のようにつながった文書や画像その他のリソースの集合体です。
HTTPはHypertext Transfer Protocolの略で、Web上のサーバーとユーザーの使うWebブラウザの間で、情報をやり取りするためのプロトコル(通信規則)の一種です。HTTPSはHypertext Transfer Protocol Secureの略で、「HTTPで通信を安全にやり取りするための暗号化された仕組み」です。URLがHTTPではなくHTTPSになっていることを「SSL(Secure Sockets Layer)化(セキュア化)」されているといい、Webサイトの閲覧が暗号化されていることを示します。
いずれも、Web上やパソコン上で扱われる画像の形式です。「.jpg」「.png」「.gif」は、それぞれその画像の形式を示す拡張子です。
JPGは「JPEG(ジェイペグ/Joint Photographic Experts Group)」という種類の画像形式です。1670万色のフルカラーで表現でき、高画質を保ったまま画像を圧縮・保存できることから、デジカメやスマホの写真、イラストで一般的に用いられます。ただし不可逆圧縮という圧縮方式を使用しているため、リサイズや複数回の上書きや加工で画質劣化してしまいます。また、圧縮形式の特性から、文字や図など、シャープさが求められる画像を保存するのには不向きです。
GIF(ジフ)はGraphics Interchange Formatという種類の画像形式です。データ容量が小さく、背景透過やアニメーションをつくることもできるため、シンプルなイラストやワンポイントの画像に用いられます。ただし256色までしか表現できないことから、風景写真など細かい色使いが求められるシーンでは不向きです。
PNG(ピング)はPortable Network Graphicsという種類の画像形式です。その名の通りインターネット上での扱いのためにつくられた画像形式です。1670万色のフルカラーで表現できるほか、透過にも対応しています。またリサイズをしても画質劣化がない圧縮形式を採用していることから、加工などをしても画質を美しいまま保つことが可能です。ただし、JPGと比較するとファイルサイズが大きくなってしまうため、容量制限のある場面での使用は不向きです。
茶碗は、お茶を入れたり、飯を盛ったりするお椀のことです。
湯呑みは、特にお茶を飲むための「湯呑み茶碗」のことです。ご飯を食べるための茶碗は「御飯茶碗」です。
なお、「お茶」の席(抹茶)など特別なお茶を淹れるときや、お茶を来客にお出しする場合は、口が広くなっている「汲み出し」を用いることが一般的です。
まずコップは、「飲み物用の容器すべて」を指します。英語ではcupであることに注意しましょう。
グラスは「取っ手のないガラス製のコップ」を指します。ワイングラスもグラスの一種です。
ここで、「カップ」もあることに気づかれるでしょう。カップとは、語源がオランダ語のkopで、「取っ手のある飲み物を入れる容器」のことを指します。「コーヒーカップ」「ティーカップ」などですね(ちなみに日本語で「マグカップ」―「取っ手のある筒形の大きな容器」―は和製英語で、英語では単にmugと言います)。取っ手付きの「耐熱グラス」も、分類上は「カップ」になります。
英語の「cup」とオランダ語の「kop」が日本では見事に混在してしまい、「コップ」「カップ」「グラス」・・・と「飲み物を入れる容器」にややこしさが生じてしまいました。基本的に、「コップ」が包括概念、取っ手があったら「カップ」、取っ手がなくてガラス製ならば「グラス」と覚えておくとよいでしょう。
では、取っ手があってガラス製の「ジョッキ」はどうしたらよいのでしょうか。これは、「カップ」でも「グラス」でもなく「ジョッキ」と分類することになるようです(ことばの方角としては、取っ手がついている筒形の大きな容器のでmugに近いようですが・・・)。
グリルは、直火およびグリル内の対流熱で食材を加熱する方法および装置です。バーベキューや七輪などもグリルに含まれます。
オーブンは、赤外線とその対流熱で食材を加熱する方法および装置です。
トースターは、電熱線からの放射熱によって直接、食材を加熱する方法および装置です。
カットは「切る」こと全般を指す言葉です。
スライスは「薄切り」のことです。
砕くは、固いものや塊へ強い力を加えることで、細かくすることです。
潰すは、あるものに力を加えることで、元の形を崩すことです。
崩すは、まとまった形のものを壊し、変形させたり、原形をなくしたりすることです。
素足は、靴下やストッキングを履かずに靴を履いていることです。このとき、足そのものは地面に触れていません。
裸足は、靴も含めて何も履物を履いていない状態です。当然、足は地面に直接触れています。
「うわさ」と「陰口」は、いずれもその場にはいないある人の身の上についての(不確かな)話のことです。
うわさは、良い意味でも悪い意味でも使います。
陰口は、悪い意味のみに使います。
悪口は、他人を悪く言うことです。対象となる人がその場にいてもいなくても使います。
いずれも、害を受けた時にそれに見合う害を返すことです。
仕返しは、個人的に害を受けた時に行うものを指すことが多く、被害の規模はそれほど大きくないときに使われます。
報復は、大きな害を受けた時に使い、個人だけでなく集団(国なども含む)でも使います。
復讐は、大きな害を受けた時に、計画的に害を返すことです。
しっぺ返しは、すぐにやり返すことです。また、受けたのと同じ程度・方法の仕打ちをし返すことです。
細菌は単細胞生物で、自己増殖が可能です。抗生物質が効きます。
ウイルスは細胞を持たない生物と非生物のあいだの存在で、単独で増殖はできず、細胞に感染することで増殖します。抗生物質は効きません(抗ウイルス剤は存在します)。
毒薬・劇薬は、人や動物に危害を起こしやすい(毒性や劇性が強い)薬事法で定められた医薬品です。
毒物・劇物は、毒性や劇性が強い、医薬品・医薬部外品以外のもので、毒物及び劇物取締法で定められています。
毒物は大人(体重60kg)が誤飲した場合の致死量が約3g以下の毒性のあるものを指します。
劇物は大人が誤飲した場合の致死量が約3~18gのもの、または人体に強い刺激性(皮膚の腐食や粘膜の損傷)があるものを指します。
毒性の強さから、毒薬>劇薬、毒物>劇物となります。
「魚の目」と「たこ」は、それぞれ継続的な圧迫や摩擦などの刺激に対する皮膚の防御反応です。刺激を受け続けてきた部位の皮膚の角質が厚く硬くなることで起こります。患部を削っても出血しません。
魚の目は、患部の中心に「芯」ができ、押すと神経が刺激されて痛みます。たこには「芯」がなく、押しても痛みません。
「いぼ」は、魚の目やたことは異なり、ウイルスによる感染症です。皮膚の微細な傷からウイルス(HPV)が入り込むことで発症します。感染すると、隆起した発疹ができて次第に大きくなり、やがて表面が灰白色となってザラつき、硬くなります。そのままの状態では基本的に痛みやかゆみはありませんが、患部をつまむと痛みます。また血管とつながっているため、患部を削ると出血します。
「おでき」は、医学的には「せつ」と呼ばれます(さらに病変がひろがったものは「よう」です)。免疫力が低下した際に、皮膚常在菌でもある黄色ブドウ球菌に感染し、皮膚の深い部分で炎症を起こします。患部は腫れと厚みを持ち、しこりのような感触があります。数日たつと中心から膿が出て、痛みや熱を持つこともあります。
「粉瘤」は、皮膚の下部に角質や垢などの老廃物が溜まってできる良性腫瘍です。触れた時に小さなしこりを感じます。普段は特に痛みはありませんが、患部が細菌に感染すると、赤く腫れて痛みを伴います(炎症性粉瘤、化膿性粉瘤)。内容物を除去しても、袋が皮膚内に残っている場合は再発し、自然治癒はしません。根治には摘出手術が必要となります。
腫瘍は、身体の一部の組織や細胞が、病的に(健全ではない形で)増殖したものです。
良性腫瘍は、腫瘍のうち、発生した場所でのみ緩慢に増殖し、湿潤や転移・再発しないものです。一般的には生命にも異常はないことが多いです。
悪性腫瘍は、腫瘍のうち、限りなく増殖を続け、周囲の正常な組織を破壊するものです。上皮性細胞の悪性腫瘍を癌種、それ以外の悪性腫瘍を肉腫と言います。進行すると疼痛を起こし、命に影響します。「がん」および脳腫瘍を指します。
癌は、上皮組織にできるがん(悪性腫瘍)のことです。からだの表面および、体内の臓器の細胞にできるがんです(上皮組織は、口~肛門までを「からだの外とつながっている管」とみなしたときに「からだの外につながっている」組織すべてを指します)。具体的には、血液や骨・筋肉にできる悪性腫瘍以外のがんを指します。
がん(ガン)は、「悪性新生物」ともいい、癌および脳腫瘍を除くすべての悪性腫瘍(肉腫や白血病、リンパ腫なども含まれる)を指す言葉です。
抗菌は、「菌の増殖を抑えること」です。直接菌を殺したり、除去するのではなく、菌が棲みつきにくい環境をつくることを表しています。「抗菌加工」という表現をすることが多いです。なお、「抗菌」にはウイルスは含まれておらず、ウイルスを含める製品を希望する場合は、「抗ウイルス」とか「抗菌・抗ウイルス」のものを選択する必要があります。
除菌は、「菌・ウイルスなどを取り除き、数を減らすこと」です。なお、「何%減らすと除菌と言えるか」という具体的な定義はありません。
殺菌は、「菌・ウイルスなどを殺すこと」です。定量的な定義はありませんが、医薬品・医薬部外品以外に「殺菌」という表示をすることはできません。
消毒は、「菌・ウイルスの活動を弱めることなどにより、人体に有害な物質を除去・無害化すること」です。
滅菌は、「菌・ウイルスを可能な限り死滅させ、限りなくゼロに近づけること」です。定量的な基準があって、「100万分の1にまで無菌性を保証すること」が求められます。
消臭剤は、空間の臭気を除去・緩和する役割を持った化学的・生物的な薬剤です。
芳香剤は、空間に芳香を付与する薬剤です。
リンスは和製英語で、「洗い流す」というのが本来の意味です。海外では「ヘアコンディショナー」と呼びます。
コンディショナーは「髪の表面に作用する」もので、日本で言うリンスと同義です。髪の表面をコーティングにより保護し、キューティクルを整えて毛先のパサつきを抑え、髪のダメージを和らげる効果があります。
なお、トリートメントというのはコンディショナーとは違って「髪の内部に作用する」特徴があります。水分、栄養素、美容成分などを髪に浸透させ、毛髪をケアする役割があります。
フレグランスは香り製品全般のことを指します。香水のほか、芳香のある石鹸などもフレグランスに含まれます。
香水は身体や衣服につけて、香りを楽しむための化粧品です。
コロン(オーデコロン)は、パルファム、オーデ・パルファム、オード・トワレと同様、香水の一種です。濃度が薄く(1~5%程度)、持続時間も比較的短いタイプ(2時間程度)の香水です。
エキスは、植物や生薬などを水やアルコールなどの溶媒に浸し、その浸出液に含まれる有効成分を濃縮したものです。
チンキは、生薬を水や、エタノール溶液で浸出させた製剤です。
どちらも植物や生薬から抽出した、「香り」のある油です。
精油は、「エッセンシャルオイル」のことで、植物や生薬から抽出(加熱沸騰し、蒸留させて油分を取り出す)し、添加物を加えていないものです。
アロマオイルは、精油に化学物質や合成香料を添加したものです。
どちらも「家庭の定番常備薬」ともいえる、緑地に青いキャラクターの描かれた皮膚ケアクリーム薬品です。
メンソレータムに描かれているのはリトルナース(ナースちゃん)、メンタームに描かれているのはメンタームキッドで、いずれも今竹七郎がデザインしています。
メンソレータムは19世紀アメリカで開発され、日本ではヴォーリズ合名会社(現・近江兄弟社)が1920年から国内販売(1931年からは国内製造販売)を行いました。1974年に同社が経営不振に陥り、1975年からはロート製薬が商標使用権を取得し、国内での製造販売を行っています(1988年には、米メンソレータム社自体がロート製薬により買収されました)。
メンタームは、経営再建のために近江兄弟社が、メンソレータムで培った技術・設備を活かし、1975年から販売開始した「メンタームS(現・メンターム)」からはじまっています(メンタームの商標自体は、「メンソレータム」の略称として1967年に登録)。ロート製薬と協議し、ワセリンの配合量は「メンソレータム」と「メンターム」では異なっています(メンソレータムは黄色ワセリンを含有、メンタームは白色ワセリンと黄色ワセリンを含有)。
ワセリンは石油由来の炭水化物混合物で、化粧品やスキンケア商品に使用されています。純度が高いほど肌に対する刺激は低くなります。
黄色ワセリンは、ワセリンの中では精製度が低く、不純物も多めです。「かさつき」や、角質が気になる部位などに適しています。
白色ワセリンは、精製度が高く、不純物も少なめです。敏感肌やデリケートな赤ちゃんのお肌にも使用できます。
さらに精製度が高い処方薬として「プロペト」、その純度をさらに高めた、アレルギーパッチテストの基材にも使用される「サンホワイト」もあります。
どちらも、ひろく「お金」と呼ばれるものです。
貨幣は、「価値尺度」「交換・流通手段」「価値貯蔵手段」という3つの機能を有する、商品やサービスの円滑な交換・流通のための物体や媒介物のことです。
通貨は、「流通する貨幣」のことで、特に貨幣の交換・流通の手段としての機能を指す時に使用します。通貨には、「現金通貨」(政府が発行する硬貨、中央銀行が発行する「銀行券」※)、「預金通貨」(普通預金・当座預金)があります。
※「銀行券」を「紙幣」と呼ぶ場合もありますが、より正確には政府が発行する「政府紙幣」のことを「紙幣」と呼びます。
倹約は、お金の無駄遣いをしないことです。ややもすると非合理で「けち臭い」ニュアンスを帯びることがあります。
節約は、お金や物の無駄遣いをしないことです。どちらかというと、合理的でプラスのニュアンスを帯びています。
預金は、銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫に預けた時のお金の呼称です。預金保険制度が適用されます。
貯金は、郵便貯金(ゆうちょ銀行)、農協(JAバンク)、漁協(JFマリンバンク)に預けた時のお金の呼称です。預金保険制度と仕組みは同じですが、こちらは貯金保険制度が適用されます。
もともとは、企業や商家などの富裕層向けだった「銀行」に預けるのが「預金」で、一般国民(庶民)向けの、国策としての蓄財奨励手段(郵貯など)が「貯金」だったということですね。今となってはほとんど同義になったといっても過言ではありませんが、言葉の違いの中に近代日本の歩んできた「歴史の違いがある」ということになります。
銀行は銀行法で定められた国民経済の発展に資することを目的とした営利法人です。
信用金庫は、信用金庫法で定められた国民大衆の金融の円滑と貯蓄の増強を目的とした非営利法人です。組合員の資格と営業範囲は原則地域内に限定され、利用者・組合が相互に地域の発展を図っていきます。
ちなみに「信用組合」は、中小企業等協同組合法や協同組合による金融事業に関する法律に規定された、組合員の出資による非営利法人で、組合員の相互扶助・組合員の経済的地位の向上を目的としています。
信用金庫は預金の受け入れ対象に制限がありませんが、「信用組合」は、原則として組合員を対象としています。
都市銀行は大都市に営業基盤を置き、全国に店舗ネットワークを保有する全国規模の銀行です。2023年現在、都市銀行はみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行の4銀行です。このうちみずほ・三菱UFJ・三井住友の三行は「メガバンク」とも呼ばれます。
地方銀行は地方都市に本店を置き、本店所在の都道府県内を主な営業基盤とする銀行です。株式会社で、地域を拠点として地元の企業や個人を対象とした業務展開をしています。第一地方銀行(第一地銀)とも呼ばれます。
また、「第二地方銀行」は、「相互銀行」を前身とする金融機関です。今は存在しない相互銀行は、一定の加入者からお金を集め、抽選・入札で加入者に貸し出しを行う組織ですが、第一地銀ではカバーできないような中小企業を顧客としていた歴史的経緯から、比較的規模が小さめの金融機関です。
財布は、金銭や金券、カードなどを入れて持ち歩く、布や皮でできた袋です。
がま口は、主に「小銭入れ」です。
札入れは、「紙幣入れ」です。
切符は、領収書のように、「金銭を支払い済み」であることを示し、それを踏まえて「サービスを受けることが可能である」ことを示した紙片です。また、「サービスや物品の引き換えや配給の資格があることを示した券」という意味もあります。しばしば、1回きりの使用を前提とします。
なお、JRにおいては「きっぷ」と「切符」は別物です。「きっぷ」は、「乗車券類」のことで、「乗車券(いわゆる、一般的にイメージする改札口で提示する切符のこと)」「急行券」「指定席券」「グリーン券」「寝台券」などはすべて「きっぷ」です。実際、JRの駅をよく見ると、「切符売り場」ではなく「きっぷうりば」と書かれているはずです。一方の「切符」は、乗車券類以外の「領収を証明する券」としての意味を持ち、大きな荷物やペットなどを持ち込むときの「手回り品切符」や「一時預かり品切符」などが挙げられます。
券は、紙製またはデジタル画面上で表示するもので、指定された物やサービスと引き換えができる証書です。
チケットは、もともとは「切符」の意味の英語ですが、主に入場券や乗車券、観覧券、食券、サービス券などを指します。原義から、こちらも1回きりの使用を前提とするものに使うことが多いようです。
クーポンは、複数回(あるいは複合的に)使用することのできる券を指します。切り取って使用する回数券や、一つづりにして複数回使える周遊乗車券、乗車券と指定券などが一緒になった券などです。また、ある条件を満たすことで使用できる優待券や割引券もクーポンです。
パスは、許可証のことです。「フリーパス」は、条件(日付や時間帯、年齢など)を満たしている場合に無料で(ないしは回数無制限で)入場や乗車ができることを指します。
レシートは、レジで金銭の授受のあった日付や金額などを印字した紙片のことです。宛名がないことから、「金銭の授受があった」という取引の事実だけを示しています。
領収書は、広義ではレシートも含む「金銭の授受があった」という取引の事実を示す証憑書類のことです。狭義では、「いつ、誰と誰が金銭の授受を行ったのか」、取引の事実の証明として、支払いを受けた者が支払いを行った者に渡す証書で、主に民間が発行するものを指します。
領収証は、広義では宛名があって、「いつ、誰と誰が金銭の授受を行ったのか」、取引の事実を証明する証憑となる書類です。狭義では、公的機関や金融機関が発行するものを指します。また、市販のものでも(民間が発行するものでも)「領収証」と書かれている書類であれば、「領収証」です。
受領書は、金銭のほか、物品も含めた受け取りの事実を証明する書類です。特に取引者の名前を証明する場合は、「受領証」も用います。
クレジットカードは「信用払い」ができるカードで、毎月設定された期日に利用代金をまとめて後払いします。18歳以上(高校生除く)が使用でき、キャッシングが可能です。
デビットカードは「即時払い」をするカードで、口座残高の範囲で利用額がその場で引き落とされます。キャッシュカード同様にATMへの入出金が可能で、基本的には15歳以上(中学生除く)が使用できます。
キャッシュカードは「銀行口座からお金を引き出す(または入金する)」カードで、支払い機能はありません。
プリペイドカードは「事前入金したお金で支払う」カードで、予めチャージした金額の範囲内での支払いが可能です。
プリペイド方式は、「前払い」のことで、「事前に現金をチャージする」ことで支払う決済方式です。
ポストペイ方式は、「後払い」のことで、「使用した後にクレジットカードや銀行口座などから引き落とす」決済方式です。
ATMはAutomated Teller Machineの略称で、「現金自動預け払い機」のことです。口座への入出金(預金・引き出し、振替・振込)、貸付金の返済、残高照会や取引明細の印字、通帳の記入・繰越などが可能です。クレジットカードの返済などを行う機械もATMの一種です。
CDはCash Dispenserの略称で、「現金自動支払機」のことです。こちらは現金の引き出し機能や残高照会などに機能が限定されています。
口座振替は、「自動引き落とし」のことで、公共料金やクレジットカードの支払いを、預金口座から自動で引き落とす決済サービスのことです。手数料は、最終的にお金を受け取る側が負担します。
口座振込は、自分の口座から同一金融機関の他人名義の口座や、他の銀行口座へ資金を利用者が指定して移動させることです。手数料は、お金を送る側が負担します。
振替は、同一金融機関の同一支店内の、本人の口座間で資金を移動させることです。
「1日おき」は、暦日で「1日」間隔が開いていることです。
「24時間おき」は、時間単位で「24時間」間隔が開いていることです。
どちらも「贈り物」ですが、ギフトはフォーマルな意味合いを含む言葉です。英語圏では「目上の人から目下の人へ贈る」ニュアンスとなります。
プレゼントはカジュアルな「贈り物」で、家族や恋人、友人など親しい間柄で贈るニュアンスの言葉です。
チラシは「散らし」で、メッセージが大量に印刷されてまき散らされるという意味の広告物です。特に新聞の折り込み広告や店頭の配布広告などを指すことが多いです。「チラシを配る」などと使います。
ビラは「片(ひら)」・「枚(ひら)」、また擬音語の「びらびら」などを語源とする薄い紙の広告物です。また英語のbill(貼り紙)からきたとする説もあります。掲示板や壁など人目に着く場所に張り出される印刷物を指すことが多いです。「ビラを貼る」などと使います。
実際には「ビラを配る」とも「チラシを貼る」とも言いますので、生活上は、両者はあまり厳密な定義なく使われているようです。
ところで、紙の広告物には「フライヤー」というものもあります。これは、飛行機を表すflyerから来ており、飛行機から街中に広告物を撒いて宣伝を行う配付物のことを指します(現在では安全性の問題から飛行機からの宣伝物の配布は日本では禁止されています)。
今ではイベントの告知のほか、店頭のラックなどに置かれる広告物のことを「フライヤー」と呼んでいます。チラシとほぼ同義ですが、一般的にはチラシよりも小さく(A4サイズ大のものはチラシ、それより小さいとフライヤーと呼ばれることが多い)、またチラシよりも厚手の紙で作られることが多いです。
リーフレットは商品やサービスの説明を1枚の紙にまとめてある印刷物です。しばしば折って使用されることもあります。広げると1枚モノになる「観光地マップ」などはリーフレットの代表例です。またチラシに近い意味合いで、折りたたんで配布する広告物(チラシよりも厚手の紙)もリーフレットです。
パンフレットは簡易製本された薄い冊子で、商品やサービスの説明や案内に使用されます。スポーツクラブの入会案内などは「パンフレット」といえるでしょう。
カタログは厚い冊子で、商品やサービスの品目を整理した目録、説明書、ガイド(案内書)を指します。特に製品ラインナップを網羅しているカタログは「総合カタログ」などと呼びます。最近はタブレットに変わっていますが、カラオケの歌目録などは典型的な「カタログ」ですね。
キャンペーンは商用目的で、販売やプロモーション活動を行うことです。一定期間実施されることが多く、たいていの場合は当該期間中に特典、ノベルティ配布 、無料提供など何らかのサービスが付帯します。
イベントは催し物や行事のこと全般を指します。商用・非商用に関係なく用いられ、個人的な誕生日や記念日も「イベント」です。キャンペーンよりも短期間で、一時的なものを指します。
道具は、日常生活で(多くの場合は)手にもって使い、あるものを作ったり、あることを行うために使う器具のことです。「勉強道具」「大工道具」などと使います。
用具は、より用途が限定された道具や器具です。「筆記用具」とか「水泳用具」などと使います。
器具は、基本的には道具と同義ですが、仕組みや構造、または操作が簡単な電化製品、また特定のことを行う道具類を指します。「実験器具」「電気器具」などと使います。工作に使う 器具は「工具」です。
なお、「機具」は仕組みが複雑な機械類を指し、「農機具」「工作機具」などと使います。
携帯電話は、高出力電波を使用し、広域に電波を届ける仕組みのため、無線局の免許状が必要な携帯型の電話端末で、もともとは自動車電話が原型です。
PHSは、Personal Handy-phone Systemのことです。半径500m程度の低出力電波を使用し、もともとは狭い範囲での通話を想定した携帯型の電話端末で、固定電話(コードレス電話)が原型です。
扇風機は、風を身体に直接当てることで、体感温度を下げて涼むことを目的とした家電です。風量は比較的穏やかで、風が室内の広い範囲に届くようになっています。エアコンとは異なり部屋の温度を下げる機能はありません。
サーキュレーターは、「循環装置」のことで、比較的狭い範囲に、強い風を左右や上方向などへ直線的に送ることで、部屋の空気を循環させやすくしている機械です。エアコンと併用することで、室内の空気を撹拌し、換気や冷房の効果を高めることができます。
蓋は、箱や容器などの口にあてがって、隙間を塞ぐものです。
栓は、管や瓶など、細い部分の口を塞ぐことで、中のものが動いたり、漏れだしたりしないようにするものです。
机は、「事務机」や「勉強机」というように、執筆や仕事・勉強の目的で主に1人で使用するもので(会議机などは数人で使用するタイプもあります)、基本的に引き出しがついていることが多いです。 一般的に天板は平らですが、製図用の机は天板が傾斜していることもあります。
テーブルは、平らな天板があって、食事や会議などで数人が囲んで使うもので、引き出しがついていることはあまりありません。
テレビゲームはテレビの画面上にゲームを映し出して遊ぶ装置・ソフトウェアのことで、televisionとgameを組み合わせた和製英語です。英語では「ビデオゲーム」です。
ただし、ビデオゲームはコンピューターとディスプレイ(テレビに限らない)とをつないだゲーム機すべてを指すため、家庭用ゲーム機だけでなくゲームセンターのアーケードゲーム(業務用のゲーム機)も含む概念となります。
家庭用のゲーム機は「コンシューマーゲーム機」で、こちらは「据え置き型ゲーム機」と「携帯型ゲーム機」とに分かれます(任天堂のswitchの登場により、これらの概念が融合しつつあることはご承知の通りです)。
FDは「フロッピーディスク」のことです。磁気ディスクの一種で、かつてはコンピューターにおける記録媒体の主流的存在でした。
CDは「コンパクトディスク」のことです。レーザー光を使ってデータの読み出し・書き込みをするデジタル記録媒体です。もと音楽記録用だったことから、単に「CD」というと音楽用を指すことが多いですが、音楽用のCDは厳密にはCD-DA(Digital Audio)です。コンピューター用のデータ記録用CDは、CD-ROM(Read-Only Memoly)です。CD-ROMは読み込み専用のディスクでしたが、のち、1回に限り書き込みが可能なCD-R(Recordable)や、繰り返し記録が可能なCD-RW(ReWeitable)も開発されました。
MDは「ミニディスク」のことです。カセットテープの弱点である「頭出し」を素早くできることから、デジタルオーディオプレイヤーが登場するまで、録音メディアとして、カセットテープからの橋渡し役を果たしました。データ用規格のMD-DATAや容量を拡張したHi-MDなどもあります。
LDは「レーザーディスク」のことです。最大2時間のアナログ映像を記録できる端末です。
DVDは「Digital Versatile Disc(デジタル多用途ディスク)」のことです。記憶容量がCDのほぼ6倍となり、長時間映像の記録が可能となりました。1度だけ録画・記録ができるDVD-R、約1000回の書き換えが可能なDVD-RW、10万回の書き換えが可能なDVD-RAM(Random Access Memory)など様々な派生規格があります。
BDは「ブルーレイディスク」のことで、DVDの後継となる光ディスクです。1度だけ書き込みが可能なBD-R、1万回以上の書き換えが可能なBD-RE(Rewritable)、読み出し専用のBD-ROMなどの規格があります。ちなみに「ブルーレイ」の英語表記は「Blue-ray」ではなく「Blu-ray」です。
VHSは、Video Home Systemの略で、日本ビクター(現JVCケンウッド)が開発した、磁気記録方式の家庭用ビデオ規格です。ビデオカメラ規格のVHS-C、高画質規格のS-VHSなど数多くの派生規格がありますが、「規格を変えない」という特徴によって、例えば初期のVHSテープであっても、最新のVHSデッキにおいて原則として再生可能です。
ベータは、正式には「ベータマックス」の略で、ソニーが開発した磁気記録式の家庭用ビデオ規格です。発売当初はVHSよりも小型で画質もよく、長時間録画も可能で、総合的な性能面ではVHSを上回っていたものの、販売面において「VHSーベータ戦争」という苛烈な規格覇権争いに破れ、「性能がよいほうが普及を約束されるわけではない」ことの代名詞として、また、「ライバルがあることで相互の規格品質が向上する」ことの証左として、現在にも貴重な教訓を残してくれています。
奇術は、人間の錯覚や思い込みを利用して、トリックを仕掛け、「実現不可能なこと」が起きているかのように魅せる芸能のことです。
手品は、巧みな手さばきによって見物人の目を眩まして、不思議なことを魅せる奇術の1つです。
マジックは、もともと「魔法」や「魔術」という意味ですが、それを模した魔法のように不思議な芸を「マジック」と呼びます。
イリュージョンは、一般的な手品やマジックと比べて大がかりな仕掛けや派手な演出によって、観客を驚かせることも含んだ芸能です。
アドバイザーは「助言者」のことで、相談者にアドバイスをする人です。顧問とか、忠告者といった意味合いを持ちます。
カウンセラーは「相談員」のことで、アドバイスというよりも内発的な「気づき」を相談者に与える意味合いを持ちます。
コンクールはフランス語です。特定のテーマで参加者を募り、作品や技術・演技などの優劣を競います。「競技会」や「競演会」と同義です。審査員が評価し、優勝者・入賞者を決めます。特に芸術分野において使われることが多いです。
コンテストは英語です。特定のテーマで参加者を募り、作品や技術、容姿などの優劣を競います。「競走」「競技」「競演」と同義です。審査員が評価し、優勝者や入賞者を決めます。ほぼコンクールと同義ですが、コンクールよりも芸術系以外に、広義に使われる傾向にあります。
コンペは、「competition」の略です。主にビジネスや公共施設の分野において、発注者が建築やデザイン、映像作品などを募集し、業者や作家同士を競わせ、最優秀作品を採用するプロセスを指します(ロゴデザインコンペ、CMコンペ、社内コンペなど)。また「競争」や「競技会」の意味も持ち、特にゴルフの競技会のことを指します(ゴルフコンペ)。
発表会は、習い事や研究の成果、事業計画など「練習・準備してきたもの」を観客やステークホルダーの前で発表する場です。「発表することそのもの」に主眼があり、審査員による優劣の評価はありません。
自然は、(多くは人間や人工物を含まないが、含む場合もある)この世のあらゆるものです。また、人の手が加わっていない(人為的でない)、あるがままの状態を表します。「自然素材」といったときは、自然そのままの素材、というニュアンスです。
天然は、人工や人造でない、ありのままの性質です。「天然素材」といったときは、化学的な添加物がない、自然のものに手を加えていない素材、というニュアンスです。
いずれも「窪地に水が溜まった場所」です。厳密で明確な区別はありませんが、一般的には池、沼、湖の順に「大きい」「深い」と捉えられます。
池は深さ3メートルくらいの窪地に水が溜まった場所で、自然の池のほか、「調整池」や「溜池」など人工のものもしばしば含まれます。
沼は深さ5メートルくらいまである池よりも大きなもので、しばしば水草が生えている場所です。
湖は、深さが5メートル以上あって、池や沼よりも大きいです。深い場所には水草も生えません。
ちなみに、「泉」は、「地中からの湧き水でできた水たまり」と明確に定義がなされています。
山は地表の盛り上がった部分、平地よりも高く盛り上がった部分の総称です。国土地理院の基準では、地元住民に「山」と呼ばれていること、地元自治体が公式名称としていること、国土地理院が妥当と判断すること―で「山」と地形図に記載することになっており、「高さ」など明確な基準はありません。
丘は小高くなった土地のことで、しばしば山よりも低いところです。
高台は周囲より高くて平らな場所です。
山は、「平地よりも高度を持った、地表の凸部」のもっとも一般的な表現です。「岳」「峰」と比した時の「山」は、独立峰を指すことが多く、かつ、比較的人里に近いものを指すことが多いとされます。
岳(嶽)は、「ごつごつと、高く険しい山」「高くて大きい山」のことで、地形の急峻な山、連山、また人里離れた山々を表すことが多いようです。
峰は、「山のいただき」「山の高いところ」のことで、山の頂上や尾根の突き出した部分を指します。また、「高い山」の意もあります。
高山は標高2500m以上の山です。
低山は標高1000m未満の山です。
標高1000m~2500mの山は「中低山」と呼ばれます。
丘は、ある土地の小高い場所です。
陸は、海に対しての陸地です。
岡は、「丘」「陸」双方の意味を持ちます。「岡山」など、地名の固有名詞の中で使用されることも多いです。
一般的に、地上の窪みに地表の水が集まって絶えず流れる水路となっている地形を「川」と言います。これが特に大きくなると「河」と呼称します。運河、銀河などは「河」の字を使いますね。 一方で、水源に近い山間の上流部などにあって、細かったり短かったりする川や川の支流を「沢」と呼びます。
「川」の字は地の間を縫って流れる水の様子を表した象形文字です。一方の「河」は中国の黄河の流路を表したもので、中国で「河」といえば黄河のことです。ちなみに「江」は長江です。
河川は、大小の川の総称で、地表で一定の流路をもって、湖や海に注ぐ水の流れです。
森の語源は「盛り」とされ、奥深くまで木々が鬱蒼と茂り、「木」が「盛り」上がっている様子を表しているようです。日本では山を「森」と同一視し、立ち入ることが困難な大きな山・大きな森を、神様の宿る場所として 畏れ、敬い、大切にしてきました。「森」は、どうやら「守り」「護り」とも通じているようです。
一方の林は、語源が「生やし」とされます。天然林、雑木林、造林、ブナの原生林、スギ林、竹林、人工林といった言葉の通り、木々が自然に生えたり又は人工により生やされ たりし、集まっているさまを表していることばです。
「森林」は、広範囲にわたって樹木が密集している場所のことです。樹木の密生のようすをさすことばにとどまらず、さらにそこを含んだ生態系(動物、微生物、土壌など) を含めた概念でもあります。
また「もり」に「杜」の字を当てることもあります。これは、神社のある地の木立をあらわし、「杜の鎮守」ということばもあります。なお「杜の都・仙台」といったときの「杜」は、山などの自然の樹木だけでなく、まちの人々が長い年月をかけて育ててきた豊かな緑というニュアンスも込められているようです。
木は、立木のほか、木材、木材を加工した製品などを含むもっとも一般的な「木」をあらわすことばです。
樹は、立木のことです。樹木も「立木」の意味で用います。
木は、生物学上は「木本植物」、草は「草本植物」と言います。
木本植物は、樹皮の内側に「形成層」と呼ばれる組織を持っていて、この形成層が成長することで、幹が太くなります。またこの時、年輪をつくります。幹が太くなると同時に、伸長して背も高くなります。幹は固いです。なお、竹には形成層がなく、幹に相当する部分を稈と呼んでいます。一定程度成長すると太くなることもありませんが、木本植物として扱います。
草本植物には「形成層」がなく、一定程度成長した後は太くなることがありません。幹に相当する部分を「茎」と呼び、茎は幹と比してやわらかいことが特徴です。
大きくは、形成層があり、固い幹があって、太くなるものが「木」、形成層がなく、やわらかい茎があって、一定以上太くならないものが「草」ととらえてよいでしょう。
藁は、稲や麦などの茎を干したものです。燃料や飼料、畜舎の敷き藁、屋根葺き、土壁づくり、筵や菰、俵などの藁細工、しめ縄やしめ飾りなど生活の様々な場面に使われます。
牧草は、家畜の飼料とする草のことです。
干し草は、牧草の一種で、刈り取って干した草です。「乾草」とも書きます。主として牧草として使われるほか、家屋などの工作材料(レンガの添加物、茅葺屋根の材料など)や、燃料、ベッドの充填剤など生活にも用いられています。
水は、H2Oが液体の状態であるときの、特に冷たい状態です。特に融点(0度よりも上)~10度以下の水は「冷水」と呼びます。外気温を超えない、15~25度くらいの水は「常温水」です。
お湯は、熱を加えた水で、温かい水です。ほかに、「お風呂」「温泉」の意味も持ちます。ぬるま湯や微温湯(びおんとう)は30度~40度くらいを、温湯(あつゆ)は、60度~70度を指します。
熱湯(ねっとう)は、煮えてさらに高温になったお湯のことです。沸点に近い(約100度)状態のお湯で、煮え湯とも言います。これを「あつゆ」と読むと、普通よりも熱いお風呂のことを指します。
火は熱や光を発して燃えているものを指します。「明かり」の意味でも用いられます。
炎は、「火の穂」の意味で、火が燃えて穂のようになっている部分を指します。
土は、岩石が分解して地表に溜まったものです。
泥は、土が水分を多く含んで柔らかくなったものです。
岩石は、地殻やマントル上部を構成する固体の物質です。
岩は、地殻を形成している堅い物質で、大まかには、地盤とくっついており、人の手で動かせない大きさのものを指します。
石は、岩石の小片で、大まかには、岩より小さく、砂よりも大きい、人の手で動かせる大きさのものを指します。また、広義では「岩石」や「鉱石」全般を指します。
小石は、小さい石のことです。
石ころも、小さい石のことです。「石塊」と書きます。
石くれは、石のかけらのことです。小石、石ころと同義です。
礫(ざれ)は、細かい石のことです。小石と同義です。
砂利は、小石のこと、または小石に砂の混じったものです。
砂は、非常に細かい石の粒のことです。地質学では粒径2mm以下、1/16mm以上のものを指します。
粘土は、岩石が風化や熱水作用によって分解してできた微細な粒子の集まりのことです。地質学では粒径1/256mm以下、土壌学では粒径0.002mm以下のものを指します。
比重が4または5以上の軽い金属(マグネシウムやアルミニウムなど)を「軽金属」、4または5以下の重い金属(金や鉄など)を「重金属」と呼びます。
ベースメタルは、鉄やアルミ、銅など、埋蔵量・生産量がともに多く、社会でひろく使われる金属のことです。
レアメタルは、マンガンやリチウム、チタンなど、社会を動かすうえで必須にも関わらず、埋蔵量が少ないか、採掘や生産が困難なために希少性が高い金属のことです。
プレシャスメタルは、金・銀・プラチナといった貴金属のことです。埋蔵量が少なく、かつ、耐食性が高いため、希少性と保存性が高いものです。
炭素を含む物質が「有機物」、含まない物質が「無機物」です。
植物学上ではモミジもカエデもムクロジ科カエデ属の同種の植物ですが、「葉の見た目」で区別します。葉の切れ込みが深いカエデのことを「モミジ」と呼び、葉の切れ込みが浅いカエデのことを「カエデ」と呼びます。
言葉の上では、「もみじ」と「かえで」は別の意味を持っています。
もみじは、秋に葉が黄色や赤色に変わる(紅葉、黄葉)ことを意味する「もみず」に由来し、それが名詞化して「もみじ」となって、目立って色を変えるカエデの仲間を「もみじ」と呼称するようになりました。
かえでは、葉の形がカエルの手に似ていることから「かえるで(かへるで)」が転じて「かえで」と呼ばれるようになったものです。古来、カエデの仲間で葉が手のひらのように切れ込んだものを「かえるで」と呼んでおり、モミジも手のひらの形なので「かえるで」でした。
蓮は、ハス科ハス属の挺水植物で、切れ込みのない円形の葉を水面から立ち上がらせます。この葉には撥水性があることが特徴で、水をよくはじきます。花は幅広で丸みを帯びたお椀のような形をしており、水面よりも上で咲きます。
睡蓮は、スイレン科スイレン属の浮葉性植物で、切れ込みのある円形の葉を水面に浮かばせます。葉には撥水性がなく、水面に広がっています。細長い花を水面に咲かせます。
どちらもイネ目イネ科タケ亜科に属する植物です。
竹は比較的大型で、生長すると稈(幹に当たる部分)から稈鞘(たけのこの皮)を落とします。葉は格子状の葉脈を持ち、枝は1つの節から2本生えます。
笹は比較的小型で、生長しても稈鞘がついたままです。葉は平行の葉脈を持ち、枝は1つの節から3本以上生えます。
海藻は、海に生える藻で、胞子植物です。ワカメやヒジキ、昆布、アオサ、モズクなどがあります。seaweed。
海草は、海に生える種子植物で、「うみくさ」ともいいます。アマモやイトモ、スガモなどがあります。また岩に生えません。sea grass。
ツリーは生えている木で、ウッドは木材です。
いずれも、発した音や声が反響して返ってくることです。
こだまは、もと「木の精」の意で、「木霊」「木魂」「谺」などと書きます。山だけでなく、平地や狭い空間も含めた「反響」に用います。
やまびこは、もと「山の神」の意で、「山彦」と書きます。山や谷部で声を出し、向かいの山々からその声が返ってくる現象です。
流れ星(流星)は、宇宙塵が地球の大気圏に高速で突入する際に、発光する現象のことです。特に明るいものを火球、燃え尽きずに地上に落下したものを隕石と言います。観測できるのは一瞬です。
ほうき星は、彗星(コメット)のことです。核とコマ(太陽に近づいたときに放出されたガス)、尾(太陽に近づいたときに太陽と反対側に筋がのびる)がみられます。地球に近づいているときは、長時間に渡って観測できます。
いずれも、気象(大気の状態や、それによって起こる現象)を表す言葉で、基本的にはあらわす「期間」が異なります。
天気は特定の日時の、数分~数日の気象の状態です。また、「晴天」の意味でも「天気」を用います。
天候は数日から、数か月の気象の状態です。ただし、「天気」と同義で使用する場合もあります。
気候は、数十年単位の気象の状態です。
霧と靄は大気中の水蒸気が微小な水滴となって浮遊することで、視界が悪くなる現象のことです。霧は視程1km未満のもので、靄は視程が1km~10km未満のものを指します。どちらも同じ現象ですが、霧のほうがより濃く、近くのものしか見通せない状態ということです。ちなみに濃霧は、さらに濃い霧を指し、視程は陸上で100m以下、海上で500m以下のものを言います。
一方の霞は、空気中の水滴や、その他の粒子によって視界が悪い状態を指す言葉です。霧・靄と違って気象用語では使われません。
時々雨とは、雨が断続的に降り、降っている時間が予報期間の1/2未満の場合を指します。
一時雨は、雨が連続的に降り、降っている時間が予報期間の1/4未満の場合を指します。
のち雨は、予報機関の前と後で天気がことなり、雨が後ろにくる場合を指します。
ビーチは、海や湖の水辺の砂や小石のある場所のことで、「浜辺」を指します。
コーストは、海や湖に接した陸地のことで、「海岸」「湖岸」を指します。
いずれも渦を巻き、暴風を伴う熱帯低気圧を指しますが、発生する地域や最大風速によって名称が異なります。
台風は東経180度より西の太平洋北西部および南シナ海で発生し、最大風速が毎秒17.2m以上の熱帯低気圧を指します。
タイフーンは北太平洋の西部で発生し、最大風速が毎秒32.7m以上の熱帯低気圧を指します。
ハリケーンは北大西洋、カリブ海、メキシコ湾、西経180度より東の北太平洋(東部)で発生し、最大風速が毎秒32.7m以上の熱帯低気圧を指します。
サイクロンはベンガル湾および北インド洋で発生し、最大風速が毎秒32.7m以上の熱帯低気圧を指します。
引力は、「物体同士がお互いに引っ張り合う力」です。ものが地面に落下する力(ものと地球の引力)、磁石のN極とS極の引かれ合う力(磁力における引力、斥け合う力 である斥力)、電荷同士の電気力、分子間の分子間力などがあります。
重力は、地球上で地球と地球上の物体の間にはたらく力のことです。具体的には、天体の中心に向かって物体を引っ張る力(引力)と、自転によって物体が外に向かって引っ張られる力(遠心力)を合わせたものです。
標本は、実物に似せるか、実物の一部のことで、動植物や鉱物などに用います。
剥製は、動物の皮の中に綿などを詰め、生きていた時の外形を保つようにしたものです。
日本アルプスは、北アルプス・中央アルプス・南アルプスの総称で、中部地方にある3つの山脈のことです。「中部山岳」とも言います。
北アルプスは、飛騨山脈のことで、富山・岐阜・長野・新潟の4県にまたがります。
中央アルプスは、木曽山脈のことで、長野県にあります。
南アルプスは、赤石山脈のことで、長野・新潟・静岡の3県にまたがります。
どちらもカレイ目カレイ亜目の魚類ですが、ヒラメは高級魚、カレイは大衆魚と言われることが多いです。
基本的には「左ヒラメに右カレイ」の言葉の通り、腹を手前に置いたときに顔が左に向くのがヒラメ、右を向くものをカレイと見分けることが多いです。ヒラメの口は大きく、鋭い歯を持っています。カレイは小さな口(おちょぼ口)です。
基本的にはサケ目サケ科の、生物学的には同種の魚とされます。歴史的には、海に降りて川に戻るのが「鮭」(英語ではsalmon)、川に残るものを「鱒」(trout)、すなわち海水魚としての「鮭」、淡水魚としての「鱒」(ニジマスなど)と呼称することが多いようです。
イモリは「井守」で、両生類です。皮膚呼吸のため全身が湿っており、全体が黒くてお腹だけ赤く、爪はありません。
ヤモリは「家守」で、爬虫類です。全身に鱗があり、爪があって、指が壁にくっつくようになっています。
どちらもフクロウ目フクロウ科の鳥で、生物学的には同種です。基本的には羽角(耳)がある種を「ミミズク」、ない種を「フクロウ」と呼び分けています。
どちらもタカ目タカ科の鳥類で、基本的に大きいほうが鷲、小さいほうが鷹として区別しています。また鷹には鷹斑(たかふ)という模様が入っています。
インコは、オウム目インコ科の鳥類の総称です。冠羽と胆嚢がありません。またインコの中でも特に、セキセイインコや、体長が比較的小さいインコを指すことが多いようです。
オウムは、オウム目オウム科の鳥類の総称です。冠羽と胆嚢があります。
ヨウムは、オウム目インコ科の、大型のインコです。知能が人間の3~5歳児ほどと高く、言葉を理解して覚え、人間とのちょっとしたコミュニケーションを取ることも可能です。
文鳥はスズメ目カエデチョウ科ブンチョウ属の鳥類(インコやオウムとは違う種類)で、日本では江戸時代から愛玩鳥として親しまれてきました。
アザラシは耳介(耳たぶ)がなく、ヒレに爪があって、這うように進みます。
アシカは耳介(耳たぶ)があり、ヒレに爪がなく、ヒレで体を支えて歩きます。
マウスはハツカネズミのような小型のネズミのことです。胆嚢を持っています。
ラットはドブネズミような大型のネズミのことです。胆嚢を持っていません。
ラビットは、うさぎ全般、特に飼育されているうさぎのことです。
バニーは、子うさぎのことです。また、いわゆる「幼児語」で、「うさちゃん」といったニュアンスがあります。
ちなみに、飼育されていないうさぎ(野うさぎ)は、「ヘアー(つづりはhare)」です。
どちらもネズミ目リス科の、夜行性のリスの仲間です。
ムササビは標高の低い広葉樹林に、モモンガは標高の高い針葉樹林に生息しています。
ムササビは概ね座布団の大きさに広がり、長くて丸い尾を持ち、被膜が尾と後ろ足にもあります。
モモンガは概ねハンカチの大きさに広がり、尾が短く、尾と後ろ足に被膜はありません。
船は大型で動力のついたふねのことです(ただし、一般的な「船」の呼称にも使います)。
舟は小型で手漕ぎのふねです。
船舶は大型で動力のついたふねのことですが、特に商用のものを指します。「舶」の字は、「海を渡る大きな船」の意味を持ちます。「舶来品」などというように、外国から船を使って渡ってくるものに使われることが多いです。
このほかふねを意味する言葉には、「艇」や「艦」があります。「艇」は細長い小舟のことで、小型ですが動力のついたボートなどを表す文字です。「艦」は、「舟」に「監(=みはる)」、すなわち軍艦・潜水艦・戦艦など、軍用の船を表します。
ボートは比較的小さな船の総称です。エンジンで走行するボートをモーターボート、帆(セール)で走行するボートをセールボート、レジャー目的のボートをプレジャーボートと呼んでいます(狭義では特に近海での使用を前提とし、宿泊などは前提としていません)。
ヨットは、日本では基本的に帆(セール)で走行するセールボートのことを指しますが、本来は「レジャー用の船(非商用の船)」全般を意味する言葉です。
クルーザーは、広義のプレジャーボートの一種で、巡航を目的としたモーターボートやセールボートの呼称です。外洋航行能力があって、船内で宿泊などが可能なキャビンを有しているものを指します。
鉄道は、法的には「鉄道事業法」による「許可制」の輸送機関です。技術的には「レール等による指示案内路によって、車両が移動する設備およびそのシステム」です。
レールが2本ある「普通鉄道」、1本のレールを使用する「モノレール」(跨座式鉄道・懸垂式鉄道)、ガイド上を走行する「新交通システム」(案内軌条式鉄道)、架線式のバスである「無軌条電車」(トロリーバス)、ケーブルによって動く「鋼索鉄道」(ケーブルカー)、磁力で浮遊する「リニアモーターカー」(浮上式鉄道)などが「鉄道」です。
また、「索道」も鉄道の一種です。「普通索道」(ロープウェイやゴンドラリフト)、「特殊索道」(いす式リフト)に分かれます。
一方の軌道は、法的には「軌道法」による特許制の輸送機関です。原則として道路上に設けられ、道路交通を補助することを目的とした輸送設備およびそのシステムを指します。平たく言うと「路面電車」のことです。
ただし、「軌道」から出発しても、輸送人員の増加や速度向上などにより、道路外に専用の線路敷を持ち、ほんらいの「軌道」の定義を超えるものも多くあります。このような経緯から、「軌道」から「鉄道」に転換した鉄道事業者も数多く存在します。
いずれも鉄道線路の軌間(レールの内側のサイズ)を表す言葉です。
標準軌は、軌間が1435mm(4フィート8・1/2インチ)のものです。世界で最も普及しているサイズであることから「標準軌」です。日本では新幹線のほか、路面電車や私鉄各線で採用されています。なお日本の鉄道(国鉄)は「狭軌」だったため、「標準軌」を「広軌」と呼称する場合があります。
狭軌は、標準軌よりも狭いサイズの軌間です。日本では、国鉄や多くの私鉄で1067mm(3フィート6インチ)の狭軌(三六軌間)が採用されました。このほか、馬車軌道をルーツとする1372mm(4フィート6インチ)の「馬車軌間」や、軽便鉄道などで使用された、さらに短い軌間である762mm(2フィート6インチ=30インチ)の「ナローゲージ(特殊狭軌)」といった狭軌などもあります。
広軌は、標準軌よりも広いサイズの軌間です。日本の旅客営業用路線では現在採用されていません(工場構内鉄道での採用例はみられます)。
列車は、営業線路を走る鉄道車両の総称です。
電車は、電気で走る列車です。電動機付き客車(電動客車)または電動機付き貨車(電動貨車)の略称です。電車は線路上の架線からパンタグラフで電気を取り入れ、モーターを動かすことで走行します。電車の中で、動力装置を持った車両のことを「電動車」、動力装置を持たない車両を「附随車」とか「非電動車」などと呼びます。
汽車は、蒸気機関車と、蒸気機関車に牽引される列車のことを指します。
気動車は、ディーゼルエンジンで動く列車です。ディーゼルカーと呼ぶことも多いです。
特急は、「特別急行列車」の略で、途中駅での停車が少なく、早く(特別に急いで)目的地に着く列車です。鉄道会社によって、特急料金が必要な場合と不要な場合があります。
急行は、途中駅での停車が特急の次に少ない速達列車です。文字通り「急いで行く」ことを表します。鉄道会社によって、急行料金が必要な場合と不要な場合があります。
準急は、「準急行」の略です。途中駅での停車が急行の次に少ない速達列車です。「快速」の旧称とされることもあります。
快速は、「気持ちのよいほど速いこと」で、停車駅を少なくして速く走ること(快速運転)、またはその列車(快速列車)を指します。鉄道会社により、急行よりも停車駅が多い場合と、少ない場合があります。
普通は、各駅停車の旅客列車のことで、「普通列車」の略です。多くは「各駅停車」と同義ですが、複数の異なる路線がある区間を並走している場合、駅数の多い路線を走る普通列車を「各駅停車」、駅数の少ない路線を走る普通列車を「普通」と呼称することがあります。また、臨時や特別なダイヤではなく、通常ダイヤで走行する列車のことを「普通列車」と呼ぶこともあります。
各駅停車は、各駅に停車する旅客列車のことで、「普通列車」と基本的には同義です。
緩行は、列車が各駅に停車しながら進むことです。「緩行列車」といった場合は各駅停車(普通列車)のことです。なお、同一路線が並走する複々線の場合、すべての駅がある路線のほうを「緩行線」、停車駅の少ない路線のほうを「急行線」または「快速線」と呼称します。
鈍行は、各駅に停車する列車の俗称です。「鈍行列車」「普通列車」「各駅停車」は同義です。
このほか、特急の次に停車駅の少ない速達列車である「準特急」、特急よりもさらに停車駅の少ない「快速特急」、急行よりも停車駅の少ない「快速急行」、快速よりも停車駅の少ない「新快速」や「特快(特別快速)」などの種別があります。
また、通勤時間帯には「通勤特急」や「通勤急行」「通勤快速」があります。これは、遠距離通勤者の通勤の便を確保するために、通常の特急・急行・快速よりも停車駅が少ないパターンが多いです(ベッドタウンとなる一部の駅は、通勤時のみ停車する場合があります)。このほか、ある区間のみその種別で運転し、当該区間を過ぎると各駅に停車することで遠距離利用者の便を図る「区間急行」「区間準急」「区間快速」などがあります。
ロングシートは、車両の側壁に沿って(レールと平行に)座席が設置されているもので、「縦座席」とも呼ばれます。
クロスシートは、車両の横向きに沿って(レールと直交に)座席が設置されているもので、「横座席」とも呼ばれます。方向転換しないものが「固定式クロスシート」、座面 を回転させて方向転換するものが「回転式クロスシート」、背を前後移動させて座位の方向を転換するものが「転換式クロスシート」です。
ボックスシートは、固定式クロスシートのうち、向かい合わせに掛ける形式を指します。
セミクロスシートは、車両の中にロングシートとセミクロスシートを組み合わせた配置で、乗降が円滑になるよう、ドア付近がロングシート、ドア間がクロスシート(多くはボックスシート)としたものです。
ロマンスシートは、2人掛けのクロスシートの総称で、特には小田急の特急ロマンスカーの座席を指します。
リクライニングシートは、背もたれの傾斜角度を調整できるクロスシートです。
簡易リクライニングシートは、座面の前後移動によって背もたれの傾斜角度を調整するタイプの、簡易なリクライニングシートです。
ケーブルカーは「鋼索鉄道」のことで、山岳の急斜面などを、鋼索(ケーブル)が繋がれた車両をウインチ等で巻き上げて運転する鉄道システムのことです。
ロープウェイは、扉を有する閉鎖式の「箱(ゴンドラ)」を使って人や物を運ぶ「普通索道」の一種で、ゴンドラがぶら下がっている太いロープ(支索)にゴンドラがぶら下がり、そのゴンドラを曳索という支索よりも細いロープで引っ張る仕組みです。索道の中では、もっとも大規模な輸送機関です(乗車人員が数十人単位と多く、立ち乗りもある。時刻表があることもある)。
ゴンドラは、正式には「ゴンドラリフト」で、こちらも扉を有する閉鎖式の「箱(ゴンドラ)」を使って人や物を運ぶ「普通索道」の一種です。ロープウェイと異なり、ゴンドラリフトは1本のロープでゴンドラを引っ張る仕組みです。ロープウェイと比較すると、比較的中規模な輸送機関です(乗車人員が十数人程度で、着席を前提とする。時刻表はなく随時運航である)。
リフトは、「特殊索道」の一種で、座って乗るタイプの一般的なリフト(扉を持たない開放式の椅子型のもの)は「チェアリフト」と呼ばれます。基本的には固定循環式(ゴンドラリフトの場合は「自動循環式」で、起終点到着時は滑車間で索道からゴンドラが自動で離脱し、出発時点で索道に再び固定される仕組み)で、ぐるぐると原則等速で循環し続ける仕組みとなっています。
ちなみに1人乗りを「シングルリフト」、2人乗りを「ペアリフト」、3人乗りを「トリプルリフト」、4人乗りを「クワッドリフト」と呼称します。
航空機は、大気中を飛行する機械の総称です。飛行機も、気球や飛行船も、グライダーも、ヘリコプターも、戦闘機も、すべて「航空機」の一種ということになります。
一方の飛行機は、動力によって推力を得て、固定された翼(固定翼)で揚力を得ることで大気中を飛行する航空機のことです。
戦闘機は、敵対する航空機との空対空戦闘のための軍用機です。
爆撃機は、爆弾類を搭載し、爆弾を投下することで前線の後方の目標を破壊する目的の軍用機です。
攻撃機は、ミサイルや爆弾、ロケット弾等で地上や洋上の目標を攻撃する軍用機です。
なお戦闘機と攻撃機の双方の機能を持つものを「戦闘攻撃機」、戦闘機と爆撃機の双方の機能をもつものを「戦闘爆撃機」と呼びます。
タクシーは公共交通機関であって、配車や迎車のみならず、街中の「流し営業」で一般旅客が乗降できる乗り物です。配車・迎車料金などはあるものの、原則として時間・距離のメーター制によって乗車した分だけ運賃を支払います。
一方のハイヤーは個別輸送機関で、完全予約制です。「運転手付きの貸し切り営業車」ですから、基本的には貸し切りした時間に応じた料金を支払います。
オートバイはまたがって乗るバイクで、エンジンの位置は前にあります。また、基本的にシフトはマニュアルです。
スクーターは座って乗るバイクで、エンジンの位置は後ろにあります。シフトはオートマです。
原付は、排気量125cc以下の「原動機付き自転車」のことを指します。
セダンは、ボンネットの「エンジンルーム」・「人が乗るスペース」と「トランク(荷室)」がそれぞれ別れており(スリーボックスカー)、もっとも「クルマ」らしい形をした乗用車で、その多くは4ドア構造です。乗車定員は5名です。
ハッチバックは、乗車スペースとトランクが一体化したボディ(ツーボックスカー)で、荷室部分にハッチ(上開きまたは横開き)が設置されたタイプのクルマです。ボンネットが短いタイプのツーボックスカーを、特に「1.5ボックスカー」とも称します。
クーペは、1列または2列シートで2枚ドア構造の乗用車です。
ワンボックス(カー)は、「エンジンルーム」・「人が乗るスペース」と「トランク(荷室)」がそれぞれ1つのボックスになっている、ボンネットがないクルマの総称です。エンジンルームは多くの場合、運転席の下に搭載されています(キャブオーバー型)。
バンは、(乗員のスペースよりも)荷室が広く、2列目の座席がリクライニングしない構造となっている、ツーボックスタイプの商用車です。
トラックは、運転席と荷室(荷台)が構造的に分離された貨物自動車で、運転席から荷室への移動はできない構造をしています。
ダンプは、ダンプトラックとも称し、荷台を傾けることで積荷を降ろすことができるトラックです。
ワゴン(ステーションワゴン)は、乗車定員こそ5名(セダンと同じ)が基本となるものの、「バン」の荷室部分の多くを乗車スペースとすることで、ゆとりを持たせたツーボックスタイプの乗用車です。車高はセダン並であることが多いです。商用車として使用する場合は「ライトバン」と呼称します。なお、やや車高が高いステーションワゴンは「トールワゴン」と呼ばれます。
ミニバンは、ツーボックスタイプ(または1.5ボックスタイプ)の乗用車で、3列シートが採用され、定員は7~8人とセダンよりも乗車定員が多く、また車高が高いことが特徴です。
SUVは、スポーツ用多目的車(sports utility vehicle)という意味です。もともとはオフロード性能の高さがウリでしたが、地上高が高いため、運転席からの視界が良いことも特徴です。
コンパクトカーは、5ナンバー(小型自動車)基準の車両で、ツーボックスカー(ハッチバック式やトールワゴン型)です。セダンやミニバンは含まれません。
軽自動車は、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下で、エンジンの総排気量が660CC以下のクルマです。定員は最大で4名までとなっています。
軽トラックは、軽自動車の規格で作られたトラックです。乗車定員は2名であることが多く、最大積載量は350kgとなっています。
チャイルドシートは0~3歳ころを対象とした補助シートです。背もたれがあり、子どもを包み込む形をしています。シートベルトで椅子を固定し、チャイルドシートのベルトで子どもを固定する構造です。乳児を対象としたものをとくにベビーシートと呼ぶこともあります。
ジュニアシートは3歳~10歳くらいまでを対象とした補助シートです。座位を高くすることにより、シートベルトで子どもを固定しやすい構造をしています。背もたれがないタイプのものをとくにブースターシートと呼びます。
私鉄は、鉄道のうち旧国鉄(日本国有鉄道)を前身とするJR各社と、地方公共団体が運営する公営鉄道(第一セクター)、および第三セクター(公私出資企業)以外の 第二セクター(私企業)がもつ鉄道のことで、私設鉄道とか私有鉄道とも言います。
民鉄は民営鉄道の略称で、基本的には私鉄と同義ですが、国の統計上は私鉄と公営鉄道・第三セクター鉄道の総称、すなわちJR以外の鉄道を指します。
なお大手私鉄は、大都市圏に路線を持つ私鉄で、東武鉄道・西武鉄道・京成電鉄・小田急電鉄・京王電鉄・東急電鉄・京浜急行電鉄・相模鉄道・東京地下鉄・名古屋鉄道・近畿日本鉄道・阪急電鉄・阪神電鉄・京阪電気鉄道・南海電気鉄道・西日本鉄道の16社を指します。
準大手私鉄は、同じく大都市圏に路線を持つ大手私鉄に準じる規模の私鉄で、新京成電鉄(2025年より京成電鉄に統合)・泉北高速鉄道 (2025年より南海電気鉄道に統合)・北大阪急行電鉄・神戸高速鉄道・山陽電気鉄道の5社 (2025年より3社)が挙げられます。
これ以外の私鉄は、中小私鉄と呼ばれます。 また、大手に含まれない中小民鉄(第三セクターを含む)を総称して「地方鉄道事業者」と呼ぶこともありますが、都市部を走行する中小私鉄・第三セクターはふつう、「地方鉄道」には含まれません。
いずれも通勤通学や買い物など、日常使用する自転車です。
シティサイクルとママチャリはタイヤサイズが26インチ以上のほぼ同義の自転車で、「軽快車」とも呼称されます。
ママチャリはフレームが湾曲していてまたぎやすい形状をしており、しばしば前後にチャイルドシートを搭載することができる頑丈な形状をしています。
シティサイクルは、フレームが直線状で、ママチャリよりも軽量につくられたものです。スポーツバイクのような軽装備(カゴがないなど)のものもあります。
ミニサイクルは、タイヤ径が軽快車(ママチャリやシティサイクル)よりも小さな(24インチ以下)自転車で、主に女性や高齢者が日常に乗り回しやすいサイズでつくられた自転車です。加減速を繰り返す必要がある市街地の走行に適している一方、長距離の 運転には不向きです。折り畳み機構を持つタイプもあります。
ミニベロは、ミニサイクルの一種で、よりタイヤ径の小さな(一般的には20インチ以下とされる)自転車です。コンパクトで持ち運びがしやすいことが特徴です。「小径車」や「コンパクト車」とも呼ばれます。
いずれも、通勤通学や買い物など、「日常使い」の自転車と対比した、スポーツタイプの自転車です。
スポーツバイクはスポーツタイプの自転車の総称です。一般的には車体重量が15kg以下と軽量で、かつ軽装備(例えばカゴやライトがないなど)のものが多くあります。また日常使いの自転車のタイヤが「インチ」表記であることに比して、「cc」表記で表されることも多いです。
ロードバイクは、舗装道路での高速運転に特化したスポーツバイクで、「ドロップハンドル」と「ダイヤモンドフレーム」、「細いタイヤ」が特徴です。
なおロードバイクの親戚として、ドロップハンドルをバータイプのハンドルに置き換えて、日常使いしやすいように寄せた「フラットバーロード」や、荷物を積むことを想定し、乗り心地を長距離運転が可能なように調整し、自転車旅行が快適に行えるように開発された「ランドナー」といったタイプもあります。
マウンテンバイク(MTB)は、オフロード向けの自転車です。コントロールしやすい「フラットバーハンドル」、悪路の衝撃を吸収しやすい「サスペンション」、「幅の広いタイヤ」が特徴です。ブレーキも比較的軽い力でかかるようになっています。前後にサスペンションがついていて衝撃吸収の面から初心者でも扱いやすく、下りに強いとされる「フルサスペンション」、後輪だけにサスペンションがついていて軽量性・コントロール性で秀でており、上りに強いとされる「ハードテイル」などがあります。
クロスバイクは、マウンテンバイクを(市街地の)舗装路でも乗り回しやすいように改良したタイプのスポーツバイクです。マウンテンバイク(取り回しのしやすさ)とロードバイク(軽快な走り)の「いいとこ取り」的存在といえます。スポーツタイプのシティサイクルに近いタイプとして、日常使いでも使用しやすい自転車です。
BMX(Bicycle Motocross)は、その名の通り自転車の「モトクロス」用の競技特化型スポーツバイクです。垂直の「アップハンドル」、衝撃に耐える頑丈なフレーム、20インチタイヤ、シングルスピード(ギヤがない)、ブレーキが後輪のみ、といった特徴があります。
ピストバイクは、トラック競技で使用される競技用自転車です。シングルスピードが特徴です。ブレーキがないタイプは公道走行ができません。
トルクは、エンジンの駆動力(回転軸を中心に生み出される回転力)のことです。単位はN・mやkgf・mが使われます。
回転数は、1分あたりのエンジンの回転数のことです。毎分回転数をあらわす単位は、rpmやmin-1が使われます。
馬力は、出力ともいい、トルク×回転数であらわされる、「物体を、どれくらいの時間で、どれだけ運べるか」を表したものです。単位はkWやpsが使われます。
排気量は、エンジンが吸い込める空気と燃料の総量(シリンダーの容積)で、一般的には大きいほど生み出されるエネルギーが大きい(パワフルである)ことになります。単位はccやLが使われます。
運送は、人や物を目的の場所に運ぶことです。
運搬は、物品を別の場所へ運び移すことです。
輸送は、車や船、航空機などの輸送機器を使って、人や物資を運ぶことです。
運輸は、旅客や貨物を運び送ることです。鉄道や自動車、船舶、航空機などで輸送することの総称です。
物流は、「物的流通」の略で、生産者から消費者までの商品の一連の流れです。
配送は、配達して届けることです(配達と発送の総称)。なお、「発送」は郵便や荷物を送ること、配達は郵便や荷物を届けることです。
どちらも「決まった筋を動くこと(巡ること)」を表しますが、その種類によって使い分けます。
バス・電車・天体は「運行」で、決まった行路や道筋をめぐることをあらわします。
船や飛行機は「運航」で、決まった航路を進むことです。
航路は船や航空機が通行する特定のコースです。また、特に定められた水上の道を表します。
水路は、「特に定められた水上の道」という意味では航路と同義です。また、「水が流れる道」の意ももち、「川」を指す場合にも使います。
海路は、海上の航路(船の道筋)です。船路とも言います。また、船旅そのものを指します。
元旦は元日の朝のことです。ただし、元日という意味も含みます。
元日は1年の初めの日、すなわち「1月1日」のことです。よく言われることですが、「元旦の朝」は重複しているので、「元日の朝」が正しい表現となります。
正月は1年の最初の月のことで、ほんらいは「1月」を指します。しかし、一般的には「正月を祝う期間」を指すことが多いです。「正月を祝う期間」は、基本的に「三が日」と「松の内」になります。
三が日は、元日を含めた3日間のことです。国民の祝日は元日のみですが、官公庁や金融機関、多くの一般企業は三が日を休業しています。「正月休み」や「正月気分」といったときは、だいたいこの期間を指すことが多いです。
一方、風習や行事としての「正月」は、「松の内」、すなわち正月の松飾がある期間を指します。昔は15日(小正月)までを松の内ということが多かったですが、近年では7日までを指すことが一般的です。ただし関西では15日までが多く、20日(二十日正月)までを松の内とする地域もあります。
祭日は皇室の祭典や神社のお祭りなど、日本古来の神道儀礼をおこなう日のことです。もとは「皇室祭祀令」という宮中祭祀に関わる法令に基づき、「祭日」が定められていました。現在ではこの法律は廃止されていますが、紀元節は建国記念日、春季皇霊祭は春分の日、昭和天皇の 生誕日は昭和の日、秋季皇霊祭は秋分の日、明治節(明治天皇の生誕日)は文化の日、新嘗祭は勤労感謝の日というように、「国民の祝日に関する法律」で今の祝日に受け継がれているものもあります。
祝日は「国民の祝日に関する法律」で定められた、国の大きな出来事や記念日を国が「国民の祝日」として休日として定めた日を指します。祝日が日曜と重なった場合は「振替休日」、祝日が前後にある平日を「国民の休日」として定めていることはご存知の通りです。
幽玄は、趣が奥深く、高尚かつ優美で、言葉にあらわれない、深くほのかな余情をのこした美を指します。
わびは、簡素さの中に見出される、澄み切って清らかで、ひっそりともの静かな趣のあるさまを指します。
さびは、もの静かで落ち着いた奥ゆかしい風情が、洗練されて、自然とそとににおい出たさまを指します。
骨董品は、希少価値のある古美術や古道具のことを指します。フランス語でアンティークですので、骨董品とアンティークは基本的には同義と捉えてよいでしょう。どちらかというと骨董品はアジアンテイスト(日本を含む)、アンティークは西欧などの舶来品のイメージがついていることが多いかもしれません。
アンティークは、基本的には製造から100年以上経過したものを指すことが多く、ビンテージはそれよりも歴史が浅いもの(製造から100年未満の品)を指すことが多い言葉です。
ちなみにレトロは、製造年の定義には無関係に、「古びた雰囲気」や世界観を表す用語です。「レトロ調」「レトロ風」など、時代を感じるものにつけることができる言葉ということができるでしょう。
カーニバルは、カトリックの宗教行事である「謝肉祭」を指します。今では、華やかな衣装を着て仮装する踊りを主体としたパレード(リオのカーニバル、浅草サンバカーニバルなど)が想起されることが多いかもしれません。
フェスティバルは、一般的なお祭りのことです。大勢の人が集まって、特定のテーマに沿って催し物を行うことを指します。祭典のほか、地域のお祭り、お店で行うような催事もフェスティバルと呼称できるでしょう。
セレモニーは、「儀式」や「式典」を表します。
行事は、儀式や決められた計画に基づいて、日程を決めて行う催事です。
式は、一定の形式で行われる改まった行事のことを指します。
儀式は、式の際の具体的な作法を指します。また、神事・祭事、慶弔など宗教的な意味合いのある一定の作法や形式で行われる行事です。
儀礼は、慣習によって形式が整えられている礼法や礼式を指します。また、一定の形式で行われる宗教行為のことです。
典礼は、定められた儀礼や儀式のことです。また、特にキリスト教の礼拝や儀式のことを指します。
式典は、祝賀や記念行事など、大掛かりで華やかな「式」を指します。
どちらもある会の「進行役」です。
司会は、会を台本通りに進行する役割を担います。
MC(Master of Ceremonies)は、「仕切り役」で、台本に基づいた司会だけでなく、出演者の個性や場の雰囲気をうまく活かしながら、場の空気全体を動かしていく役割を担います。
結婚式は、夫婦となる2人が神前や参列者の前で結婚を誓う儀式のことです。
披露宴は、結婚したことを知人にお披露目するパーティーのことです。「挙式」といったときは、披露宴ではなく結婚式を指します。
葬儀は宗教的な意味合いを持ち、故人を弔い冥福を祈る儀式です。
告別式は社会的な意味合いを持ち、会葬者の焼香や出棺前の献花など生前の故人とゆかりがあった人とのお別れの儀式です。
葬式は、葬儀と告別式を合わせた意味を持ちます。
数珠と念珠は、基本的には同じものです。
数珠は、念仏を数えるときに、その回数を数えるために珠を指で数えることからきているとされます。
念珠は、数珠に「念」を込めたものという意味合いがあります。
僧は、宗教に属し、修行や伝道をする人のことです。
僧侶は、出家して仏教の修行をする人です。
坊主は、寺院で一坊を構えた僧のことで、寺坊の主である僧です。また、一般的に「僧」を指します。
法師は、仏法に通じ、人々を導く師となる者のことです。また、一般的に「僧」を指します。俗人であっても僧の姿(髪をそり、袈裟を着た姿)の僧体をした人(俗形でない人)を指すこともあります。
和尚は、戒を授ける師の僧です。また、修行を積んだ僧の敬称です。また僧位では、法眼和尚位の略で、最高位の「法印」に次ぐ僧位です。
住職は、寺の長である僧のことで、その寺の主僧です。住持とも言います。
日本の在来仏教は、十三宗五十六派と数えられています。本山は、これらの各宗派の中で多くの寺院を統括している代表寺院のことを指します。
宗派によって呼称は異なることがありまが、「総本山」は、宗派の起源となり、本山を取りまとめているその宗派の最高位の寺院のことです。「大本山」は、開祖と縁があり、総本山の次に位の高い寺院です。ほか、その宗派の中で特別な意義をもち、本山に準じた待遇をとる特別な格式をもった「別格本山」などがあります。
なお、本山の対義語は末寺です(本寺-中本寺-直末寺-孫末寺と並びます)。「本末転倒」という言葉は、まさにここから由来していて、鎌倉時代において「本山」と「末寺」の立場が逆転してしまったさまをあらわしています。
牧師はプロテスタント教会で、教区や教会の管理、信者の指導をする職です。
神父はカトリック教会の司祭をあらわす敬称です。
どちらも神を讃える歌ですが、聖歌は基本的にカトリック系です。ただしプロテスタント系の英国国教会も「聖歌」です。
讃美歌はプロテスタント系です。
祭司は、宗教儀礼を司る職である「神官」を指します。神道の神主、仏教の僧侶、キリスト教の司祭などが代表例です。
司祭は、カトリックの聖職位で、司教の下、助祭の上です。「神父」と称され、教会の儀式を司る祭司です。
ちなみにカトリックで言う「司教」は、東方正教会やイギリス国教会では「主教」と呼ばれます。
いずれもキリスト教の集会で、ミサはカトリック系、礼拝はプロテスタント系です。
ミサは毎日行われ、聖書朗読と聖体拝領(パンとぶどう酒を分け与える典礼)の2つで構成されます。
礼拝は毎週日曜日に行われ、基本的には牧師の説教があります。また、月に1回の聖餐式があります。
いずれも「ギター」の種類です。
アコギは、「アコースティックギター」(生ギター)のことです。電気を使用せず単体で演奏できる楽器で、ボディの内部が空洞になっており、弦の振動を反響させることで音を鳴らします。ナイロン弦の「クラシックギター」と、スチール弦の「フォークギター」があり、「アコギ」といったときは一般的には「フォークギター」を指すことが多いようです。
エレキは、「エレキギター(エレクトリックギター)」のことです。アンプに繋ぐことで、電気的に大きな音を出すことができます。
ベースは、「ベースギター」のことです。生音の「アコースティックベース」と、電気を使う「エレキベース」があります。一般的には「ベース」といったときは「エレキベース」を指すことが多いです。アコギ・エレキと比べて「長くて重い」のが特徴で、弦の本数も4本(アコギとエレキは6本)という違いがあります。
国立公園は、日本の景勝地の中でも世界に誇り得る傑出した自然の風景がある地域に指定された自然公園です。自然公園法に基づいて、環境大臣が指定し、国が管理します。
国定公園は、国立公園に準じる景勝地として指定された自然公園です。環境大臣が指定しますが、管理は都道府県となります。
国営公園は、都府県を超える広域的な見地から、あるいは国家的な記念事業として、またはわが国固有の文化的資産の保存・活用を図るために、都市計画施設として設置される公園・緑地のことで、国土交通大臣が設置し、国が維持・管理する都市公園です。
国民公園は環境省が設置・管理する公園で、皇居外苑・新宿御苑・京都御苑の3か所あります。
いずれも、「都市公園法」が定める都市公園の種類です。
街区公園は、もと「児童公園」のことで、遊具などが配置されたもっとも身近に利用できる公園です。1か所あたり0.25haが標準のサイズです。社会の多様化や高齢社会によって、必ずしも「児童」だけが利用するものではないことから、「児童」の名を外して呼称します。街区内に居住する住民向けの公園であり、分類上は、「住区基幹公園」の一種です。
近隣公園は、児童公園よりも広い(2haが標準)公園です。近隣に居住する住民向けの公園であり、「住区基幹公園」の一種です。
地区公園は、近隣公園よりも広い(4haが標準)公園です。徒歩圏内に居住する住民向けの公園であり、「住区基幹公園」の一種です。なお、都市計画区域外の特定地区公園のことを、「カントリーパーク」と呼びます。
総合公園は、都市住民全般の休息や観賞、散歩、遊戯、運動等の総合的な利用に資することを目的とした公園で、10ha~50haの規模を標準とした大公園です。「都市基幹公園」の一種です。
運動公園は、とくに都市住民全般の運動の用に供することを目的とした公園で、15~75haを標準としています。「都市基幹公園」の一種です。
広域公園は、市町村の区域を超える広域のレクリエ ーション需要を充足することを目的とした公園で、地方の生活圏など、広範なブロック単位で、50ha以上を標準とした巨大な公園です。「大規模公園」に分類されます。
1000haを超える大規模公園であって、大都市圏からの多様なレクリエーション需要を満たすことを目的とした、都市圏からのアクセスが容易で、かつ自然環境の良好な地域に計画的に配置されるものを、特に「レクリエーション都市公園」と呼んでいます。
特殊公園は、各種目的に応じて配置される都市公園です。風致公園、動物公園、植物公園、歴史公園、墓園などがあります。
緩衝緑地は、工場地帯からの公害(大気汚染、騒音、振動、悪臭)や災害などの防止または緩和を目的とした緑地で、公害発生源と住宅街や商業地域を分離・遮断することができる位置に配置する緑地です。
都市緑地は、都市内の自然環境の保全・改善、また都市景観向上のために設置する緑地で、0.1ha以上を標準として配置します(既成市街地で、既存の樹林地を指定する場合は、0.05ha以上)。
緑道は、災害時の避難路確保、都市生活の安全性や快適性の確保を目的として、近隣住区内や住区間相互を連絡する植樹帯および歩行者路や自転車路を主体とした緑地帯で、幅員10~20mを標準に、公園や学校などの公共施設や、駅前広場、地域の中心となるショッピングセンターなど地域の生活動線に応じて配置されるものです。
絵画は、画家が心象で捉えたもの・感じたものを表現した絵のことで、鑑賞を目的に描かれます。複製画はあるものの、一般的に「大量生産」はされません。
イラストは、作家(イラストレーターなど)が、あるもののアイコンとして消費者などに「それと分かるように」表現された絵のことで、あるものごとの説明や商品の販売などを目的に描かれます。しばしば、大量生産されます。
デッサンは、「下絵」のことです。
どちらも「絵」ですが、「絵画」は線や色彩によって物の姿かたちをある平面上に描き出した造形美術を指しま(painting)す。「図画」は、ある枠組みの中に「物の形」をそのまま描いたもの、というニュアンスがあります。また「絵を描くこと」(drawing=描画)です。
「絵」と「画」はどちらも「え」ですが、「絵」はものを「描いたもの」で、「画」がものを「画く」ことを表すニュアンスがあります。英語では「絵」「画」ともにpictureです。
「図」は、物の形を描いたものですが、比較的抽象度が高く、何かを説明するために描くことが多いです。英語ではfigureです。
カスタネットはスペインで生まれた木製の打楽器です。スペイン語で「栗」を表す「カスターニャ」から来ており、手のひらの丸い貝型の木片を2枚合わせて音を出します。
ミハルスは、カスタネットを子どもでも演奏しやすいように日本でつくられた、木製の2枚の板を蝶番でつないだ打楽器です。名前は、考案者である舞踊家、千葉躬春からきています。
教育用カスタネットは、カスタネットとミハルスをもとに、教育用に改良された赤青で塗られた木製の楽器で、口を開いたまま手を閉じて打ち合わせるだけで音をならすことができる特徴があります。混用されがちですが、ミハルスそのものではありません。
関東は、もともとは「東山道/鈴鹿の関・東海道/不破の関・ 北陸道/愛発の関以東」の地域を指す言葉でした。鎌倉時代には、「遠江(または三河)・信濃・越後」以東が関東とされ、室町時代には坂東(相模・武蔵・安房・上総・下総・常陸・上野・下野)および伊豆・甲斐、さらに陸奥や出羽までも含まれることがあったとされます。
時代が下り、江戸時代には「箱根関以東」「碓氷峠以東」が「関東」となり、公式には奥羽もその範囲に含まれつつ、とくに坂東たる「関八州(相模・武蔵・安房・上総・下総・常陸・上野・下野)」が「関東」という認識がなされるようになりました。
さらに明治期以降、現在の「関東」の範囲が確立したとされます。現在は、一般的には茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の1都6県のことを指します。
首都圏は、昭和31年制定の「首都圏整備法」を根拠とする政令「首都圏整備法施行令」によって、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・山梨の1都7県(関東地方+山梨県)と法的には定められています。これが広義の「首都圏」です。
ただし、生活圏や都市圏の概念では1都7県では実感としても広範にすぎるため、これとは別途の区分けをすることもあり、以下に示すような多様な分類がなされています。これらは、いずれも狭義または別義の「首都圏」です。
<1都3県>
社会的・経済的に首都圏としてのつながりが強い東京・神奈川・千葉・埼玉を1都3県と呼称し、狭義の首都圏として扱うことがしばしばあります。内閣府の「首都圏広域防災拠点整備基本構想」では「首都圏」、国土交通省の「首都圏整備に関する年次報告」では「東京圏」、東京都制作企画局(旧知事本局)の「首都圏における広域課題の現状」では「首都圏」として、1都3県を事実上の「首都圏域」として扱っています。
<九都県市首脳会議の構成自治体>
いわゆる「首都圏サミット」の構成自治体のことで、1都3県(東京・千葉・神奈川・埼玉)および5政令市(横浜・川崎・相模原・千葉・さいたま)を指します。
<東京圏>
「多極分散型国土形成推進法」で定める、東京都区部および、これと社会的経済的に一体である広域のことです。東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県の既成市街地・近郊整備地帯および都市開発区域のうち埼玉県熊谷市・深谷市、ならびに、茨城県の土浦市・つくば市の区域を指します。
<東京都市圏>
雇用の核となっている中心都市への通勤率をもとにした都市圏の範囲の広がりを示す定義で、東京都区部・横浜市・川崎市・千葉市・立川市・武蔵野市・さいたま市・厚木市を「中心市」とした、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城の1都4県にまたがる都市雇用圏のことです。
<関東地方(1都6県)>
統計では、しばしば、甲信越地方となる「山梨県」を外して、「関東地方(1都6県)」を首都圏と見做して処理することがみられます。
<関東大都市圏>
国勢調査における統計上の地域区分です。中心市とこれに連接している中心市が近接している場合は1つの「大都市圏」として扱うことから、現在の関東大都市圏は茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨・静岡の1都8県圏にまたがる規模になっています。かつては東京都区部・横浜・川崎を中心とする「京浜大都市圏」でしたが、政令市に移行した千葉市が加わって「京浜葉大都市圏」となり、以降、さいたま市や相模原市が加わって現在の大都市圏となっています。人口は2020年時点で3800万人を数え、言うまでもなく日本最大 (世界最大でもある)の都市圏となっています。
<東京50キロ圏>
旧運輸省の「運輸政策審議会」の定義による、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県にまたがる、東京中心部からの半径50キロ圏のエリアです。もっとも範囲を絞った定義となります。
<東京70キロ圏>
国勢調査の定義する、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・山梨の1都8県にまたがる、旧東京都庁(現東京国際フォーラム)を中心点とした半径70キロ圏のエリアです。
<広域関東圏>
経済産業省の関東経済産業局、法務省の東京法務局、警察庁の関東管区警察局(ただし警視庁のある東京を除く)などの管轄範囲である、1都10県(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・山梨・長野・静岡)です。「関東甲信越静」とも言います。
<Suicaの首都圏エリア>
JR東日本では、茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・山梨・長野・静岡および福島の常磐線エリアの一部、1都11県をSuicaの「首都圏エリア」としています。
<広域首都圏>
国土交通省の「首都圏広域地方計画」が定義する、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・山梨・長野・新潟・静岡・福島の1都11県です。「首都圏」としてはもっとも広範囲の定義となります。
近畿は、もともと畿内(当時の皇居所在地に近い国々)とその付近を指す言葉で、五畿内(大和・山城・河内・和泉・摂津)のことです。いまは、「近畿地方」といったときは、京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・三重の2府5県を含みます。
関西は、「近江の逢坂の関以西の地」、「東山道/鈴鹿の関・東海道/不破の関・北陸道/愛発の関以西の五畿内・近江・伊賀・山陰道・山陽道・南海道・西海道」、「箱根関以西」、「関八州(相模・武蔵・安房・上総・下総・常陸・上野・下野)を関東と称するのに対しての京阪神地方」など、様々な範囲の捉え方があります。
もっとも広く解釈すると名古屋や富山以西の西日本を意味しますし、「近畿・中国・四国」、「三重を除く近畿に岡山を含む」、そして「京阪神地域」と、使い分けは明確ではありません。現在は、一般的には京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・和歌山の2府4県、または三重県を含めた2府5県をあらわす場合が多いようです。
越前・越中・越後は、それぞれ旧国名です。越前は福井県、越中は富山県、越後は新潟県です。
上越・中越・下越は、広大な越後国(新潟県)を、さらに京都から近い順に上越・中越・下越および佐渡と細分化してあらわしたものです。
ちなみに、「上越新幹線」「上越線」の「上越」は、上野国(群馬県)と越後国(新潟県)とを結ぶことから「上越」であり、新潟県内の地域区分には由来しません。一方で新幹線の「上越妙高」駅が、上越新幹線ではなく北陸新幹線の駅であるのは、この駅が新潟県 (越後)の地域区分である「上越」に位置する(そもそも、駅自体が上越市にある)ことによります。
いずれも日本の行政区分ですが、歴史的経緯により呼称が分かれています。現在は、特別区を有する都のほかは、道府県の権限に差はありません。
都は、みやこ(皇居所在地や政府所在地の意)であって、現在は首都・東京にのみ用いられています。戦時体制下で東京府と東京市が「東京都」となり、戦後は長らく都だけに特別区の設置が認められてきました(現在は法令改正で同一府県内の隣接した都市圏人口が200万人以上であれば特別区の設置は可能)。
道は、北海道にのみ用いられています。明治初期までは「蝦夷地」と呼ばれ、明治政府が改めて日本領土として国家行政を敷くために、古代からの「五畿七道(山城国・摂津国・河内国・和泉国・大和国 の五機/東山道・東海道・北陸道・山陰道・山陽道・南海道・西海道の七道)」に倣って、八つ目の「道」として、「北海道」としたものです。
府は、「行政や軍事の中心地」の意味をもち、江戸時代の幕府直轄領の中で、明治政府が重要と定めた地域です。現在は御所のある京都と、商都・大阪のみに用いられています。
県は、もと「つり下がる」の意味で、都・道・府以外の各地域を指します。
都市は、人口が集中し、社会的・経済的な機能集積によって、地域の政治・経済・文化の中心となっている町です。客観的な表現です。
都会は、ある地域の政治・経済・文化の中心となっている町について表現するときに使います。主観的な表現です。
大都市とは、政令指定都市と東京都の特別区(23区)のことです。
政令指定都市(正式名称は指定都市)は、法定人口が50万人以上で、政令で指定された市です。行政区を持ち、都道府県の事務権限の一部を担います。なお運用基準としては、当初は「人口100万人以上」が、70年代からは「人口100万人以上、または近い将来人口100万人を超える見込みの80万人以上の人口」が、00年代からは「70万人以上の人口」が、それぞれ概ねの目安となっているとされています。
中核市は、法定人口が20万人以上で、政令で指定された市です。行政区は持たず、指定都市に準じて都道府県の事務権限の一部を担います。
特例市は、中核市に準じて、法定人口が20万人以上で、政令で指定された市です。行政区は持たず、都道府県の事務権限の一部を担います。現在は制度が廃止されており、制度廃止時に中核市に移行しなかった市は「施行時特例市」として、経過措置が取られています。
市・区・町・村は、いずれも日本の基礎自治体です。なお、移行要件を満たしても、町村から市に移行する義務は特にありません(その逆も同様で、移行後に当該の要件を満たさなくなったとしても、"元に戻る"ことは必要ない)。
市は、原則として人口5万人以上、中心市街地に全戸数の6割がある、商工業その他都市的な業態に従事する従事者と家族が全人口の6割以上などの条件を満たした都市です。
区(市区町村と呼称する場合)は、東京都特別区(東京23区)のことを指します(※ただし、法令改正で道府県内の隣接都市圏人口が200万人以上の場合は特別区の設置が可能)。地位としては基本的には市に準じるものの、一部の行政は「東京都」が担うなど、行政上の権限には違いがあります。
なお、政令指定都市の「区」や、一部の市町村における、実務上の行政区画(あるいは住民自治組織)としての「区」は、「行政区」とよばれ、「市区町村」と呼称したときの「区」には含まないことが一般的です。
町は、都道府県の定める要件(人口(概ね5000人以上~)や連坦(戸数の連なっている)状況、必要な行政施設、産業別の人口割合などを指定)を満たした基礎自治体です。
村は、町となる条件を満たしていない基礎自治体です。
郡は、もと府県と町村の中間にあった地方公共団体でしたが、1926年以降は地理的な区分(住所表記や行政上の区割りなど)に限って使われています。また、都市部と地方部を分ける際に、市部―郡部(町村部)といった分け方をすることもあります。なお、市制施行した場合は、その町村は当該の郡からは外れます。
住所は、「住居表示法」によって市区町村が定める「建物の所在地」のことで、正式名称を「住居表示」と言います。「町名(または字名)+街区符号(番)+住居番号(号)」で示されます。建物がない土地には住所ではなく地番が用いられるほか、農村部など住居表示が施行されていない地域では、住所に地番を用いることがあります(番地で表示)。
地番は、法務局によって土地一筆ごとに割り振られた登記簿上の番号のことです。
番地は、地番に基づいて建物の所在を示す表記です。
町・字は、市区町村の下におかれる区画です。歴史的には、近世からの町など、主として市街地にあるものが「町」、農村部における田畑や山林にあるものが「字」と呼ばれました。また字は、「大字」と「小字」の総称としても用いられます。
町丁は、市区町村の下におかれる町または字のうち、「字」を除くものを指すことばで、法的には「町」です。なお、地域によっては「町」は町人の居住地、「丁」は武士の居住地として使い分けることもあります。
丁目は、市区町村の下におかれる「町」を、共通する地域名で複数設定するときに、数字と合わせて用いる助数詞です。
なお法的には、「〇〇町△丁目、□丁目・・・」としたときには、「〇〇町△丁目」という町の区域(町域)、「〇〇町□丁目」という町の区域・・・という扱いとして、「〇〇町」は、共通する△丁目、□丁目・・・を総合する区域の通称とするケースと、「〇〇町」を町の名称、「△丁目、□丁目・・・」を字とするケースの2種類があります。
大字は、明治期以降、市・町村制を敷いたときに従前の町村名を残したものです(市・町村制施行後に制定されるケースもあり)。概ね、ひとまとまりの地域共同体の単位に相当します。
小字は、字の中でも、さらに細かい集落や耕地などの単位です。
人種(race)は、肌の色、髪の性質、眼の色や形など、同じような身体的特徴を持つ人々の集団です。
民族(ethnicity)は、言語や慣習、宗教や出身(本人や先祖の出身地)など、同じような文化的特徴を持つ人々の集団です。
先祖は、家系や一族など限定的な血族につながる過去の人々をあらわします。
祖先は、ある種族や集団の起源など、より大きな意味で系統における過去の人々・種族をあらわします。
名字は、藤原氏や源氏など、「氏」の中で「家」を区別するために、邸宅の地名や所領地の名前を称号としたものです。なお、名字を名乗った地名を「本貫地」といいます。
身分が固定化する江戸時代からは、血縁(苗)を同じくする一族(血族)をあらわすということで「苗字」が使われるようになりました。したがって、「名字」と「苗字」は語源は異なりますが、同義ということになります。公文書では「苗」の読みが常用外のため「名字」を使用しています。
氏は、ほんらいは血筋や親族の集団をあらわす名称です。地名や職業に由来したり、天皇から賜ったりしました。
姓は、ほんらいは朝廷が氏族や個人に与えた位のことです。
徳川家康の場合は、「従一位(位階/身分の序列をあらわす)・徳川(名字)・次郎三郎(通称)・源(氏)・朝臣(姓)・家康(名前/今でいう本名。実名。名乗。諱。元服のときにつける。通常は口にせず、字や通称を呼び名とした) 」です。
伯父・伯母は、父母の兄・姉のことです。
叔父・叔母は、父母の弟・妹のことです。
小父・小母は、よそのおじさん・おばさんのことです。
「慣習」は、ある社会の中で古くから行われてきたしきたり、行動様式のことを指します。
「慣行」は、慣習として行われる行事・行為・ならわしのことです。
「風習」は、「風俗習慣」の略で、限定された地域での伝統的なしきたりです。
「因習」は、現代社会からみたときに「好ましくない」と判断される、昔ながらの風習を指します。
「習俗」は、比較的狭い地域での昔からのならわし・しきたり・習慣・行事などを指します。
「風俗」は、ある社会の中での生活上の衣食住のありよう(生活様式)や、しきたりのことです。
傾向は、物事の大勢がある特定の方向に傾くさまです。
風潮は、時代の推移に伴い変化する世の中のありさまです。
辞典は、「ことば」を一定の順序に並べ、意味・用法・語源などを説明した書物です。
事典は、「もの」や「ことがら」の内容を説明した書物です。
辞書は、「辞典」とほぼ同義です。「辞書」のほうが古い言葉とされます。ちなみに『○○国語辞典』という名の本は多くあっても、『○○国語辞書』という売られ方は慣習的にあまりないようです。
いずれも「映画」ですが、シネマ(キネマ)はフランス語由来のイギリス英語、ムービーは米英語、フィルムはイギリス英語です。
シネマは「映画館」の意味もあるため映画全般のイメージがあり、ムービーは大衆映画 のニュアンス、フィルムは芸術的・教育的映画(いわゆるお堅い映画)のニュアンスを帯びています。
ちなみに、「ビデオ」は動画全般を指します。
サスペンスは、「推理もの」の作品です。犯人を探したり、謎を解明したりします。
ミステリーは、広義では「推理もの」も含みますが、基本的には最後まで謎が解明されなかったり、不可解な状態で余韻が残るものを指します。
スリラーは、身近な人やものが、主人公にとっての恐怖や脅威になる作品です。
ホラーは、未知の存在のほか、お化け・妖怪・怪物など、身近でない人やものが、主人公にとっての恐怖や脅威になる作品を指します。
これらの作品には、常識の通じない狂人(サイコパス)が出てくる「サイコ」、何らかの力によって死体のまま蘇った人間の出てくる「ゾンビ」、過去のトラウマが残忍な殺人の動機となることを主軸に展開する「スラッシャー」、生々しい殺人シーン描写(特に血しぶきの描写)が特徴的な「スプラッタ」、精神的・感情的な恐怖を喚起させる「サイコロジカルホラー」などのサブジャンルがあります。
お化けは、幽霊や妖怪など、得体の知れない特異な存在の総称です。
幽霊は、死んだ人の霊がこの世に現れた存在です。成仏できずに彷徨う霊魂が、因縁のある人物や場所に、丑三つ時や因縁のある時間帯に、生前の姿で現れるとされます。
妖怪は、人間以外の動物や物が変化した存在で、「物の怪(もののけ)」「魔物」「妖(あやかし)」とも言います。特定の場所に、黄昏時(逢魔が時)に出現することが多いとされます。
怪物は、怪しい存在、特に大きい化け物を指します。
怪獣は、正体が不明な、怪しい生物のことです。
演技は、パフォーマンス全般を指し、見物客の前で芝居や曲芸・体操、歌舞音曲などの技を見せることです。踊りのパフォーマンスが演舞、音楽のそれは演奏、です。
芝居は、役者が演技をすること、また、芸を通じて相手を欺く(疑似的に"その役になって魅せる"のも、一種の欺きです)ことです。
お墨付きは、権威や地位の高い人から授けられた保証のことです。幕府の花押(墨の印)が由来です。
折り紙つきは、品質保証がなされていることです。鑑定書(制作者や産地などを記した奉書の目録)を二つ折りに添えたことが由来です。
刃は、ものを切るための部分のことです。刀、包丁、ハサミ、剃刀などは「刃」の一種です。
刀は、「片刃」のことです。日本刀に代表されるように、片側に刃がついた武器で、反りがあります。
剣は、「諸刃」のことです。両側に刃がついた武器で、直刀です。
また短い剣を、短剣、ナイフ、ダガーなどと言います。一般的にダガーは対人の武器、ナイフは切断具として使われます。
和服は「和の服」で、日本の衣服です。近代以降、西洋の服装(洋服)と区別するためにできた言葉です。
着物はもともと「着るもの」の意味ですが、近代以降は「和服」(日本の民族衣装)の意味で使用されることが多くなりました。
呉服は、古代中国の「呉」から伝来した織物が由来です。江戸時代からは、正絹でつくられた衣服や反物のことを呉服、綿でつくられたものを太物と呼び、それぞれ「呉服屋」「太物屋」がありました。やがて呉服・太物両方を扱うお店が「呉服屋」となり、今では一般的には、和服と同義で使用されます。
和装は、和服姿、また和服を着ていることです。
いずれも「和服」で、かつ浴衣は広義の「着物」の一種ですが、まったく別種の和服です。
着物は、身分の高い女性が十二単の下着として着用していた「小袖」が起源です。平安時代以降、小袖は庶民の表着として着用されるようになります(貴族は、「大袖」を着用)。
江戸時代には現代でも行われているような着物の作法はほぼ定着したとされ、さらに明治以降は洋服文化の浸透によって、和装のフォーマルウェアとして現代に受け継がれています。
浴衣は、平安時代に貴族は蒸し風呂に入る際に着用していた「湯帷子」が起源です。湯帷子は、そのまま部屋着や寝間着としても使用されていたようです。
江戸時代には庶民にも湯帷子が「浴衣」となって、風呂上がりなどに着用する普段使いの着物として普及していきました。
このように出自の異なる着物と浴衣には、着用シーンによっていくつかの違いがあります。
まず時期です。外出用として着用する場合、着物は通年の服装ですが、浴衣は夏に限定されることが多いようです(屋内着の場合はこの例に依らず、温泉旅館など通年で浴衣という場合もある)。
場面でみると、着物は正装や晴れ着としての役割を持ち、結婚式やパーティーなどの慶事のほか、初詣やお宮参り、七五三、入学式や成人式など節目の儀式で着用されることが多い一方、浴衣はお祭りや花火大会など、夏を中心とした行事の外出着として着用されます。
生地や素材も異なります。着物は、素材として絹や木綿、ウールのほか、ポリエステルなどの化学繊維が用いられます。また寒い季節に合わせて厚みがあり、裏地がある着物もあります。一方の浴衣は、木綿や麻、ポリエステルでつくられることが多く、吸収速乾性の高い生地でつくられています。
身に着けるものの違いもあります。着物は、下着として、原則として上半身に肌襦袢、下半身に裾よけ、肌襦袢と着物のあいだに長襦袢を着用します。浴衣は、下に何も着用しないか、または必要に応じて浴衣用の下着を身に着けます。
帯の結び方も異なり、着物は素材によって、袋帯や名古屋帯、半幅帯を使用します。浴衣は半幅帯を使うことが多く、着物と比べて楽に結べることが特徴です。
履物の違いもあります。着物の場合は、足袋を履いた上で、草履を履きます。浴衣の場合は素足で、下駄を履きます。
下駄は、木製の台の底(接地する部分)に歯をつけ、台の上に鼻緒を挿げた履物です。
足駄は、泥濘などを歩きやすいように歯を高くした下駄のことで、「高下駄」や「高歯」とも呼ばれます。
駒下駄は、低い下駄で、台や歯を1本の木材をくり抜いてつくります。
ぽっくりは、こっぽりやおこぼ、「木履」とも言い、多くは黒や朱色の漆塗りで、台の底をくり抜き、後ろを丸くし、前を「前のめり」にした、女の子用の下駄です。
草履は、藁やイグサ、竹の皮などで足底の部分を編み、鼻緒を挿げた履物のことです。足底がゴムの「ゴム草履」もあります。
雪駄は、竹皮草履の裏に、革を張った男性用の履物です。丈夫で、湿気が通らないことが特徴です。
草鞋は、藁やいぐさを足型に編み、紐で足首に結わいつけて固定する履物です。
いずれもイギリス発祥のフットボールが源流のスポーツですが、似て非なるスポーツになっています。
イギリスが発祥の地であるラグビーがアメリカに伝わりアメリカンフットボールとなりました。どちらも楕円のボールを使いますが、ラグビーボールのほうが若干大きいサイズです。ラグビーは半袖半ズボンとショルダーパッドを装着(装着しない場合もある)ですが、アメフトは全身をパッドで覆います。また、ヘルメットやマウスピースが必要です。
ルールについては、ラグビーは15人制、アメフトは11人制です。試合時間はラグビーが80分(40分×2)、アメフトが60分(15分×4)、得点のカウント方法にも違いがあります。
攻撃時のパスは、ラグビーが前パス禁止、アメフトは一度だけ可。守備時のブロック・タックルは、ラグビーはボールを持った選手以外はタックル(コンタクト)禁止、アメフトは誰をブロック(コンタクト)しても反則とはなりません。
DJは「ディスク(レコード)を騎手のように操る人」です。ラジオでDJといった場合は、音楽中心の番組のホスト(司会者)で、トークに重きを置く場合は、「パーソナリティ」を使うことが多いようです。
去年は「今年の前の年」の意味で、どちらかというと口語表現寄りの表現です。「今年」をはさんだ対義語は「来年」です。来年は「今年の次の年」です。
昨年は「今年よりもひとまわり前の年」の意味で、「去年」よりも丁寧 な表現です。ビジネス文書やニュースなどではこちらを使用することが多いです。「今年」をはさんだ対義語は「明年」または「明くる年」で、こちらは「今年の次の年」を表す「来年」の改まった表現です。
ちなみに、今年の2年前について、去年に対しては「おととし」、昨年に対しては「一昨年」を使用します。
前年は「基準となる年の前の年」の意味で、去年や昨年は基準が必ず「今年」となるのに対し、前年は基準となる年が異なる場合があることが大きな違いです。「前年比」など、年次で比較する場合などに多く用いられます。対義語は「翌年」 や「次年」で、「今年」を基準とする場合は「来年」も使います。
翌年は「基準となる次の年」で、文語的表現です。「よくねん」「よくとし」双方の読み方があります。
次年は「その年の次の年」の意です。
旧年は新年の季語で、「新しい年を迎えた際に前の年を表す」言葉です。「旧年中はお世話になりました」という新年の挨拶に使われることが多い言葉です。対義語は「新年」(つまり、今年)となります。
新年は「暦年の新しい年の始め」のことです。
新年は暦年の「新しい年の始め」です。
新春は、「(旧暦で)春のはじまり=新しい年のはじまり=正月」を指す言葉です。
翌日は、「起点の日に対しての、次の日」のことです。
明日は、「今日の次の日」のことです。また、「今日を基準とした、将来」(例、「明日を担う若人たち」など)の意味もあります。
愛は、男女のほか、人や生物に対して慈しみの情を持つことです。
恋や恋愛は、一組の男女(やパートナー間)で、特別に相手のことを思い慕う情を持つことです(恋愛のほうが、恋から愛に近づくというニュアンスが強くなります)。
誕生は、「生まれること」をあらわすもっとも一般的な表現です。
生誕は、特に偉人の誕生について使われる言葉で、人に限定されます。
降誕は、神仏、神聖な人、聖人、君主、高僧、宗教指導者などが、この世に出づることを指します。
出生は、人や動物が生まれることです。人が生まれた土地や家柄、境遇、環境などもあらわします。
「生まれる」は、一般的に「うまれること」全般を指す言葉です。
「産まれる」は、出産によって「母体(母胎)の外に出る」ことをあらわします。
永遠は、時を超えて、「いつまでも果てしなく続くこと」です。
永久は、ある状態が、「いつまでも限りなく続くこと」です。
恒久は、ある状態が永く変わらないことです。
逆・さかさまは、Aを基準(正)としたときに、Bがその順ではないことです。「逆」と比較して、「さかさま」のほうがより具体的なものを指すことが多いです。
反対・あべこべは、一方を基準(正)とせずに、AとBが互いに入れ替わっているさまです。「反対」と比較して、「あべこべ」のほうがより具体的なものを指すことが多いです。
使用はヒト・モノ・場所を純粋に「使う」ことです。本来の目的に使う場合は「使用」をつかいます。例えば「辞書で言葉を調べる」のは「使用」です。
利用はヒト・モノ・場所を、役に立つように使うことです。本来の目的を応用して使う場合は「利用」をつかいます。例えば「辞書を枕にする」のは「利用」です。
活用はヒト・モノ・場所のもつ機能や特性を活かして使うことです。例えば「辞書を読んで気づいたことをまとめてレポートを書いた」などというのは、「活用」でしょう。
使うは、目的をもってヒト・モノ・考え方や手段、方法などを活用することです。
用いるは、用にあてて使うこと、またあるヒト・モノ・考え方や手段、方法などをよいとして使ったり、採用したりすることです。
制作は映画や彫刻などの芸術作品を作ることです。一方の製作は、道具や機械を使って実用的なものを作ったり、量産したりすることです。
よく、映画やアニメで「せいさく」という言葉が出てきます。プロデュース(資金調達、組織化、宣伝)を目的とした集団は「製作委員会」で、実際にアニメを作る会社は「制作会社」であることが多いです。
調整は、不具合をなおしたり、過不足をならたりして、正しい状態にもっていくことです。
調節は、ちょうどいい調子や状態になるように(その状態を保つように)することです。
観賞は「見て楽しむ」の意味で、風景や動植物などを眺めることです。
鑑賞は「見定めて味わう」の意味で、芸術作品などを観ることです。
簡単化するために一部を取り除くことを省略と言います。割愛は、惜しい・もったいないと思うが、必要のためにやむを得ず省いたり、カットしたりすることです。同じ「省く」でも、感情がベースにあるのが割愛、感情と無関係なのが省略、ということになります。
全体の要点を取りまとめたもの、あらましが「概要」です。
大要は、大体のところ、あらましです。また、「大切なところ」「大事な点」という意味もあります。
大意は、大体の意味、おおよその趣旨のことで、「言わんとすること」「要点」です。
詳細は、細部まで詳しいことです。
委細は、詳しい事情のほか、細かいことまですべて、「万事」というニュアンスも持ちます。
促進は、物事の進み方が捗るようにすること、とくにその動きを「速める」ことをニュアンスに含みます。従って、「漸進的に」「徐々に」「ゆっくり」と促進することはできません。
推進は、ある目的を持った事業や計画などの目標達成に向けて進捗をはかること(前進させること、実現させること)です。「物事を前に進める」ニュアンスが強く、そのスピードは(基本的にはあまり)加味されません。
改訂は、書物の誤記を改めて正すことです。
改定は、以前のものを改めて新しく定めることです。法律や規約、運賃・価格などに用います。
改正は、不備な点を改めたり、現状にそぐわない部分を直すことです。「憲法改正」「ダイヤ改正」などがよく使われます。
眺めるは、視野に入ってくるものを見ることです。
見つめるは、視野の中でも特定の対象物に注目して見ることです。
目配りは、「注意して、周囲に目をつけること」です。
目配せは、「目だけを動かして、気持ちを表したり、何かを伝えたり、合図をすること」です。
感情に左右されず、落ち着いているさまが「冷静」、落ち着いていて物事にどう
推定は、ある事実を手掛かりにして、「推し量って決める」ことです。「結論づける」ニュアンスが強いです。
推測は、ある事柄を元にして推量し、見当をつけることです。「考える」ニュアンスが強いです。
推量は、ものごとの状態・程度や他者の心中などを推し量ることです。
推察は、他者に事情や心中を思いやること、推し量ることです。
予測は、事の成り行きや結果について、前もって推し量ることです。客観的なニュアンスです。
予想は、ものごとの成り行きや結果について、前もって見当をつけることです。主観的なニュアンスです。
予期は、前もって期待をすることです。
憶測は、自分勝手に推測すること、「当て推量」のことです。
いずれも複数の事柄のうち、どれか1つを選ぶときに用います。
「または」は、列挙された選択肢の中でどれか1つを選択する場合に使います。いずれの選択肢を選んでも問題がないという許容のニュアンスを帯びています。
「もしくは」は、複数の中からいずれか1つを選び取る場合に使います。選択肢の中でどちらかを決めるというニュアンスを帯びています。
なお、法律用語の場合は、<カテゴリ1:a若しくはb>又は<カテゴリ2:c若しくはd>という形で、大分類に「又は」を、カテゴリ内の小分類に「若しくは」を使用するルールとなっています。
「あるいは」は、二者択一の場合、もしくは二者が両立する場合に使います。「または」と比較すると、いずれの選択肢でも問題がない、というニュアンスは少ないです。
「ないし」は、「あるいは」や「または」というニュアンスも持ちつつ、選択肢のもつ中間的な「幅」を含んだ言葉です。例えば「このプロジェクトは10年ないし20年かかる」といったときは、「10年」と「20年」の「あいだ」を含んだ意味合いになります。
ならびには、前後2つの事柄をつなぎます。
およびは、複数の事柄を並列して挙げるときに使います。
かつは、一方また、という意味で、「Aが成り立つと、Bが同時に成り立つ」ことを表します。
法律用語の場合は、<カテゴリ1:a及びb>並びに<カテゴリ2:c及びd>という形で、大分類に「並びに」を、カテゴリ内の小分類に「及び」を使用するルールとなっています。また、文章Aを踏まえて、文章Bが成立するときに、<文章A>かつ<文章B>となることが多いです。
総合は、様々にあるものを、1つにまとめることです。
統合は、いくつかに分散しているものを、1つにまとめ合わせることです。
物音が(自然と)聞こえてくるときは「聞く」を使いますが、音楽や演説など、身を入れて(積極的に、耳を傾けて、注意深く)聞く場合は「聴く」を使います。
話すは、言葉を声に出して伝えることです。「語る」と対置すると、言葉のキャッチボールがある「会話」や「対話」のニュアンスです。
語るは、物語や考えを、伝えることです。「話す」と対置すると、言葉のキャッチボールを前提としない「スピーチ」や「朗読」「音読」などはこちらの意味合いです。
言うは、言葉に出すことそのものを指します。「告白する」「発声する」「声を出す」「独り言」などは本項の言葉の中では、「言う」のニュアンスが近しい言葉です。
述べるは、考えや意見などを連ねて表すことです。例えば「意見陳述」や「記述」「論述」には、「述」の字を使いますね。
寡黙は、口数が少ないことです。
無口は、おしゃべりが少なく、口数が少ないことです。また、そのような人そのものも表します。
回想は、過去の経験を振り返って思い起こすことです。
追想は、過去を思い出し、偲ぶことです。
追憶は、過ぎ去ったことに思いを馳せることです。
追懐は、過ぎ去ったことを思い出し、懐かしむことです。
触れるとは、物体Aと物体Bが、瞬間的に、ないしは軽くくっつく状態です。
触るとは、「身体の一部分をあるものにくっつける」「何かがくっついたことを認識する・知覚する」ことです。一般的には、「触れる」と比べて、接触の状態がある程度強いさまを表します。
機才は、機微な才能のことです。機才が利く、機才に長ける、などと使います。
鬼才は、人間離れした才能やその持ち主を表します。文壇の鬼才、映画界の鬼才、などと使います。
奇才は、世にもまれな能力や珍しい能力のこと、その持ち主を指します。不世出の奇才、奇才の魔術師などと使います。
専念は、1つのことに熱心に集中することです。
没頭は、1つのことに熱中するあまり、他を顧みないことです。
専心は、1つのことだけに心を集中させることです。
熱中は、1つの物事に深く心を傾けることです。
夢中は、物事に熱中するあまり、我を忘れることです。
没入は、1つのことに心を打ち込むことです。
没我は、物事に熱中して我を忘れ、無私無欲の境地にあることです。
忘我は、夢中になって我を忘れる、心を奪われれ恍惚の域に達していることです。
傾注は、精神や力を、1つの物事に集中することです。
愉快である、心が豊かになる、満ち足りた気持ちになることを「楽しい」と言います。
楽しくて夢中になること、退屈せずに楽しい気持ちになること、心が惹かれ気分が晴れるさまを「面白い」と言います。
「可笑しい」は、奇妙だったり滑稽だったりするものに思わず注目してしまい、興味を惹かれてしまうできごとを指します。
「楽しい」は継続的で、雰囲気や性質などを含んだ概念です。「楽しい空間」「楽しいパーティー」「楽しい人」「楽しい会話」などです。
「嬉しい」は瞬間的で、その時の「受け手の気持ち」を表す言葉です。「嬉しいプレゼント」「嬉しいお話」「嬉しいニュース」「嬉しいできごと」などです。
回答は、相手からの質問や照会に答えることです。一般的には、「唯一の正解」は存在しません(回答者によって、また相手によって答えが変わる場合がほとんどです)。
解答は、試験問題やクイズなど「正解があるもの」を解いて答えることです。
答えるは、呼びかけや質問などに返答することです。
応えるは、誰かの要望や投げかけなど、ある働きかけに応じて報いることです。また、「強く感じる」ときにも使います(「寒さが応える」など)。なお、「寒さに堪える」という場合の「堪える」は、「我慢して耐える」ことです。
決めるは、不確実だったり、未定だったりするものごとをはっきりさせることです。
定めるは、組織や団体、社会の意志で、決定したり、法律や規則などを制定したりすることで、ものごとをはっきりさせ、落ち着かせることです。
「承知」は相手の願いや要望を認めて、引き受けることです。
「了解」は相手の考えや要望を理解し、認めることです。
「了承」は事情が分かったうえで、承知をする(引き受ける)ことです。
「納得」は、相手の言動を理解し、得心することです。
いずれも「間違いなくそうなると判断する」という、話者の気持ち(意志)を表現する言葉です。
必ずは、例外はないという強いニュアンスを帯びており、比較的客観性が高いです。肯定の場合のみ使います。
絶対も、例外はないという強いニュアンスを帯びており、比較的客観性が高いです。肯定・否定の両方に用います。
きっとは、推量を含んだニュアンスで、主観的な意味合いでも用いられます。
判然は、はっきりとわかることです。
歴然は、まぎれもなく、はっきりしているさまです。
原因は、ものごとや状態を引き起こすもとになることです。
要因は、ものごとや状態がそうなった主要な原因です。
要点は、物事の中心、重要な点の意味を持ちます。
要所は、重要な地点・場所のことです。また、大切な箇所という意味もあります。
感情的に自分のイライラ、怒りをぶつけることを「怒る」と言います。
一方の「叱る」は、感情を抑え、相手のためにアドバイスをしたり、注意をしたり、指導したりすることです。
うるさいは、物音が大きすぎて耳障りであること、口やかましいさま、つきまとって邪魔で煩わしいさまです。
騒がしいは、物音が盛んで騒々しいさま、ごたごたしていて平穏でない状態、ことが多くてあわただしいさまです。
やかましいは、物音が大きく、不快であることを指します。
異議は、或る意見に対して、反対や不服であるという意見です。
異論は、他と違った意見です。
異存は、他と異なった考えです。また、反対意見や不服な気持ちのことです。
我慢は、耐え忍ぶこと、堪えることです。
辛抱は、辛いことや苦しいことを我慢し、堪え忍ぶことです。
忍耐は、苦難などを堪えることです。
苦しいは、苦痛である状況を一般的にあらわす言葉です。
辛いは、とくに精神的に苦痛であるさまです。
切ないは、悲しさや恋しさなどで、胸が締め付けられるようなさまです。
やるせないは、思いを晴らすすべがないこと、どうしようもないことをあらわします。
たまらないは、感情を我慢できないこと、その状態を維持できないことを指します。「この上なくよい」というプラスの意味でも用いられます。
悲しいは、「自分が」つらくて切ない、悲嘆にくれるような気持ちです。
哀しいは、「他人」が哀れでかわいそうに思う気持ちです。
せびるは、関わりのある人に無理に要求して手に入れることです。
せがむは、親しい目上の人に何かをしてもらう(何かをくれる)ように要求することです。
ねだるは、親密な関係にある人の好意や愛情を期待して、何かを要求することです。
寝るとは、「身体を横たえること」を指します。必ずしも睡眠状態にあるとは限らない、体位を表す言葉ということです。
一方、眠るとは、基本的には睡眠状態にあることを指します。ふつうは目が閉じていて、活動が休止し、無意識の状態にあることです。
初めは、順序の1番目、最初のことです。
始めは、開始することです。
「開く(あく)」は、閉じていたものの今までくっついていた部分(閉じ目)が離れて、空間が広がる状態です。「あく」ようにすることを「あける」と表現します。閉じているものや覆っている状態を解消して、明るくする(こちら側に見えるようにする)言葉です。
「開く(ひらく)」は、内側から外側へ、閉じていた中の状態を見えるようにするということです。「観音開き」や「アジの開き」「幕を開く」などの用例が分かりやすいでしょう。ちなみに「開ける(ひらける)」は、閉じていたものがあけ放たれることや、視界に妨げがなく(内側から外側を)広々と見渡せる状態を表します。
「あく/あける」は、どちらか一面・一方向へ物が動く(蓋があく、窓をあける、蛇口をあける、など)さまを表すことが多いです。一方の「ひらく」は、「扉がひらく」のように、しばしば、二面以上の遮蔽物が二方向以上に移動して、その閉じ目を分離して「広げる」というニュアンスが強くなります。
ですから、例えば「バッグをあける」というとファスナーを動かしてバッグを普通に開けるような印象を持ちますし、「バッグをひらく」というと手荷物検査などのように、バッグの中身が見えるように大口を開けるようなイメージがあります。
「窓を開ける」というと家の窓を(一方向に)開けて換気をしているようなイメージですし、「窓を開く」というと、マンションなどのフランス窓を(互い違いに)開けてベランダに出入りするようなニュアンスが感じられます。
冒険は、危険な状態になることを承知の上で、敢えて行うこと。成功するか否か定かではないことを、敢えてやってみることです。
探検(探険)は、(危険を冒して)未知の地域に立ち入り、実地で調べることです。
機知は、「その場でとっさにはたらく知恵」のことです。
奇知は、「奇抜で天才的な知恵」です。
機転は、その場に応じた、機微の利いた心のはたらかせかたを指します。
ある場所から所属地や本拠地に行くことを「帰る」と言います。帰宅、帰国、原点回帰などがニュアンスをよく表す典型例です。
「戻る」は、(所属地ではなく、)もとにいた場所に行くことです。「忘れ物」は「家」に取りに「帰」りますが、そのあとは「その場所(例えば学校や会社など)」に「戻」ります。
嘘は、人をだますために使う、事実とは違う言葉です。
ホラは、発信者が嘘と知っていて流す情報で、悪意がないものです。「ほら吹き」の「ほら」と同じで、語源は「法螺貝」から来ています(吹くと見た目以上に大きな音が出ることから、「大げさなことを言う」の意です)。相手を傷つけない嘘、というニュアンスがあります。
ガセは、発信者が嘘だと知らずに(分かっておらずに)流す情報で、結果として嘘であるものです。語源は「お騒がせ」から来ており、噂話等であることないことを話して周囲を騒がせてしまうというところから、相手を巻き込む嘘、というニュアンスです。
デマは、ドイツ語の「デマゴギー」で、相手を(虚偽の情報で)中傷し、悪評を並べ立てたり対象の悪評を招くことです。
「失望」は、期待が外れてがっかりし、希望を持てなくなることです。
「失意」は、望みが適わなかったり、当てが外れたりして、がっかりすることです。
「消滅」は、消えてなくなってしまうことです。
「消去」は、消してなくすことです。
「抹消」は、完全に消してしまうことです。
「消失」は、あるものが自然に消えてしまうことです。
「紛失」は、物が(消えたわけではなく)行方不明になることです。
「遺失」は、物を忘れたり、落としたりすることです。
「喪失」は、「消失」よりも強いニュアンスの言葉で、あるものが消えていってしまうことです。
「散逸」は、文献や書類などがばらばらになってしまったために、その一部を見失ってしまうことです。
流出は、石油や汚水、ガス、土砂、文化財、知識・頭脳・情報などが(外に流れ出て)失われることです。
流失は、橋や家屋、船舶などが水害などによって流され、失われることです。
罹災時の建物被害の程度が、内閣府の「災害の被害認定基準」で定められています。
全壊は、損害判定基準が50%以上、大規模半壊が40%以上50%未満、中規模半壊が30%以上40%未満、半壊が20%以上30%未満、準半壊が10%以上20%未満、準半壊に至らないものが「一部損壊」で10%未満となっています。
苦境は、「苦しい境遇」や「苦しい立場」を指します。
難局は、「困難な局面」や、処理が困難な重大な情勢を指します。
「上る」は一般的な「のぼる」で、下から上へと向かうこと全般を指します。
「登る」は、高いところへ(頑張って/踏ん張って)進むというニュアンスがあります。登山、登坂、登壇などはまさにそのニュアンスを含んだ言葉ですね。
「昇る」は空中に上がる、高いところに上がる、というニュアンスがあります。
「のぼる」は、低いところから上のほうへ進んでいくという継続的な行為を表す言葉です。
「あがる」は、低いところから上のほうへ進んでいった結果(あるいはその瞬間)を表す言葉です。
「降りる」は、乗り物から出ることや、役割から外れることを指します。
「下りる」は、高い位置から低い位置へと移動すること全般を指します。
「下る」は、上のほうから下のほうへ向かって移動するすることを指します。
逃げるは、すでに捕らわれてしまった物事から離れることです。離れる対象が具体物のときに多く使われます。
逃れるは、すでに捕らわれてしまった物事から離れたり、関わりを持たないようにすることです。また、「捕らわれる前に(捕らわれないように)遠ざかったり、関わりを持たないようにする」という意味もあります。対象が抽象的なもの(責任など)に使われることが多いです。
なお、「免れる」は、「捕らわれる前に(捕らわれないように)関わりを持たないようにする」ことです。こちらは、基本的には対象が抽象的なものに限って使われます。
ナイーブは、考え方や感じ方が「素直で、汚れがなく、純粋なさま」です。
デリケートは、「繊細であるさま」です。
センシティブは、「傷つきやすいさま」「過敏なさま」です。
繊細は、「感じやすいこと」です。
肌で表現してみると、ナイーブな肌=自然な肌、デリケートな肌=やわらかい肌、センシティブな肌=敏感肌、繊細な肌=弱い肌、といったニュアンスが近いでしょう。
数や量が多くなることが「増える」です。
「増す」は、数や量のほか、「程度」(状況)といった定性的な概念にも使います。
保有は、形のないもの(資格や権利など)や、一時的に持つもの(株や債券など)を、自分のものとして持っていることを指します。
所持は、一般的には「身につけて持っていること」を指します。法律的には「物を事実上支配している状態」と定義づけられています。
所有は、基本的には形のあるもの(特に財産など、資産性が高いもの)を、自分のものとして持っていることを指します。「所有権」という言葉が分かりやすいでしょうか。
つなぐは、(多くはひも状のもので)ものとものを離れないように留めることです。
結ぶは、ものとものを縛り付けたり、密接に関係づけることで、強く連結させることです。
いずれも、手のひらを人や体の表面に軽く押し当て、何度か動かすことを指します。ちなみに、「する」は、物と物とを強く接触させることで、そのものを変化(変容)させることです。
なでるは、愛情を込めて触るときや、触感を確かめたり、楽しんだりするときに使います。また、動作が1回きりのときにも使います。
さするは、痛みのある箇所を手当し、苦痛を和らげるときに使います。ふつう、動作は複数回にわたります。
こするは、物と物を接触させる時にも使い、その動作は複数回にわたります。
該当は、ある条件や資格に当てはまることです。「する」をつけて動詞化することができます。
当該は、話題になっている事柄に関することで、「その」と同義です。
「片づける」は、「散らかっているものを整理する、その場からなくす」という意味です。また、物事を「終わらせる」「始末をつける」という意味もあります。
「しまう」は、「出していたものを元の場所に収める」という意味です。また、これまで続いていた物事を「終わりにする」という意味もあります。
「乾かす」は、水分や湿気を取り除くことです。
「干す」は、乾かすために、日光や風、火気にあてることです。
「乾燥させる」は、あるものに含まれている水分をなくすために、乾かしたり、干したりすることです。
「隣」は、同種のもので一番近くにあるものを指します。使用例としては「隣の駅」「隣町」「隣人」「隣国」などが挙げられます (なお、「隣の駅」といったときは、「駅」がその駅の隣にあることを、「駅の隣」といったときは、ある「建造物」がその駅の隣にあることを指します。「隣」は、水平概念の「横」とは異なり(対義語として垂直概念の「縦」がある)、360度方向の概念です。
「横」は、その種類に関係なく、水平上に、物理的に接しているもののことです。使用例としては「私の横の建物」「木の横にいる人」「あの車の横の道」などが挙げられます。
「そば(側、傍)」は、距離を重視した概念で、余り間を置かず、(途中に何か別のものがあることや、方向とは無関係に)すぐ近くにあることを指します。使用例としては、「駅のすぐそば」「そばの通り」「そばにいる」などが挙げられます。
縦は、垂直(上下)や前後、南北の方向です。地図では緯度です。
横は、水平や左右、東西の方向です。地図では経度です。
長さは、二点間の距離です。
寸法は、サイズです。「基準」または基準となるものの長短の定量的な度合いを指します。
長さは、ある二点間の距離全般を指します。
幅は、あるものの横の端から端までの距離、差し渡しのことです。また、細長いものがあるときは、その長辺側を「長さ」、短辺側を「幅」と呼びます。ただし、短辺でない側を「幅」と呼ぶとき(例えば机は横側を「幅」、縦側を「奥行き」と表現する)もありますので、方向を区別するために「縦幅」「横幅」といった表現をすることもあります。
いずれも、「外からの力に対する抵抗力が大きく、簡単に形を崩さない」というニュアンスをあらわします。
固いは、一般的に広く用いられる用法です。狭義では、「内部の結びつきが強く、外からの力に破られにくい揺るがない性質」をあらわします。対義語は「ゆるい」です。
硬いは、「外からの力に強い」とか「強張っている」といった意味合いが強い言葉です。物質そのものや、感触、性質のかたさについて説明する場合に使われることが多いです。対義語は「やわらかい」です。
堅いは、「中身が詰まっている」とか「確実である」という意味合いです。対義語は「もろい」です。
基準は、物事やルールの基礎や基盤となる拠り所の方向のことで、規格やルールなどで使われることが多いです。「基準面」「基準点」「基準コース」などの表現があります。
一方の標準は、例えば統計やマーケティングにおいて、平均化したり、一般化したり、代表させたり、ペルソナを設定したりするときに設定される基準のことです。「標準家庭」とか、「標準サイズ」「標準価格」などの表現があります。
水準は、物事の質や価値、機能性などをはかる一定レベルの標準のことを指します。「生活水準」「教育水準」「健康水準」「経済水準」などのように、あるものの置かれている相対的な位置を評価するときに使われます。
絶対は、他の何かとの関係性や比較とは無関係に成り立つさまです。
相対は、他の何かとの関係性や比較の上で成り立つさまです。
基礎は、物事を成り立たせるきわめて基本的で、おおもとの部分のことです。 学問においては、ものごとを理解するための基本的な知識・技術のことを指します(「基礎」学力といいますね)。
基盤は、物事を成立させる基礎や土台、根幹となる部分のことです。 ちなみに土台は、建物を支える下部構造のことを指しますが、ものごとを支える基本要素とか、基本部分といった意味も持ちます。
基本は、判断や行動、様式や方法の拠り所となるおおもとのことです。
様式は、表現の方法や仕方などのことで、流儀とか、スタイルなどと近い言葉です。
仕様は、何かを作るために必要な方法のことで、手順や手続き、規格やマニュアル、方式などと近いです。
方法は、物事のやり方の中で、特に目的を実現するための手段や仕方のことです。メソッドなどと近いです。
手法は、表現技法(スキル)のことで、特に芸術・文化的な作品を作る方法や技法のことを指します。
手段は、あることを実現するためにとる方法です。「生産手段」「強硬手段」など、しばしば、実現するために使う何か(原料や道具など)を指します。
手立ては、「やり方」のことです。
形は、外見の恰好や姿、輪郭・かたちのことで、フォームです。
型は、一定のきまった大きさや形態、形式、規格、やり方、性質などを指します。手本・見本、パターン・タイプです。
形式は、ある内容を表すために整える形のことです。
型式は、乗り物の構造や外形によって分類される型のことです。ある年ごとに開発された型のことを「年式」と言います。
様式は、文書や芸術などで、時代や組織、個人や流派などに特有のある定まったやり方や方法のことです。
原形は、もともとの形のことです。
原型は、制作物のもととなる型のことです。鋳型、ひな型、テンプレートなどです。
一般的にはどちらも同義として(例えば「テンプレート」や「モデル」の語義で)用いられますが、厳密には「形」と「型」の違いに基づいて使用します。
雛形は、実物を模ってつくった「模型」、モデルです。
雛型は、形式や様式・書式を示す、見本、テンプレートです。
定形は、一定の形を指します。「定形外郵便」などが代表的な用例です。
定型は、決まった型を指します。「定型業務」とか、「定型詩」などと使います。
足形は、足跡のことです。
足型は、(足に合わせた)靴の型のことです。
髪形は、髪の形状(長い髪、短い髪など)です。
髪型は、ポニーテールや三つ編み、高島田などヘアースタイルを指します。
歯形は、歯の噛み跡のことです。
歯型は、入歯や銀歯を作るときの、「歯の型」です。
途端は、何かが行われた瞬間とそのすぐ後のことを指します。
瞬間は、非常に短い時間(できごとの起こった一瞬)を指します。
瞬間は、「(何かをしている)ちょうどその時、ごくわずかの時間」です。
一瞬は、瞬きするほどのきわめてわずかな時間のことです。
瞬時は、瞬く間のことです。一瞬と比して文語的表現です。
瞬間は、一瞬や瞬時よりも短い時間を含んだニュアンスです。
刹那は、もと仏教語で、時間の最小単位です。極めて短い時間をあらわします。
咄嗟は、(ある事態に対処する心構えもできないくらい)ごくわずかな時間のことです。
束の間は、わずかな時間、ちょっとの時間のことです。「一束」は、指4本の幅のことを指すことから、ごく短い時間というニュアンスがあります。
間は、「次の事態」が生じるまでの、またはその状態が続いているあいだの時間のことです。
合間は、ある連続した行為と行為の切れ目にあたる時間です。
全体は、1つ1つのものをすべてまとめて、大きな1つのかたまりとりして捉えたものです。対義語は「部分」です。
総体は、ものごとを総合した全体のありよう、そのもの全体をあらわす文語的表現です。
総合は、個々別々のものを一つに合わせてまとめることです。
全部は、1つ1つのものを活かした状態で、それらのものをすべて寄せ集めたものです。対義語は「一部」です。
全般は、ものごとのすみからすみまで全体に行き渡っているさまです。
突然とは、予期しないことがだしぬけに、急に起こるさまです。
突如は、何の前触れもなく、だしぬけに物事が起こるさまです。
不意は、思いがけないことに驚き、当惑することです。
好意は、親切心や親愛の情です。
厚意は、他者からの思いやりのことです。
親切は、相手の身になり、思いやりをもってその人のために何かをすることです。
薄情は、人情に薄く、思いやりの気持ちがないことです。
冷淡は、淡白なことで、同情や親切心があらわれない状態です。
ヒアリングは自然に聞こえてくる、耳にすることです。「ヒアリングテスト」といったときは、ふつう聴力検査を指します。ただし、公聴会や「関係者へのヒアリング」といったときのヒアリングのように「しっかり聞く」という意味合いも含みます。つまり、「音声を、事実として そのまま聞く」ということです。
リスニングは意識して聞き取る(内容を解釈する)ことです。「リスニングテスト」は、英文を聞き取るテストです。つまり、「音声を自分で理解して(身を入れて 、解釈しながら)聴く」ということです。
アクセントは、単語レベルの音の高低です。
イントネーションは、文章全体の高低の調子を指します。
あふれるは、「その場でいっぱいになって、入りきれずに外に出ること」です。
こぼれるは、「容器からあふれたり、漏れたりして中にあったものが外に出てしまうこと」です。
ちなみに「あぶれる」は、「所定の枠に入れずにはみ出してしまうこと」です。
視線は、目の向きや、見ている方向のことです。
目線は、もともとは映画や演劇世界で、演技者が目を向ける方向のことを指す業界用語でしたが(「カメラ目線」など)、今では「視線」と同義のほか、「ものを見る立場」(視点や観点)を表す言葉としても俗用されています。一説には、「上から目線」(2008年ごろ)が一般に使われるようになった代表的な用例とされています。
「驚く」とは、意外なことに出くわして、心に衝撃を感じることです。
「びっくり(吃驚)」とは、突然のことや意外なことに触れて、瞬間的に(一瞬に)驚きを感じることです。
気分は内側にあって外から判別できないある人の心の状態です。
機嫌は外から判別できるある人の心の状態です。
信用は、相手の実績や成果を評価して確かさを認めることです。過去の在り様がベースになっている客観視点のことばです。
信頼は、(多くは信用の積み重ねをベースに)、相手のこれからの行動に期待して、ものごとを任せたりすることを是とし、頼りにすることです。未来への期待を含んだ、主観的なことばです。
趣味は、仕事や職業としてではなく、個人が楽しみとしていることです。また、美しさや面白さを感じるその人の感覚や好みの傾向のことです。
嗜好は、あるもの・ことを特に好んで、それに親しみ、嗜むことです。特に飲食物について使います。
好みは、個人的に好むもの、主観的な好みの傾向を指します。
趣向は、物事に工夫を加えたり、アイデアを凝らすこと、またその工夫やアイデア自体を指す言葉です。
質(しつ)は、そのものの良否や粗密さ、傾向などをさだめる実際の内容のことです。
質(たち)は、生まれつき持っている性質・体質・資質を指します。
性質は、事物が本来具備している特徴、個々の特徴・良し悪しのことです。また、もって生まれた気質、人となり、質(たち)のことです。
性格は、ある事物に際立ってみられる傾向のことです。また、その人の行動面にあらわれる、固有の感情や意思の傾向のことです。
素質は、生まれつき持っている性質のことです。
資質は、生まれつきの性質や才能です。
資性は、生まれつきの性質や能力です。
天性は、天から授けられた(生まれ持った)性質です。
天資は、生まれつきの資質です。
天稟は、生まれつきの才能です。
性質は、その事物に本来備わっている特徴のことです。
性情は、性質と心情、「気立て」のことです。
性状は、人の性質・行状、ものの性質や状態を表します。
特徴は、他と比べて特に目立つ点です。良い場合も悪い場合にも使います。
特長は、「特別の長所」です。他よりも特にすぐれている点(特徴)のことで、良い場合にのみ使います。
景色は、自然を鑑賞対象とした眺めです。
風景は、自然や人工物など目に映るものを対象とした眺めです。眺めを鑑賞する場合に使用することが多いです。
景観は、地理学や社会学などで使用されることの多い用語で、日常生活における風景・情景を指します。多くは人間や生活そのものが概念として含まれます。しばしば、自然を対象とする自然景観、都市を対象とする都市景観、人間の営みを対象とする文化景観などの細分類もなされます。
光景は、目の前に広がる眺めです。鑑賞を目的としない場合でも使用します。
情景は、心で味わう景色や風景、場面などを表します。
ある素材を製造する際、素材のもとの形や性質が残っているものを「材料」、残っていないものを「原料」といいます。
ちりは、目で見てそのものを判別できるサイズのゴミ・クズ・カスです。
ほこりは、糸くずや砂ぼこりの小さな砂など目で見てもそのものを判別することが難しいサイズのゴミ・クズ・カスです。
小さい数を、漢字では「分、厘、毛、糸、忽、微、繊、沙、塵(じん)、埃(あい)、渺、漠、模糊」と書きます。「塵」は10億分の1、「埃」は100億分の1ということですね。
ごみは、不要なもの全般を指します。
くずは、物のかけらや切れ端、良い部分を使った残り物のことです。
かすは、必要な部分を取り去った不要なもの、底にたまったおりなどを指します。
仕組みは、物事の組み立てや構造全体のことを指します(あるものが成り立つための方法・手順・組み立て)。英語では、機械の仕組みはストラクチャー(structure)、制度や物事の仕組みはシステム(system)と呼びます。
構造は、ある1つのものを作り上げている部分の組み合わせでできたものを指します(あるものが成り立っている組織や形態)。クルマの構造、住宅の構造といった物質的なものだけでなく、社会の構造や頭の構造といった観念的なものにも使えます。
組織は、ある目的を達成するために、いくつかのものや、人々(集団)でかたちづくられる、秩序だった全体のことです。ある全体としてのまとまりをつくることや、その組み立て方自体も指します。
集団は、単に「人々やものの集まり」を指す言葉です。
構成は、いくつかの要素を組み合わせて、1つのまとまりに組み立てることです。「文章の構成」「物語の構成」「家族構成」などが当たります。
組成は、いくつかの要素・成分によって組み立てること、また組み立てられたものを指すことばです。要素の1まとまりすべてを指す場合(指せる場合)は「構成」、いくつかの要素だけを指す場合(すべての要素が自明ではない場合を含む)は「組成」が使われます。
機関はある目的を達する手段として設けられた組織のことで、英語でAgencyです。「代理店」「代理業」の意味から、独立して役務を提供する集団、というニュアンスがあります。
機構は会社や団体などの組織体のことで、英語でOrganizationです。体系だった「組織集団」そのもの、というニュアンスがあります。
「あちら」は、話し手と聞き手から離れた方向や物を指します。
「そちら」は、聞き手に近い方向や物を指します。
「こちら」は、話し手に近い方向や物を指します。
実物は、実際の物体のことです。
本物は、偽物ではないことです。
案外は「思いのほか」で、予想が外れること、また思いがけないことです。
意外は考えていた状態と非常に違っていることです。
ゆがみもひずみも「歪み」と書きます。
ゆがみは、曲がっていることを表します。
ひずみは、曲がっていること(ゆがみ)によって現れた悪い影響を表します。
東京湾の平均海面0mを基準面とし、基準面からの高さを「標高」、近隣の海面からの高さを「海抜」と呼びます。
「丸い」は球形で立体的にまるい場合に用いられます。「角がない」という意味も持っています。
「円い」は円形で平面的にまるい場合に用いられます。
平等は、偏りや差別がなく、等しいことです。
公平は、すべてのものを、偏りなく同じように扱うことです。
公正は、公平で偏っていないこと、またそのさまです。
同等は、程度や等級などが同じこと、同値であるさまです。
均等は、物事の間が互いに等しく、差がないことです。
影は「ものの形」や「光を遮ることでできる黒い形」のことを指します。
陰は「光が当たらないところ」「隠れて見えない」という意味です。
「小さい」はあるものの数量や度合いが少ないことです。
「細かい」は或るまとまりの中の1つ1つが小さいことです。
すなわち、「小さい」ものがたくさんあるさまが「細かい」です。
寒いは、「暑い」の対義語で、気温が低いことです。なお、「懐が寒い」といったときの対義語は、「懐が温かい」になります。
冷たいは、「熱い」の対義語で、身体や心の感触にとって、そのものの温度が低いことを指します。なお、「冷たい人」といったときの対義語は、「温かい人」(または「熱い人」)になります。
暖かいは、寒くも厚くもない、過ごしやすい気象や気温を指します。「涼しい」や「寒い」の対義語です。
温かいは、冷たくも熱くもない、程よい温度の状態を指します。「冷たい」の対義語です。
暑いは、「寒い」の対義語で、気温が高いことです。
熱いは、「冷たい」の対義語で、温度が高いことです。
鎮圧は、武力によって戦乱や暴動などを鎮めることです。火災の場合は、消火活動によって火災の勢いが弱くなり、火の勢いを消防隊がコントロールできている状態で、これ以上の延焼拡大がないと、現場指揮官によって判断された状態です。まだ火がくすぶっている状態であり、消防による消火活動は続けられます。
鎮火は、再燃のおそれがないと現場指揮官によって判断され、消防隊による消火活動が必要でなくなった状態です。火災が消火された状態であり、消防による消火活動は終了します。
消火は、火や火事を消すことです。「消火活動」は、鎮圧→鎮火の経緯をたどります。
消防は、火事を消し、燃え広がるのを防ぐことです。
限度は、許容できる範囲内での最大許容点のことです。限度を超えても、そのもの自体が破滅することはなく、若干の余裕があります。
限界は、可能性の最大限のことです。したがって限界を超えると、そのもの自体が破滅します。
極限は、限界を強調したことばです。
意思は、もとの考えや気持ちのことです。
意志は、成し遂げようとする心や意欲のことです。
体制は、「政治体制」「社会体制」「組織体制」など、統一的で、持続的・恒久的な組織や制度のことを指します。
態勢は、一時的な対応や身構えのことです。「受け入れ態勢」「着陸態勢」「態勢固め」などが挙げられます。
いずれも何に前触れもなく、物事が起こるさまを表す言葉です。
「急に」は、ある物事のプロセス(流れ)に着目して、その進行過程の中で、発生前後との差が大きいできごとを指します。
「突然」は、状況の発生そのものに着目し、そのできごとの瞬間を指した言葉であって、物事の発生前後との断絶が大きいできごとを指します。
「いきなり」は、想定される手順やプロセスを踏まず、次のステップが現れてしまった場合に使います。
とうとう(到頭)は、ある望んでいた実現状態が、長時間のできごとを経て、実現した(あるいは実現しなかった)結果を表します。
やっとは、ある望んでいた実現状態が、長時間の艱難辛苦を経て実現すること、あるいはあることが何とか(どうにかこうにか、かろうじて)実現しているさまを指します。
ついに(遂に/終に/竟に)は、ある実現状態を望むイメージの有無に関係なく、長時間を経過して、あるものごとが最終的に到達した状態を表します。
ようやくは、長く待ち望んでいた実現状態が、長時間をかけて、最終的に実現するさまです。
「ごと」と「おき」「たび」は、いずれも繰り返すできごとに対して使う言葉です。
「ごと」と「おき」は、特に周期的に発生するものごとに対して使われます。
「ごと」は、「(何かあるたびに)毎回・毎度・セットで」という意味です。発生するものごとの時間軸や距離軸を「点」で表しており、時間軸では例えば「1年ごとに開催」といった場合は「毎年開催」という意味になります。また 距離軸では「グループごと」「地域ごと」という表現などがありますね。
「おき」は、「一定の周期で定期的に起こることやものごとの間隔」を指します。発生するものごとの時間軸や距離軸の「間」を表しており、例えば「1年おきに開催」と言った場合は、「2年に1回開催」という意味になります。また「1人おきに座る」といえば、「1人分ずつ間を開けて座る」ということになります。
「たび」は、しばしば周期性には着目せずに、「その時や状況がおとずれたらいつも」という意味です。「~する度に」や「~の度に」というように、動詞や名詞の頻度を説明する目的で使われることが多く、「量」を表す言葉と直接接続することはありません。
「ほとんど」は、あらましのところをさし、「すべて」とは言わないものの、それに近い程度を指します。
「大半」は、もともと半分より多いさま、過半数のことを指しますが、転じて「大部分」を指します。
「大部分」は、半分以上の部分、大きな部分、ほとんど全部、大部といった意味です。
「大部」は、大部分のことです。
「かなり」は、程度が通常よりも勝っている状態を指します。
「相当」は、かなりの程度であるさまです(また、程度や地位相応のことも「相当」で表します)。
「ほぼ」は、大方、おおよそ、だいたいといった意味です。100%に近いニュアンスがあります。
「概ね」は、全体ではないもののそのものの大部分であるさまをあらわします。「ほぼ」よりもやや割合は低い(8割~9割程度)ニュアンスです。
「だいたい」は、おおよそすべて、ほとんどを占めている、概ねといった意味です。想定していた度合いや値に近いさまも指します。
「おおよそ」は、全体をざっと捉えた時のだいたいの見当のことです。大要、大雑把に掴む、だいたいのところ、といったニュアンスです。
「大方」は、あらかた、ほとんど、だいたいのところ、大部分といった意味です。
「あらかた」は、ほとんど全部、おおかた、だいたいといった意味です。
可能性は、未来において、ある物事が実現する「見込み」です。ある事象が起こることが「可能な状態」を表します。
蓋然性は、未来において、ある物事が現実化する「確実性の度合い」です。蓋然性を数値化したものが、「確率」です。
見込みは、「将来こうなる」という確信を込めた結果の推測です。
見通しは、現状から未来へのプロセスの想定も含めて、確信を込めた結果の推測です。
将来と未来は、どちらも「現在よりも時間的に先のこと」を表す言葉です。
将来は、主観的で、比較的近いスパンの時間軸の表現です。
未来は、客観的で、比較的長いスパンの時間軸の表現です。
今後は、「今から先」、「以後」、「向後(これからのち)」、「自今(今からのち)」です。
前途は、(これから)行く先の意味で、時間表現においては「将来」や「行く末」「末々」などと同義に使われます。
珍事は、「珍しい出来事」です。
椿事は、「思いがけない重大なできごと」です。
準備は、体制や環境など必要なものを揃え、大まかな計画をすることです。長期的な意味合いでも使われます。
用意は、前もって必要なものを揃えることを意味し、準備よりもより具体的な状態です。準備よりも物事に対しては時間のスパンが短いです。
支度は、食事・服装・持ち物などで用い、具体的な行動にすぐ取り掛かれることを指します。より短期間のニュアンスを持つ言葉で、この中ではもっとも口語的な表現でもあります。
計画は、ある物事を行うために、予め手順や方法などを考えることです。
企画は、「計画を立てること」を指します。
目論見は、「計画」と同義ですが、しばしば密かに・こっそりと何かを計画するときにも使われる言葉です。
企みは、相手を嵌めようと悪いことを計画することです。
企ては、何かをするために計画し、かつ、着手することです。実行行為を準備することを指し、法律用語での「予備」と同義です。
重宝は、便利で役に立つことです。
便利は、ある目的を果たすのに都合がよいこと、役立つことです。
利便は、都合の良いことです。
木材は、材料や原料として用いるために原木を切り出した木の材料のことです。
材木は、建築物や製品の材料として製材された、木の用材のことです。
「赤」は、もっとも一般的な、赤系統の色を表します。
「紅」は、鮮やかな赤い色です。赤系統の色の鮮やかさを強調するときに使います(紅葉、口紅など)。
「朱」は、黄ばみのある赤です。漆塗りの器の色が「朱色」です。
「緑」は、もっとも一般的な、緑系統の総称です。
「碧」は、青緑色です。
「翠」は、カワセミのメスの羽の色です。
「青」は、もっとも一般的な、青系統の総称です。本来は白や黒、緑系統の色も含む言葉として使われてきました。「青信号」や「青い黒髪」といった表現にその名残があります。
「蒼」は、緑や、灰色などの寒々とした色味を指すことばです。例えば「草木が鬱蒼と茂る森」、「顔面蒼白」、天候の悪い日の寒々とした海を表す「蒼い海」などです。
「碧」は、青緑色です。
「藍」は、ジャパンブルーとも呼ばれる藍に由来する色で、わずかに緑がかった青色です。中国語圏では青色のことを「藍色」と表し、日本の藍色は「靛藍色」です。
別々のものを一緒にしたときに、元のものが区別できない状態になるものを「混ぜる」、それぞれの要素を区別できるものを「交ぜる」と呼びます。
「混」の字を使った場合は、どちらも別々のものが一緒になって、元のものが区別できない状態になることです。「交」の字を使った場合が、それぞれの要素を区別できる状態です。「雑」の字を使うときは、「異なるもの同士が一緒になっている」ニュアンスが強い言葉ですが、常用外であることから、「混」と同義でも使われます。
まじるは、大枠のものに、少量の異質なものが入り込んでいる状態です。「容器にカビのにおいが混じる」(区別できない)、「大人のレースに選抜された数名の子どもが交じって参加する」(区別できる)、「薬品に異物が雑じる」などと使います。
まざるは、複数のもの同士が均等に(性質を等しくして)存在している状態です。「複数の絵の具が混ざる」(区別できない)、「敷いた砂利に雑草が交じっている」(区別できる)、「この植物には別の種類の性質が雑ざっている」などと使います。
絞るはねじって中の成分を出す・狭める・少なくする、また厳しくするという意味で、「ぞうきんを絞る」「音量を絞る」「声を絞る」「レンズを絞る」「人数を絞る」「強く絞られる」「油を絞る」など一般的に使われます。
搾るは押しつぶすなど何らかの圧力をかけて中の成分を押し出すという意味で使われます。「搾乳」「搾取」などのほか、「植物油を搾る」「レモンを搾る」「お金を搾りだす」などの用法があります。
おざなり(御座形)は、いいかげんに物事をすること、その場逃れ、投げやり、間に合わせなどの意味です。
なおざり(等閑)は、深く心にとめない、本気でない、通り一遍、仮初、いいかげんに放っておくなどの意味です。
おざなりは、対応はするがそれがいい加減なさま、なおざりは、対応もそこそこにいい加減に放置しておく、という意味合いです。「困っている部下に適当に声をかける」のがおざなり、「困っている部下に気づいたが放っておいた」のがなおざり、というイメージです。
直ちには、即時に、ということです。「どんなことがあっても遅れてはならない」という強制性のニュアンスがもっとも強いです。
すぐには、時間を置かずに、間を置かず、ということです。
速やかには、可能な限り早く(as soon as possible)ということです。
遅滞なくは、事情の許す限りは早く、ということです。合理的な理由がある場合は、若干の遅れは許容され得るニュアンス(すなわち、「なるべく早く」という意味合い)を含みます。
期待する状況に対して必要な要素は、「ば」でつなぎます。「明日になれば、熱も下がるでしょう」などと使います。
「たら」は、動作やできごとの起こる順番を順接で示します。「明日になったら、運動会がある」などと使います。
たくさんは、あるものが山ほど豊かにあることや、十分すぎるほどの量あることを指します。どちらかというと加算名詞に使われます。
いっぱいは、あるものが溢れそうなほど多くあることや、限界になるほどたくさんあるさまを指します。どちらかというと不可算名詞に使われます。
重いは、客観的に重さがあることを表します。
重たいは、主観的に「重さ」を感じていることを指します。
人から行為を受けて、感謝の念を抱く状態が「~てくれる」です。
人に行為を頼んで、その行為を受けたときに感謝の念を抱く状態が「~てもらう」です。
いずれもものごとをある事柄や範囲のあいだに限定する副詞です。
だけは、「それ以外はないさま」を表します。「だけ」は口語的で、「のみ」は「だけ」の改まった表現です。
ばかりは、「頻度が多いさま」を表します。しばしば、ニュアンスとして悪癖の頻度が多いことへの警句の前置き(過ぎたるは猶及ばざるが如し)として使用されることが多いです。
しかは、必ず文末に「~ない」を伴い、「それ以外はない(ことを示すことを通じて、他の事象を否定する)」ことを示した表現です。「しか」に対しては「ほか」や「以外」も同義で、必ず文末に「~ない」を伴います。
までは、「ある範囲内に限定する」意味です。
「いつも」は「どんな場合でも」「普段」という意味の口語です。
「常に」は「どんな時でも」「変わることなく」「絶えず」という意味の、文語です。
「絶えず」は、途切れることなく、ひっきりなしに、のべつ、間断なく、引き続いて行われているさまです。
「しょっちゅう」「始終」は、「(日常的に)頻繁に行われること」で、「いつも」や「常に」とニュアンスは近いですが、「いつも」や「常に」のほうが、「ほぼ例外なく」や「必ずと言ってよいほど」という含意があります。
「常々」は、以前からずっとその状態が続いているさまを表します。
「終始」は、ある期間、ずっとその状態が続いているさまです。
門外漢は、ある事象の専門家ではない人、もしくは直接関係のない人のことを指します。
畑違いは、専門分野ではないこと、扱う範囲が異なる状況や関係性であることを指します。
ミスは、うまくできなかったり、うまくかみ合わなかったりして失敗することです。
エラーは、誤りのことです。また、特にスポーツやコンピュータの操作において、理想の(あるべき)状態の通りにできなかった失敗や失策を指します。
手落ちは、不注意によって、本来やるべきことに不足が生じたり、欠点があったりすることです。
手抜かりは、事前の想定や配慮が不十分なことにより、不完全な事象が起こることです。
ポカは、思いがけずやってしまった失敗のことです。
ドジは、間抜けな失敗や、間抜けな失敗をしてしまう性質を指します。
へまは、間抜けな失敗行為そのもののほか、気の利かないことです。
ビッグ(big)は存在やサイズ、規模の大きさを主観的に指す言葉です。形がないものに対しても使えます。
ラージ(large)は「平均よりも大きい」など、ビッグとは対照的に、客観的に大きいものを表します。
ちなみにhugeは、「巨大」「大量」「莫大」のように大きさを強調するときに使います。
リトル(little)はサイズや小ささを、主観的に指す言葉です。
スモール(small)は「平均よりも小さい」など、リトルとは対照的に、物の小ささを客観的に表すことばです。金額や量・数などの小ささを表すときにも使います。
ミニ(mini)は「小型の」とか、「とても小さい」という意味の英語です。「ミニチュア」ともいうように、「縮小された」というニュアンスが強いです。
プチ(petit)も「小型の」とか「とても小さい」という意味のフランス語ですが、こちらは「少ししかない」といった、機能や量の「少なさ」を強調するニュアンスがあります(「ミニ情報」は「ちょっとした情報」ですが、「プチ情報」というと「情報を少しだけ」という意味合いが強くなります)。
キュートは、「小さい」「幼い(若い)」「愛らしい」という意味です。日本語で言う「かわいい」に近いニュアンスです。
プリティは、「美しい」とか「きれいな(見た目がよい)」といった意味です。キュートよりも「美しさ」が加味されたイメージの言葉です。
センターは、「中心」を指し、正確に「真ん中」であることを指します。
ミドルは、場所、時期や期間の途中など「だいたい真ん中の位置」であることをざっくりとあらわす言葉です。
いずれも、文の後半に至る原因や理由を表す接続助詞です。
「ので」は客観的な原因や理由を表します。
「から」は主観的な原因や理由を表します。主観なので、未確定の事項を述べるときにも使います。
「ため」は、原因や理由を表す、「から」や「ので」よりもより丁寧な表現です。
機能が役に立つことを「利く」、効き目や効果があることを「効く」と表します。
変えるは、あるものごとの状態を、それまでとは違うものにすることです(形状を変える、話題を変える、イメージを変えるなど)。変化、変更。
代えるは、Aを、Bと同じ役割にすることです(今回だけ主人公の声優を代える、当選発表を発送に代える、今日だけ朝食をパンに代えるなど)。代理、交代。
替えるは、Aをやめて、新しくBにすることです(切れた電球を替える、商売を替える、主役を替えるなど)。代替。チェンジ。
換えるは、Aを(同じか同等の)Bに取り換えることです(お金に換える、空気を換える、白熱電球をLEDに換えるなど)。交換。リプレース。
入れ替えるは、今あるものを取り除き、空いた部分に別のものを入れることです。「守備の配置を入れ替える」「赤と青の電球を入れ替える」など、「取り除いたものを(別の場所で)再利用する」ニュアンスが強いです。
入れ換えるは、今あるものを排除し、空いた部分に同種の新しいものを入れることです。「部屋の空気を入れ換える」「心を入れ換える」など、排除したものを再利用しない場合に使います。
取り替えるは、今あるものを取り除き、新しいものにすることです。「財布を取り替える」「切れた電球を取り替える」などと使います。
取り換えるは、今あるものの使用をやめて、同じか同等のものにすることです。「破損した紙幣を取り換える」「社用車の駐車位置を取り換える」などです。
切り替えるは、今の状態から、違うものや性質をもった状態に変更することです。「スイッチを切り替える」「気持ちを切り替える」などです。
切り換えるは、今のものを、同じか同等のものに変更することです。「サーバーを切り換える」「回線を切り換える」「ギアを切り換える」などです。
置き替える(置き換える)は、ものをどかして、他のものをそのあとに置くことです。新しく置かれる「もの」を主体にした表現です。
「替える」「換える」それぞれのニュアンスからすると、新しくまったく別のものを置くときは「居間にある掛け軸を額絵に置き替える」、のように「替える」を、同等・同種のものにするときは「古いHDDを、新しいHDDに置き換える」というように「換える」を使うことが多いでしょうか。
一方の入れ換える・入れ替えるは、前と新しくおかれるもの両方にフォーカスを当てた表現です。
大病は、最新医学でも完治させることが難しい重い病気のことです。
重病は、命の危険があり、治る見込みがない重い病気のことです。
はくはつは、頭髪全体が白い(白っぽい)ことです。
しらがは、白くなった髪の毛1本、その部分を指します。
銀髪は、「はくはつ」の美称です。
足はひざ下または足首から下を指します。
脚はももから下を指します。
いずれも(足を)速く動かして移動することをあらわします。
走るは、人や動物の移動を直接表現するほか、ものの例えにも使われます(悪事に走る、痛みが走る、線路沿いに走る、筆が走る、など)。
駆ける(駈ける)は、口語的表現で、人や動物の移動を直接表現します。
ダッシュは、速く走ることです。
目は、視覚器官すべて(瞼や目頭・目尻の部分も含む)を指します。
眼は、眼球のことです。眼球の機能を矯正するから「眼鏡」です。
瞳は、眼球の中の「瞳孔(黒目)」の部分です。
羽は、鳥類の翼や昆虫の翅のことです。また一対になっている羽のことを「翼」と言います。
羽根は鳥類の羽から抜け落ちた羽のことです。
飛行機の羽は一対になっているので「翼」と呼ぶこともあります。扇風機や風車、竹トンボ、ヘリコプターのはねは一対になっておらず、形も羽根に似ていることから、「羽根」と呼びます。
色々は、「異なるものや状態が数多くあること」です。
様々は、「ものごとがそれぞれ異なっていること」です。
数々は、「数が多いこと」「種類があれこれと多いこと」です。
諸々は、「多くのもの」です。
種々は、「種類や品数が多いこと」です。
多彩は、「変化や種類が多くにぎやかなさま、彩りが多く華やかで美しいさま」です。
多種は、「種類が多いこと」、あるいは「たくさんの種類」です。
多様は、「色々と種類の違ったものがあるさま」です。
雑多は、「色々なものが入り混じっているさま」です。
たくさんは、「数量が多いこと」「数量が十分であること」です。
少しは、数量や程度などが小さいようすをあらわします。
少ないは、数量が小さい様子をあらわします。またしばしば、想定していた数量よりも小さいさまを表現します。
わずかは、「少し」よりもさらに小さい数量・程度、また一般的な数量よりも小さいさまを表します。
範囲は、ある一定の定めた枠組みの内部であることを指す言葉です。
範疇は、カテゴリーのことで、同じ種類ののものがまとまった範囲を表す言葉です。
種類は、ものごとの分類やカテゴリーのことです。
種別は、種類から、具体的な特徴や属性によって、さらに分類や区分をしたものです。
いずれも「一人の人間が、生まれてから死ぬまでの間(今生)」を表す言葉です。
一世は、「その時代」とか「当代」といった意味です。
一代は、一生に一度のような大きなできごとに用います。また、君主や家長などの在任期間を指すこともあります。
一期も、一生に一度のような大きなできごとに対して使います。
回るは、「回転する」「周囲を1まわりする」など、「移動する形態」を指します。
巡るは、周囲や一定の範囲を移動しながら見回る、探訪するといった、「移動する意味内容」を含んだニュアンスがあります。
知識は、経験や学習によって知り得た一般的な事柄のことです。
知恵は、物事の道理を理解し、その是非や善悪について判断する能力のことです。
知見は、観察したり、経験したりすることで知り得た内容や見解のことです。
なお「知性」(インテリジェンス)は、物事を論理的に考えて判断する能力のことです。また「理性」といったときは、感情に左右されず、道理で考え判断する能力を指します。
いずれも、論理的に思考を進める「推論」の手段です。
帰納法は、個々の具体的な事実から、それらに共通する普遍的・一般的な法則や原理を導出する思考法です。
演繹法は、前提となる法則や原理から、個別の事実や特殊な理論を導き出す思考法です。
三段論法は演繹法の一種で、「大前提」と「小前提」の2つの前提から、1つの結論を導き出す思考方法です。
弁証法は、内部に含まれる矛盾や対立する2つの事実(正と反)を統合し、より高次元の結論(合)に止揚させる発展的な思考法です。「正」がテーゼ、「反」がアンチテーゼ、「合」がアウフヘーベンと呼ばれます。
角張っている部分を、外側から見たものが「角」、内側から見たものが「隅」です。「重箱の隅をつつく」、「豆腐の角に頭をぶつける」と覚えておけばよいでしょう。
先は、物の先のほうです。
端は、ものの初めの部分(糸口)を指します。
淵は、水を深くたたえている所です。また、物の出てくる根源となるところを指します。
縁(へり)は、水や穴などに接した部分を指します。また、もののはしのこと、またそのところに入るすぐ手前を指します。
縁(ふち)は、物の端の部分です。また、物の周りの一定の幅がある部分を指します。
際は、物の端、境目のことです。また、あるものにかなり接近した部分・すぐ傍を指します。
復元は、失われたり消えたりしてしまったものを、かつての姿通りに新たに作り直すことです。
復原は、もともとの姿やかたちが作り変えられたり、変化したものを、元通りに戻すことを言います。例えば東京駅の丸の内駅舎を元通り(戦後の応急復興の姿から原初の姿に戻す)にした一連のプロジェクトは、「復原工事」と呼ばれていました。
laughは声を出して笑うこと、smileは微笑むこと(声を出しては笑わない)です。
ベランダは、「建物から張りだした、屋根のある屋外スペース」のことです。ポルトガル語のvalandaが由来です。1階でも屋根があればベランダです。
バルコニーは、「建物から張りだした、屋根のない屋外スペース」のことです。必ず2階以上にあって、手すりがついていることが特徴です。ちなみに下の階の屋根部分を利用したバルコニーのことを、「ルーフバルコニー」と呼びます。イタリア語のbalconeが由来です。
テラスは建物外部の空間で、フランス語のterrasse(段差)の由来の通り、地面より一段高い位置にあるスペースのことです。1階にあって、屋根のあるなしは関係ありません。庭や外の街路の延長線上というイメージです。
なお、建物の屋上部分を「テラス」と呼ぶことがあります。これは、1階にあるイメージのテラスの空間が屋上にある、というイメージで呼ばれる言葉です。本来のテラスの意味とは違うことに留意しましょう(もともとのテラスと区別するため、屋上テラス、と呼ぶこともあります)。
「ウッドデッキ」などで知られるデッキはオランダ語のdek(船の甲板)を由来とする言葉で、地面より一段高い位置―室内の床とほぼ同じ高さ―にあるスペースのことです。1階にあって、屋根はありません。こちらは、室内の延長線上にあるイメージです。
セメントは、石灰石や粘土などを焼き、粉砕して生成する灰白色の粉末です。水に練って使う無機質の接合剤の総称ですが、一般的にはコンクリートやモルタルの原料として使われるものを指すことが多いです。
コンクリートは、そのセメントに砂・砂利・水を混ぜ、固めたものです。固まる前のものは「生コン」と呼ぶことが多いです。
ちなみに「モルタル」は、セメントや石灰と砂・水を混ぜ、練ったものです。レンガやブロックの目地、コンクリートの表面仕上げなどに使います。
アスファルトは、原油の中に含まれる最も重い炭化水素類のことで、天然のものと石油の生成過程でできるものに分かれます。色は暗褐色や黒で、加熱するとすぐにドロドロに解ける性質があります。道路の舗装材として使われるものが、もっともよく知られています。
旅館業法で定義されています。
ホテルは洋式中心の施設で、客室は10室以上、客室の床面積は9平米以上、出入り口と窓を施錠できること、水洗の洋式トイレがあること、宿泊者の需要を満たす適当な規模の洋式の浴室やシャワーがあること、客室どうしや廊下が壁で区切られていることが要件となっています。
一方の旅館は、和式中心の施設で、客室は5室以上、客室の床面積は7平米以上、(近傍に公衆浴場などがある場合を除いて)宿泊者の需要を満たす適当な規模のトイレや入浴設備があることが要件となっています。
ちなみに民宿(和風の設備中心)やペンション(洋風の設備中心)は「簡易宿所」に分類されます。山小屋やカプセルホテル、ユースホステルなどもこの「簡易宿所」です。客室の延べ床面積33平米以上、適当な規模のトイレや洗面設備、適当な換気・ 採光・照明・防湿・排水設備が整っていることが要件です。
なお、「下宿」とは1か月以上客を宿泊させる営業のことを指します。
英語では、mansionは大邸宅とか豪邸という意味で、(賃貸の)集合住宅はapartmentとなります。イギリスでは集合住宅の意味でflatも使います。また分譲マンションという意味合いでは、condominium(コンドミニアム)を使うのが日本語でのニュアンスとしては近いでしょう。
日本においては、「鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造」で、3階建て以上、「住宅性能表示制度による住宅性能評価書」で耐久性において劣化対策等級が等級3、耐震・耐火性において耐震等級が等級3または耐火等級が等級4・もしくは耐火構造の集合住宅を「マンション」、「木造、軽量鉄骨造」で、2階建ての集合住宅を「アパート」と定義づけることが多いです(法的な定義はありません)。
コーポは共同住宅(cooperative house)を意味する和製英語で、一般的には木造や軽量鉄骨造の共同住宅を指します。
ハイツは英語(heights、高台)で、プレハブ軽量鉄骨造の共同住宅のことを指すことが多いようです。
このほか、マンション・アパート名には、メゾン(フランス語でmaison=家)、ハイム(ドイツ語でheim=住まい)、ヴィラ(フランス語でvilla=別荘)、シャトー(フランス語でchateau=貴族の住むお城)などの言葉が使われます。 不動産はある種イメージ商売(ロマンを売る部分は確実にある)でもありますから、いずれも本義からは外れて、「おしゃれな雰囲気」を出している集合住宅、くらいの意味合いで捉えてよいでしょう。
道は、人や乗り物が通行するためにかたちづくられた、場所と場所を結ぶものの総称です。人工のものも、獣道など古来から自然につくられたものも、通行によって場所と場所を結ぶものすべてを含みます。
路は、人や車が往来する道筋のことです。また、もとは「大きな道と道を結ぶ、細いみち」のことです。また、「水路」や「線路」「通路」「迷路」といった言葉に代表されるように、ある目的をもった移動のためにつくられた道を指します。
道路は、人や乗り物が通るために整備された道のことです。
なお建築基準法上は、幅員が原則6m以上(4mとなる場合もあり)で、道路法(国道・都道府県道・市町村道)や区画整理法、都市計画法(開発行為や土地区画整理事業により造られた道路)、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市法、密集市街地整備法、旧住宅地造成事業法などの法律で「道路」として定められた道のことを指します(幅員が4m未満の場合でも、建築基準法施行時点で「道路」と見做される特例の「みなし道路」もあります)。
街路は、家や商店が密集した、にぎやかな街並みに整備された道路のことです。
路地は、街路と街路の隙間など、街中にあって、人通りの多い道から外れた小路です。
脇道は、本道から脇に入った道で、「横道」や「枝道」とも言います。
小路は、狭い道、街の中の狭い通りのことです。しょうじ、こみち、こうじと呼称しますが含意は同じです。「こうじ」に対しては、「大路」が対応します。
大路は、広い道、街の中の大きな通りのことです。
通路は、出入りや通行のための「通り道」で、人や物の移動のために設けてある場所のことです。都市計画法上では、建築物に附帯する施設の1つとされます。
公道は、国や地方公共団体が管理する道路の総称で、その管理者によって国道・都道府県道・市町村道、また里道があります。
私道は、私人や民間が所有・管理する道路です。
農道は、農業用に使われる道路です。土地改良法に基づいて建設される農道(農業用道路)は、農林水産省の管轄で、道路法上の道路ではありません。
林道は、森林の整備・保護のために設置される道です。農林水産省の管轄で、道路法上の道路ではありません。
里道は、公道のうち、道路法上の道路とならない道路です。「法定外公共物」とされます。
通りは、人や乗り物が通るための町中にある道のことです。
街道は、大きな街と街を結び、往来の多い主要な道路のことです。古くは「往還」と呼びました。
大阪においては、概ね南北に走る道路を「筋」(町から町へ移動する道)と、東西に走る道路を「通」(町の中の道)、として表します。
国道は、全国の主要地点を結ぶ幹線道路で、ふつうは「一般国道」のことを指します。国土交通省が管理する、特に重要な一般国道を「直轄国道」といいます。都道府県や政令市が管理する一般国道もあり、これは「補助国道」です。また最高速度が一般道よりも高く設定され、かつ、最低速度(時速50km)が定められている、全国の主要地点間を結ぶ高速道路は「高速自動車国道」で、これも国道の一種です。
都道府県道は、都道府県内の主要地域を結ぶ、都道府県知事が認定する道路です。
市町村道は、市町村内の各地点を結ぶ、市町村長が認定する道路です。
「高速自動車国道」と「自動車専用道路」を合わせた、一般道と比して高規格の道路が「高速道路」です。高規格の要件は、2003年段階で「概ね時速60km以上、車線数2以上、平面交差と沿道アクセスは可能だが本線車道と歩行者・自動車が構造的に分離」とされています(1994年段階では「時速60-80km以上、車線数4以上、立体交差、沿道アクセスの制限、歩行者・自転車の進入禁止」とより要件が厳しいものでした)。
高速道路のうち、全国の主要拠点を結び、一般道よりも最高速度が高く設定され、かつ、最低速度(時速50km)が定められているものが「高速自動車国道」です。法的には「国土開発幹線自動車道」として指定された道路で、走行車両はインターチェンジから出入りし、軽車両や歩行者の通行は禁止、中央分離帯で往復の交通が分離されており、原則立体交差であること、またサービスエリアやパーキングエリアが備えられていることが要件です。
高速自動車国道に準じる形で整備された高規格の道路が「自動車専用道路」です。(特に指定を行わない場合は)高速自動車国道とは違って最高速度は一般道の法定速度に準じ 、最低速度も定められていません。
自動車専用道路の要件は、国土開発幹線自動車道や本州四国連絡道路と接続し、以下のいずれかに該当するものです。
「都市高速道路」は、都市内(東京・名古屋・大阪・広島・北九州・福岡の各都市圏)に設けられた都市施設で、こちらも「自動車専用道路」の一種です。東京圏の都市高速は「首都高速」です。
「有料道路」は、通行や利用に料金を徴収する道路の総称です。高速道路も有料道路の一種ですが、狭義では、高速道路以外で料金を徴収する道路のことを「有料道路」と称することも多いです。ドライブウェイ(観光道路)や、長大なトンネル・橋梁など建設・維持に莫大な費用のかかる道路が有料となることが多いです。開通から年月が経つと、建設費が償還されて無償開放されることもあります。
ロード(road)は「道路」の意味で、人やクルマが通るために舗装された道、また2地点間を結ぶ道を指す総称です。
ストリート(street)は「通り」の意味で、街並みの中を通る、比較的人通りの多い道のことです。
アベニュー(avenue)は、「(街路樹が並ぶ)通り」や「並木道」を指します。
ブルーバード(boulevard)は、「(街路樹のある)大通り」を指し、目抜き通りのニュアンスを含みます。
ウェイ(way)は 一般的な「道」の意味です。「○○Way」で「○○通り」や「○○街道」という意味になります。また、「通れる(進む)場所(空間)」を表します。また、(道への)「出入口」の意味も持ちます。
ハイウェイ(highway)は「高速道路」です。「幹線道路」の意味合いも含み、信号や平面交差点がある「highway」もあるようです。
フリーウェイ(freeway)は、主にアメリカの「高速道路」です。無料で使用できる幹線道路、というニュアンスです。
エクスプレスウェイ(expressway)は、アメリカ以外で使われることの多い「高速道路」です。字義通り、「高速走行をする道路」ですね。
パス(path)もあります。こちらは、自然に踏み固められてできた小道や細道、舗装された散歩道や遊歩道、サイクリングロードなどを表します。英語では「進路」「通り道」「道筋」「方向」などの意味でも使われます。
インターチェンジは、高速道路・有料道路・自動車専用道路と、一般道を結ぶ出入り口用の道路です。
ランプも、基本的にはインターチェンジと同様に高速道路等と一般道を結ぶ出入り口用の道路のことを指しますが、比較的単純な構造の出入口や、首都高速などの都市高速と一般道との出入口を指すことが多いです。
ジャンクションは、高速道路・有料道路・自動車専用道路と、高速道路・有料道路・自動車専用道路との結節点(合流点)のことです。
どちらも高速道路にある、駐車場やトイレ、休憩所や売店などを備えた休憩施設ですが、サービスエリアは食堂や給油所を備えた大規模なもの、パーキングエリアは小規模といった違いがあります。概ねパーキングエリアは15キロごと、サービスエリアは50キロごとを目安に設置されます。
ガーデンは家の脇や周囲にある家庭菜園もしくは花壇などのある場所で、日本でイメージするような「庭」というよりは「庭園」というニュアンスが強い言葉です。
ヤードは、芝生の生えた家屋の周辺、あるいは舗装された裏庭などを表す言葉で、どちらかというとヤードのほうが、日本の一般的な住居で言うところの「庭」に近い言葉かもしれません。
壁は建物の外と中(外壁)、あるいは中のスペースを仕切る(内壁)ものです。
塀は、敷地の境界に設置する、目隠しや用心・防犯・警戒のための工作物です。外部から中が見えないようになっています。
垣は、一定の区域と他とを分けるために設けられた仕切りで、石垣、竹垣、生垣などがあります。竹や植木でできたものを特に「垣根」と呼んでいます。
またフェンスは、野球場や競技場、駐車場などの「囲い」を指します。
床(ゆか)は、建物の底面のことです。
床(とこ)は、「ゆか」の意味もありますが、「寝るための場所」(寝床)、「床の間」、「床柱」などある特別な場所を指します。また、川底やぬか床など、ある場所の「底」を表す言葉でもあります。
戸も扉も、人や物の出入りを目的とする建物の開閉部分の建具で、人や物が出入りしない開閉部(窓や通気口・換気口・排気口など)とは区別されます。
戸は建物の出入口の建具の総称ですが、特に「引き戸」を指すことが多いです。
扉・ドアは「開き戸」を指します。なお「戸扉」といったときは片開きの扉を指します。
建物は、「土地の定着物」である工作物で、不動産です。屋根や壁があります。
家屋は、人が住んだり働いたりするための建物です。住家のほか、店舗や工場・倉庫も「家屋」とされます。
住宅は、人の居住用の家屋です。
建築物は、一般的には「建物」のことを指します。建築基準法上は、屋根・壁・柱があって、門や塀で仕切られており、住宅や事務所、店舗や興行場、倉庫などの目的に供する施設の工作物を指します。
建造物は、家屋など、人の出入りや生活を前提とした構造を持つ、土地に定着した工作物全般を指します。屋根や柱がない場合も含む、建築物よりも広い概念とされます。
なお工作物は、労作によって土地に接着して設備されたもの全般を指します。
ビルは、鉄筋コンクリートなどで頑丈に作られた、中高層の建築物です。多くは、社屋や事務所として使われる建物や、オフィスや商業施設などがテナントとして入居している建物を指します。
低層建築物は、一般的には平屋および2階建て(ときに3階建てを含む)の建築物を指します。
中層建築物は、概ね3~5階建ての建築物です。
高層建築物は6階建て以上の建築物です。消防法上は、高さ31mを超える建築物が「高層建築物」となります。
高層建築物のうち、さらに20階建て以上の建築物を超高層建築物と分類することが多いです(法的な定義はないため様々な解釈がありますが、概ね「高さ60m以上」や「高さ100m以上」などを境に「超高層」と呼称するケースが一般的なようです)。
なお、 「20階建て以上」「高さ60m以上」の超高層マンション(住居用超高層建築物)が、「タワーマンション」です。
家は、「人が住むための建物」または「自分・家族の生活の場」です。
住居は、「人の棲み処」や「住まい」を表す言葉で、「住んでいる場所全体(庭や駐車場など、敷地を含む)」のニュアンスがあります。
住宅は、「人が住むための家」を表す言葉で、「住むための家屋そのもの」のニュアンスがあります。
排水溝は、屋外に設置された排水用の溝です。
排水口は、一般的には屋内にあって、台所や風呂場、洗面所において排水を行うための穴で、しばしば、排水管(排水パイプ)を通じて排水溝や下水管に通じています。
飛行場とは、飛行機が離着陸する場所の総称です。
空港は、飛行場の一種で、旅客や貨物の運送を行う航空機が離着陸する場所です。
例えば自衛隊のみが使用する離着陸施設は「空港」ではなく「飛行場」ということになります。
いずれも湾や河口部に防波堤などを築き、船が安全に停泊できるようにした場所です。
もとは港湾施設のうち、水上の部分を「港」、陸上の部分を「湊」と呼びました。
派出所と交番は同じ意味で、1994年の警察法改正までは「派出所」が正式名称、改正以降は「交番」と呼称されるようになりました。「こちら葛飾区亀有公園前派出所」でも、そのことをネタにした話があります(89巻)。
交番は複数の警察官が交代で番をすることから呼ばれるようになりました。主に街中で地域の安全を守る拠点となっています。
駐在所は、地方などで(しばしば家族とともに)居住しながら地域の安全を守る拠点です。
病院は、入院用ベッドが20床以上ある医療機関のことで、99床までを「小病院」、100~499床までを「中病院」、500床以上を「大病院」と分類します。法人格が必須で、3名以上の医師と入院患者3名に対して1人の看護師の配置、および当直義務があります。
一方の診療所は、入院用ベッドが19床以下(または無床)の小規模な医療機関で、「クリニック」とか「医院」とも呼ばれます。法人格は必須要件ではなく、1名以上の医師と入院患者3名に対して1人の看護師の配置(無床診療所の場合は看護師の配置は不要)が必要で、当直義務はありません。
美容院(美容室)は、美容師にるよるパーマや結髪および化粧などによって、「容姿を美しくする」ことを目的とするお店です。
理髪店(理容室、床屋、散髪屋)は、理容師による頭髪の刈込や顔そりなどによって「容姿を整える」ことを目的とするお店です。中世ヨーロッパで瀉血を行う「外科医」を兼ねていた歴史的経緯から、血と包帯の色である「赤・青・白」のサインポールが置かれているのも特徴です。
美容師は美容師法によって、理容師は理容師法によって定められた資格です。資格の違いにより、美容師は顔剃り・髭剃りが、理容師はパーマネントや結髪が、それぞれ業としては行うことができません。
現在は、一般的にはバスの乗降をする場所が「停留所」、路面電車(普通鉄道ではない軌道上を走る電車)の乗り降りをする場所が「停留場」です(電停ともいいます)。ただし、停留所のことを停留場と呼称する場合もあります。
ちなみに、「停車場」とは、普通鉄道において列車が停車できる施設の総称で、駅や信号場、操作場などを指します。
港は、海や湖、河などで船が出入りしたり、停泊したりすることが可能で、旅客の乗降や貨物の積み下ろしができる場所のことです。しばしば、防波堤、荷捌き施設、倉庫なども港の機能に含まれます。
波止場は、港の中の「船着き場」のことです。「埠頭」とも言います。
ハウスは、人が住んでいる建物で、一軒家のことです。
ホームは、人が住んでいる住居のことで、一軒家のほか、集合住宅も含まれます。
ディスコはナイトクラブで、お酒を提供するだけでなく、「客を躍らせる」こと自体も業態に含まれる社交場です。原則、終夜営業は認められません。
ディスコと比較した場合の「クラブ」は、暗い照明の中で音楽がかかっていて客が踊ることもあるバー(酒場)となります。「客を躍らせる」ことは業態に含まれず、「バーの中で音楽が流す人がいて、そこで人が(たまたま楽しくなって)踊っている」ことから、終夜営業が可能です。
バーは、カウンター席がメインの酒場で、アルコールをグラス1杯ずつ提供する「ショットバー」のことを指す場合が多いです。なおバーテンダーが全員女性であるガールズバーは、基本的には時間料・席料・女性の酒代などがかかるため、形態は「バー」でも、料金システムが 一般的な意味の「バー」とは異なっています。
スナックは、「ママ」がカウンター越しに接客する酒場です。アルコールを飲みながら会話やカラオケなどに興じます。
この文脈の中でのクラブは、銀座・赤坂・六本木などに代表される高級酒場です。ホステスがソファーやボックスシートで男性客の隣に着座して接客するスタイルで、時間料金制・指名料があり、また会員制をとる場合も多いです。
ラウンジは、ソファーやボックスシートで女性スタッフが接客する、バーとクラブの中間的な立ち位置の酒場です。
パブは、英国風の酒場を指します。
キャバレーは、店内のステージでダンサーや歌手によるショーを楽しみながら、女性とお酒を飲むことができる酒場です。ちなみにキャバクラは、「キャバレークラブ」の略称で、「キャバレーのようなシステム(料金)で、クラブのような接客を楽しめる」という意味でキャバレーやクラブとは別種の酒場です。
サラリーマンは「salary(給与)」と「man(人、男)」を組み合わせた和製英語です。一般的にはホワイトカラーの会社員(給与生活者)を指し、医師や弁護士・教師などの専門職やブルーカラーの労働者などは指しません。
ビジネスマンは、英語のニュアンスでは経営者や実業家を指しますが、日本では「会社員(主に事務系)」と捉えられることが多いです。
アルバイトはドイツ語の「arbeit(仕事、労働)」に由来します。日本では、戦前に学生の間で、(本業である)学業の副業としてはたらくことを指す隠語として普及しました。今でも主に「副業として働く」という意味で使わることが多いです。ですから、特に(本業は学業である)学生がはたらくことを「アルバイト」と指すことが多いのです。
一方のパートは、英語の「part-timer」から来ており、「part-time(フルタイムよりも短い)」、すなわち「短時間働く」という意味合いが強い言葉です。こちらは、主婦・主夫やシニア世代が(本業ではない仕事に就くという意味で)「 (フルタイムではなく)短時間働く仕事」というニュアンスで使われます。
自由業は、場所や時間を問わず、個人の技術や才能を活かして仕事をする人です。芸術家、芸能人、個人の弁護士、作家、漫画家、写真家、Youtuberなどが挙げられます。
自営業は、独立して個人で事業を営む人です。店舗経営者や開業医、農家、事務所を構えている士業などが挙げられます。
個人事業主は、税務署に「開業届」を出して、法人を設立せずに個人で事業を営む人です。自営業者も、自由業やフリーランスも「開業届」を出している場合は個人事業主に含まれます。
フリーランスは、特定の企業や団体、組織に属さず、個人の専門知識やスキルを提供することで対価を得る人です。企業や個人などのクライアントをから仕事を請け負うことで報酬を得る就業形態です。自由業との明確な区別はありませんが、「仕事を請け負う」という意味で個人のプログラマー、ライターやイラストレーターなどが「フリーランス」というニュアンスが強い職種かもしれません。
ホワイトカラーは、白い襟(カラー)のことで、事務系労働者、頭脳労働者のことです。
ブルーカラーは、工場や建設現場などで働く労働者のことです。青い襟(カラー)の作業服に由来します。
仕事は「(生命維持活動を除いた)消費以外の創造・生産活動」です。生計の手段として従事する労働の概念も包括する用語です。
労働は、体を使って働くことです。「仕事」と比較すると、どちらかというと「生活のために、収入を得る目的で、肉体・精神を提供する生産活動」 や「生産手段や生活手段を創り出すための員数の使用・消費」という「使役」の意味合いが強い言葉です。
働くは、仕事する・労働することですが、特に、職業として、また生計を維持するために職につくことです。
勤めるは、官庁や会社などで社員や職員として働くことです。
勤務は、官庁や会社に勤めて仕事をすることです。
従業員は、会社などと雇用契約を交わし、給与をもらっている人のことを指す総称です。正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、アルバイト・パート社員も含みます。
一方の社員は、一般的には会社に雇用されている正規社員だけを指すことが多いかもしれません。
なお法律用語では、「社員」は会社の出資者(株主など)を指します。したがって、公的な文書では一般的な意味での「社員」という表現は行われないことが多く、「労働者」とか、「被用者」「被雇用者」などと表現することが多いです。
社長は職責上、会社のトップの地位にいる人のことで、実務上は会社を指揮する立場にある役職です。
代表取締役は、会社の代表者であり、最高責任者です。代表取締役は複数存在してもよいことになっています。
役員は、会社法上では取締役・会計参与・監査役のことです。取締役は会社の方針を決定し、会社を運営する役職です。会計参与は取締役と共同で会社の計算書を作成します。監査役は、会社の業務執行や会計を監査します。一般的には、会社の上層部のこと(社長をはじめとする経営陣だけでなく、例えば本部長などの上級管理職を含むこともあります)を指し、会社によって「役員」の定義はまちまちです。
経営者は、経営方針や経営計画を立案・決定し、組織を構成し、会社を経営する人を総称した言葉です。複数の場合は「経営陣」や、単に「経営」と呼ぶこともあります。
取締役は会社の経営を担う責任者であり、会社の経営方針や重要事項の決定権を持ちます。 なお、社長や代表、専務や常務などの肩書を有する取締役を「役付取締役」、特に肩書のない取締役を「平取締役」と呼称します。
執行役員は、経営方針や重要事項の決定権は持たず、取締役の決定に基づいて業務を執行することが求められる役職です。ただし会社法に特段の定めはなく、会社によって その定義はまちまちです。一般的には会社法上の「役員」ではないことから、従業員側のトップとして、雇用体系は従業員としてのものになります。
専務は、企業全体の統括 ・業務管理を行う役職です。一般的には専務取締役のことを指し、実務上、企業のナンバー2として社長を補佐する役割です。企業規模が大きい場合は専務執行役(取締役会で選出される役員)や、専務執行役員(取締役の決定に基づいて業務を執行する役職)を置く場合もあります。
常務は、社長の補佐とともに、会社の業務全般をマネジメントする役職です。基本的には常務取締役のことを指しますが、規模が大きい場合は常務執行役(取締役会で選出される役員)や、常務執行役員(取締役の決定に基づいて業務を執行する役職)を置く場合もあります。
マネージャーは、「管理する人」です。単に管理職を指すこともありますが、多くの場合は配下の複数部署の人事・予算・計画などを管掌する立場を指します。
リーダーは、「チームの先頭に立って、全体の方向性を示し、メンバーを先導する人」です。単一部署の管理職、または特定のプロジェクトやグループのトップを指すことが多いです。
ボスは、原義がオランダ語の「主人」で、親分、親方、首領、監督、社長など幅広いニュアンスを持つ言葉ですが、一般的には(直属の)上司・責任者、あるいは雇い主を指すことが多いです。
職場は、労働をする場所のことです。
会社は、「会社に行く」という文脈では「職場」と同じ「労働する場所」を指す言葉ですが、広義では営利目的で作られた商集団そのものを指します。
企業は、事業を企てること、また生産・営利目的で事業経営を行うこと、およびその経営体です。株式会社・有限会社・合同会社・合名会社・合資会社の5種類(現在設立できるのは有限会社以外の4種類)です。
会は、多くの人の集まりです。
組織は、共通の目標を達成するために、指揮命令系統(レポートライン)が整備され、構成員の役割や機能が分化・統合されている集団です。
団体は、ある共通の目的(非営利目的)のために、人々があつまって1つのまとまり(結合体)となった集団です。一般的には法人格を持たずに、諸活動を行う集団全般を指します。
組合は、ある共通の目的のために、人々が寄り集まって1つの「仲間」となった集団です。一般的には、構成員の合意で出資がなされ、共同で事業(非営利目的)を行う集団を指します。法人格のある組合は、特に「社団」と呼ばれます。
協会は、ある目的(非営利目的)のために、会員の協力によって設立・運営される会です。
結社は、共通の目的を達成するために、多数の人々が、合意によって組織を成す、継続的な団体です。
集会は、共通の目的を達成するために、多数の人々が、一時的にある場所に集まる会です。
社団法人は、人(社員)の集合に法人格が与えられたものです。「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」(一般法)に基づいて設立され、認可なく設立されるものが一般社団法人、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」(認定法)に基づいて設置され、都道府県や国の認可を受けて設立されるものが公益社団法人で、公益社団法人は税制上の優遇措置が受けられます。
財団法人は、財産の集まりに法人格が与えられたものです。上記と同様に、一般法に基づいて設立され、認可なく設立されるものが一般財団法人、認定法基づいて設置され、都道府県や国の認可を受けて設立されるものが公益財団法人で、公益財団法人は税制上の優遇措置が受けられます。
設立は、「商業・法人登記をすること(法人格を取得すること)」です。定款を整え、株主や会社財産を規定し、取締役などの執行機関を決め、公証役場で公証人の認証を受け、法務局に登記申請をすることを言います。なお「設立日」とは法務局に書類が受理された日であり、登記が完了した日ではありません。
創業は、事業を始めることです。個人でも法人でも事業を始めたら(厳密にいうと、開業の準備を開始した段階で)「創業」となります。
創立は、「初めて組織や機関を立ち上げて」事業を始めることです。組織化することに着目した言葉ですので、個人事業主の場合は「創立」の言葉は使いません。また、「設立」とは違い、登記や開業届の有無は問いません。「初めて組織や機関を立ち上げる」ことが定義なので、すでにある組織の分割や子会社化、あるいは新規事業を始める場合も、その組織は「創立」とは呼ばないことが普通です。
起業は、新たに事業を起こすことです。創業は「過去」(すでに事業を始めた)、起業は「未来」(これから事業を始める)というニュアンスの差があります。
開業は、新しく事業を始めることです。創業は一般的に個人でも法人でも使いますが、開業は「開業届」というように、どちらかというと個人で事業を起こすときに使うニュアンスを帯びた言葉です。 ほかにも、施設がオープンするときにも「開業」の言葉を使います。
株式会社は、株式を保有する株主から事業資金を調達し、利益を株主に配当する企業形態です。出資者の責任範囲は出資範囲まで(有限責任)で、最高意思決定機関は株主総会、役員の任期は10年と法定されています。
合名会社は、会社の債務に対して無制限に責任を負う「無限責任社員」で構成されている会社です。
合資会社は、直接経営に関わらず、出資額まで責任を負う「有限責任社員」と、直接経営に関わり、会社の債務に対して無制限に責任を負う「無限責任社員」の両方で構成されている会社です。
合同会社は、出資者と経営者が一致する会社形態で、出資者全員が"社員"(従業員ではない)として構成され、全員が出資範囲までの有限責任を負います。(出資した)社員の中から、業務執行を行う「業務執行社員」を選定することも可能です。
合名会社・合資会社・合同会社は、最高意思決定機関が社員(出資者)総会、役員の任期は無期限です。
有限会社は、2006年施行の商法・会社法改正に伴う有限会社法廃止まで設立が認められていた会社形態です。出資額まで責任を負う有限責任社員のみからなる物的会社で、「有限責任出資者による設立」という出資形態だけを見ると株式会社と近似していますが、株式会社は「発起設立」(発起人が出資して設立する)のほかに「募集設立」(出資者の公募)が可能である一方、有限会社は発起人が出資して設立する方式のみが認められています。また社員権の有価証券化も禁止されており、市場を通じた資金調達が想定されていない点が株式会社とは異なりました。現在、有限会社は会社体制を変更していない場合でも「株式会社」に移行することとなりましたが、従前の例による運営を続ける場合は特例有限会社として存続が認められています(この場合は、役員任期の法定制限がなく、決算公告義務もないなど、有限会社法で認められたメリットが維持されます)。
いずれも会社の英語表記です。
Co., Ltd.(またはCo. Ltd.)は、「Company, Limited」の略で、「有限責任のある会社」の意味です。日本の株式会社ではこの呼称がしばしば用いられます。
& Co.は、「and Companies」の略で、「~の仲間(company)」のニュアンスをもった組織形態です。米国でのパートナーシップ形態(出資者や共同経営者がいる)の組織や組合に使用されます。日本での「合名会社」や「組合」が相当します。
Co.は「Company」の略で、単に「企業体」を表す言葉です。
Corp.は「Corporation」の略で、「法的な手続きにより設立された法人」という意味合いがあります(corporate=法人化)。基本的には有限責任の会社(株式会社等)を指します。
Inc.は「Incorporated」の略で、in-(into) がつくことで、「法的な手続きにより設立された法人で、組織化が進行している(ことで大きな事業組織になっている)」という意味合いがあります。
Ltd.は、「Limited」の略で、「有限責任」であることを示します。英国では会社登記に有限責任を明記する必要があるため、必ず社名にLimitedが含まれます。
K.K.は、「Kabushiki Kaisha」(株式会社)の略です。
PLC.は「Public Limited Company」の略で、「株式公開会社」のことです。特に社名に「Limited」を使用する必要がある英国において見られる表記です。
LLC.は、「Limited Liability Company」の略で、「有限責任会社」のことです。日本における「合同会社」です。
L.P.は、「Limited Partnership」の略で、語義は「有限+パートナーシップ」、すなわち、日本における「合資会社」です。
Y.K.は、「Yugen Kaisha」(有限会社)の略です。
本社は、会社の中枢機能を担う事務所のことです。法律上の定義はなく、「会社の中枢機能を担う拠点」であれば(本店所在地でなくても)本社と呼称します。「東京本社」「大阪本社」など、複数の本社が存在する会社も数多くあります。
本店は、登記簿に登録されている会社の所在地のことです。会社法上は、「会社の住所」を指します。したがって、法的には「本店」は1箇所ということになります。ただし一般的には、主としてその会社で最重要の接客拠点たる旗艦店を「本店」と呼称することが多いです(この場合は、「東京本店」「大阪本店」など、複数の本店が存在することになりますが、これは通称ということになります)。
本部は、本社の下で、ある事業部門の活動の中枢を担う包括単位です(「経営管理本部」「営業本部」「東京本部」など)。
支店は、法律上、「本店とは異なる場所にある事業所」で、かつ登記簿に登記されている拠点のことです。一般的には、登記の有無に関わらず、本社・本店と離れた場所にある事業所で、主として接客を行う拠点を「支店」、事務を担いその地域の総務・人事・経理を担う人員を配置した包括的な拠点を「支社」と呼ぶことが多いです。
営業所は、営業活動を行うための拠点です(法的にみれば登記がなされていない事業拠点)。一般的には「本社」や「支社」に属し、その地域における営業に関連する人員が配置されている拠点のことです。
出張所は、公共サービスにおいては「役所での手続きを役所以外で司る簡単な事務処理の拠点」、銀行においては「銀行の本店に従属する支店以外の営業所」のことです。一般的には、営業所よりさらに小規模な、営業所に従属する地方の営業拠点というニュアンスがあります。
事業所は、事業を行う場所すべて(本社・本店を含む)を指すことばです。
本部は、ある事業部門の活動の中枢となる包括単位です。
局は、ある事業部門の大きな区分です。多くは官庁で用いられます。
部は、ある事業部門の中で、施策や業務単位に区分した時の最大単位です。「グループ」と呼称することもあります。
課は、ある業務単位の区分けの中で、特定の事務機構を示す小区分で、多くは局・部の下、係の上にあります。「チーム」や「グループ」、「ユニット」と呼称することもあります。
室は、ある事業部門の中で、施策や業務単位に区分した時の単位です。組織内の位置づけによって「部」と同列におかれることもあれば(社長室など)、「課」と同列におかれることもあります(総務部秘書室など)。
なお、「課」は業務が一般的に確立しており永続的な業務を担う組織に(総務、人事、経理、営業など)、「室」は経営と直結する一般的な業務とは異なる位置づけのもの(社長室、秘書室、経営企画室)のほか、特命的なものや一時的・暫定的なもの(○○推進室、○○対策室、○○準備室)につけられることが多いようです。
係は、ある組織の中で、特定の仕事を専門的に担当する区分で、多くは組織の最小単位となります。集団の場合は「チーム」や「グループ」、「ユニット」と呼称することもあります。
チームは、ある目的のために協力して行動するひとまとまりのグループです。「課」「係」の呼称とされることもあります。
グループは「集団」、および同じ系列から構成される「組織」です。「部」「課」「係」の呼称、または本部や企業集団の呼称とされることもあります。
ユニットは、ある目的集団を構成するための「単位」です。「課」や「係」の呼称とされることもあります。
「上場」は、会社が発行する株式を、証券取引所が運営する株式市場で売買可能にすることです。「上場企業」といった場合は、「株式公開会社」とも言われます。厳しい審査を経て上場条件を満たすこと、また上場維持のための継続的な健全経営ならびに定期的な情報開示により、社会的信用や知名度が高まり、より多くの投資家からの資金調達が可能になる一方、経営責任の増大、上場維持コストや被買収リスクも抱えることになります。
「非上場」は、会社が発行する株式を、市場で売買していないことです。「非上場企業」は、「株式非公開」の企業です。
一般的に上場企業は大企業・有名企業が多いとされますが、非上場の大企業・有名企業も数多くあるため、一概に上場の有無だけで企業規模を測れないことは留意しておく必要があるでしょう。
直接金融は、資金を必要とする企業や公共団体が、社債や株式、公債を発行して市場から資金調達することです。
間接金融は、必要な資金を銀行などの金融機関から借り入れて調達することです。
好況・不況は、投資・生産・雇用・物価といった景気変動の局面をあらわす経済用語です。
好景気・不景気は、経済活動に限らず、活気や盛んさについての「ありさま」をあらわす言葉です。「不景気」のほうは経済分野以外でもよく使われ、「好景気」は経済 状況に紐づいて(多くは好況の意味で)使われることが多いようです。
アジェンダは、会議の議案・協議内容やその計画・進行表を指します。
議案は、会議で共有・討議・決定したい提案のタイトルを指します。
議題は、会議で話し合われる具体的な内容を指します。ちなみに「議事」は審議する内容、および審議することそのものです。
テーマは、会議そのものや各議案・議題における主題(中心となる問題)のことです。
テーマは、主題(中心となる問題)のことです。
コンセプトは、テーマを実現するための切り口、考え方の軸です。
目的は到達したいゴールのことです。
目標は、目的に向けて近づくための、具体的な「標」です。「一里塚」や「マイルストーン」が目標の具現化の例示として表象されることがあります。
このことから、「目的」は長期的なもの、そこに紐づく目標は、目的に対してより短期的・中期的なものとなります。
問題は、目標と現実の間にある「差」(ギャップ)のことです。
課題は、問題を解決するために起こす具体的なアクションプランのことです。
戦略は、目的や目標に向けて求める結果や進むべき方向性・プロセスを示す言葉です。
戦術は、戦略を実現するための具体的な方法、方策です。
戦略フェーズ(目的→目標)→問題→戦術フェーズ(課題)と細分化して、ビジネスにおける諸活動の解像度が上がっていくイメージです。
計略は、目的達成のために前もって検討しておく手段のことです。また、相手を騙す企みも指します。
策略は、自分の目的を実現するために相手を陥れることです。
作戦は、戦いをうまく(当方有利に)はこぶための方法や策略です。
謀略は、人を欺くはかりごとです。
陰謀は、ひそかにたくらむ悪事のことです。
視野は周辺視の範囲のことで、転じて「意識を向ける範囲」というニュアンスです。
視座は物事を見る立場・位置のことで、転じて「立ち位置」というニュアンスです。
視点は視線を注ぐ部分、ないしは物事を見る立場そのものを指します。これはそのまま「注目する場所」というニュアンスがあります。
観点は観察や考察するときの目の付け所、注目点、ないしは立場を表す言葉です。
見地は、観察や判断をするときの立場を表します。
交渉は、ある取り決めのために相手と話し合うこと、掛け合うことです。
折衝は、交渉において、相手と談判し、駆け引きをすることです。
談判は、ものごとの始末をつけたり取り決めをするために、相手と論じ合って掛け合うことです。
掛け合うは、ある要求について先方と話し合うことです。
承認は、正当性を認め許すことです。
是認は、ある人の行為を、よいものとして認めることです。
承諾は、相手の意見や希望、要求などを聞き入れ、認め、受け容れることです。
受諾は、相手からの提案や申し入れなどを受け容れることです。
「切る」は、基準の数量以下になることです。「ついに目標時間を切る」など、ポジティブなニュアンスで使われることが多いです。
「割る」も基準の数量以下になることを指しますが、「前年割れ」といったように、「目標に対して不足している」とか、「必要なのに足りていない」というネガティブなニュアンスで使われることが多い言葉です。
プリントは、印刷物です。
レジュメは、もともとフランス語でプレゼン内容の要約資料、論文の梗概(要旨・要約)という意味です。英語では履歴書(職務経歴書)を指します。ビジネスでは単に「資料」や「会議資料」の意味でレジュメと使うことが多いかもしれません。
同一ブランドの多店舗形態を広義のチェーンと呼びます。
日本で「チェーン」と言った場合は、本社直営で多店舗経営を行う形態(レギュラーチェーン)です。
フランチャイズは、本社と資本的に独立した加盟店や個人事業主または法人との契約関係によって運営されているチェーン(フランチャイズチェーン)のことです。
フランチャイザーは、フランチャイズチェーンの本部組織です。商標や商品、経営ノウハウを加盟店に提供します。
フランチャイジーは、フランチャイズチェーンの加盟店です。本部に一定のロイヤリティを支払う対価として、チェーンの経営ノウハウを元に、統一的な商標を用いて、商品・サービスを提供します。
不動産は、土地およびその定着物(建物)のことで、それ以外のものが動産です。ただし自動車、20トン以上の大型船舶や航空機、農業用機械などは不動産に準じて扱われます。現金や家財道具、商品などの「財産」や、定着物ではない土地の付着物、建物の中にあっても建物の構成物ではないものはすべて「動産」です。
レンタルは、レンタル会社が既に所有するものを借りられるサービスで、だいたいは時間単位・日単位・週単位、長くても月単位と短期のものが多いです。
リースは、リース会社が多くの場合新しく購入または用意したものを中長期的に使用することができる(使用権が与えられる)サービスで、年単位で契約ができるものが多いです。
外注は、内部で業務を執行するよりも低コストで実施が可能な業務を委託することです。第一の目的は「コスト削減」です。人材不足による外注も、人材コストとの比較考量の結果としての外注という意味では「コスト削減」の一種になります。
アウトソーシングは、企業のトータルでの成長を考えた時に、自社内で行うよりも、コスト削減効果に限らず、何らかのベネフィットが得られる(効果が大きい)と判断されたときに、業務プロセスやアウトプットを含めて戦略的に業務委託することです。
いちばは、定期的に人が集まって、商品(実物)の取引が発生する場所です。
しじょうは、実物だけでなく、バーチャルでのやり取りも含めた、財貨・サービス全般の経済関係(需要と供給)をあらわした言葉です。
給与は支払う側から見た言葉で、「労働の対価」として労働者に支払う「基本給」や諸手当、賞与などを加えたものすべてを指します。
賃金は支払われる側から見た言葉で、「労働の対価」として会社から支払われる「基本給」や諸手当、賞与などを加えたものすべてを指します。ちなみに労働関係法でいう「賃金」のことを、社会保険関連法では「報酬」と呼んでいます。基本的な意味は同じです。
なお給料は、給与・賃金の総額を指すよりも、「基本給」の部分や、「手取り収入」を指すことが一般的です。
収入は、労働で得た給与・所得の全額を指します。
所得は、収入から「必要経費」を引いて残った金額のことです。所得税や住民税は、所得に対してかかります。
値段はものやサービスの値打ちを金額で表したもので、口語的な表現です。
価格もものやサービスの値打ちを金額で表したもので、文語的な表現です。
料金はサービスを受ける対価のことです。
代金は物品を受け取る代価のことです。
ちなみに金額は、数字で表される商品やサービスなどの金銭の絶対量のことです。
代価は、商品の値段のことです。
対価は、ある労働・サービスへの報酬・ギャランティ・利用料などのことです。
利息は、お金を「貸した側」が、元本に追加して受け取るお金のことです。
利子は、お金を「借りた側」が、元本に追加して支払うお金のことです。
金利は、元本に追加して支払う(受け取る)お金の割合です。
なお、「利回り」といった場合は、投資額に対する一定期間の利益率(元本からの増減率)を指します。
手形(約束手形)は、一定期間の後に現金化することのできる証書です。手形に記載されている支払い日以降であれば、額面の金額を受け取ることができます。手形を振り出した時点で現金や支払える金額が用意できない場合でも支払いに利用することが可能なため、支払い日までの資金繰りに猶予ができることが特徴です。
小切手は、即日で現金化することができる有価証券のことです。
ロイヤリティ(royalty)は、権利使用料のことで、著作権や商標権、フランチャイズの経営権の使用の対価として支払うものを指します。
ロイヤルティは(royallty)は忠義・忠誠などを表す言葉で、ビジネスではしばしば、「顧客のロイヤルティ」「従業員のロイヤルティ」のように、ブランドの愛着傾向や従業員の定着傾向などをはかる用語として使われます。
内訳は、金銭の総額や物品の総量に対して、その内容について項目別に書き出したものです。
明細は、細かい点まではっきりと詳しいことです。数量や明細を項目別に細かく書き出したもの(内訳)は「明細書」です。
捺印は、「署名捺印」の略で、署名(自筆のサイン)をした上で、判子を押すことです。
押印は、「記名押印」の略で、署名以外の方法で氏名を記載(印刷、ゴム印、代筆など)した上で(記名)、判子を押すことです。
押捺は、親指に朱肉や墨をつけて押す、「拇印」のことです。
花押は、自署の代わりに書く記号のことで、印判と区別して書半(かきはん)ともいいます。
調印は、条約の締結やビジネス協定などの取り決めで、重要な文書に捺印や押印を交わす場合に使用します。
経歴は、学歴や職歴のほか、身分や地位の変遷などの個人の経験内容です。公的なことに限り、私的な事柄は含まないことがふつうです。
履歴は、学歴や職歴などの経験内容を指します。また、趣味や特技など、私的な事柄を含むこともあります。
経理は、「経営管理」の略で、会社の日々の「お金の流れ」を管理することです。仕入れや売上といったお金の管理、財務諸表の作成、減価償却、給与・社会保険料の管理、税務などお金の出入り全般を取り仕切ります。
会計は、会社全体の「お金の流れ」を把握し、記録することです。管理会計として現在の経営情報をお金の面から経営者へ提示するほか、財務会計として自社の利害関係者に経営情報を開示します。
財務は、会社の活動に必要な「お金の使い方」を調整することです。経理に基づいた会計情報を材料に、資金調達や資金運用を行い、予算管理を担います。
広告は、自社の商品やサービスを「認知」してもらうことです。
宣伝は、自社の商品やサービスを「購入」してもらうようにメディアを通じて一般大衆に促すことです。
広報は、自社からの直接的な情報発信、またはメディアに自社の情報を発信(紹介記事や番組で取材内容を取り上げる)してもらうための活動です。
PRは、Public Relationsの略で、字義通り「公衆」との良好な「関係性」を築いていくことで自社への興味関心を高めていく活動を指します。広義では「広報」と同義に扱われることも多いです。
広告・宣伝は広告宣伝費を外部に支払う必要があるのに対し、広報・PRは基本的には自社発信を行う部分については(内製化のため、外部に対して)コストを掛けずに行うことができるという違いがあります。
発売は、市場に商品を売り出すことです。
販売は、顧客に商品を売ることです。
発売日は、新商品が市場で売り出される日です。
販売日は、商品を店で売る日(およびその期間)です。
製造元は、ある商品を製造したところ(企業)です。
発行元は、出版・メディア業において、その商品の制作・販売を担うパブリッシャーです。
発売元は、その商品の企画を担い、版権や商標などの使用権利を有したライセンシーです。また、製造とは別に流通部分のみを担う会社を指すこともあります。
販売元は、実際にその商品を小売店へ卸す会社です。
製造販売元は、その商品の製造・販売を行っている会社です。医薬関連品においては、薬機法に基づいてその商品の品質・安全性・有効性などについて最終的な責任を負う企業です。
倒産は、資金繰りの悪化や債務超過によって経営資金のやりくりがつかなくなって、支払い不能状態となり、事業継続が不可能になることです。 「経営破綻」は倒産のことを指すことが多いです。
破産は、倒産によって経済的に破綻し、財産をすべて失うことです。また、債務者が債務を完済できなくなり、法的に債務清算を行うことです。
廃業は、業績不振や後継者不足などの課題により事業の継続が難しくなった時に、活動を自主的に停止することです。
清算は、事業終了後に資産整理をすることです。
解散は、事業終了にともない、会社の法人格や組織体を消滅させることです。
週休二日制は、1年を通して月に1回以上、2日間の休みがある週があって、その他の週は週に1日以上の休みがあることを指します。2日の休みがある週が月に1回だけでも「週休二日制」である点に留意しましょう。
一方、完全週休二日制は、毎週必ず2日の休みがあることを指します。曜日が明記されていない場合は、土日が休みになるとは限りません(どの曜日が休みでもよいため)ので、こちらも留意が必要です。なお、「 休日:完全週休二日制(土、日、祝日)」と記載のある場合は、祝日のある週は「祝日は休み」だが、土日のどちらかは勤務日であるということです。「休日:完全週休二日制(土・日)、および祝日」とは違いますので(この場合 、土日は必ず休みになる)、表記の違いをよく覚えておきたいものです。
収穫前の青々とした田んぼの収穫量を見越して米を早めに買い取ることを「青田買い」と言います。転じて、対象となる学生の可能性を見越して、早めに内定を出す(人材確保をする)企業の採用活動の意味に使われるようになりました。
一方の青田刈りは、まだ稲の実っていない敵地の青田を刈り取り、敵の食糧を奪い、相手を弱らせる行為です。採用活動の用語としては誤用ですが、大量離職を見越して早めに採用活動をし、大量に内定を出すようなケースは 、ある意味で「青田刈り」と言えるかもしれません。
路線価は、国税庁が毎年調査する「相続税路線価」と、都と市町村が3年に1度調査する「固定資産税路線価」があって、単に「路線価」といったときは「相続税路線価」のことを指します。1月1日時点の土地の価格で、路線(道路)に面する土地の1平米当たりの価格を指します。いずれも公示地価と連動しており、相続税路線価は公示地価の8割程度、固定資産税路線価は公示地価の7割程度となっています。
公示地価は、国土交通省の土地鑑定委員会が調査するもので、各地域で「標準地」を定め、そこが更地と仮定したときの毎年1月1日時点の土地価格を算定します。標準値1平米当たりの価格が公示されます。
基準地価は、都道府県が調査するもので、毎年7月1日時点の「基準地」(公示地価の標準地と同義)の1平米当たりの価格を指します。公示地価は都市部やその周辺地域を中心に公示されるため、基準地価はその補完的な指標ともなっています。
これらも加味しながら実際に取引された土地の価格のことを、「実勢価格」と呼んでいます。
いずれも、行政機関が法規に基づいて、私人の具体的な権利義務に対して、一方的に公権力を行使する法的規制を伴う行為(行政行為、行政処分)です。
認可は、第三者の行為を補充して法律上の効力を完成させる行政行為です。「認可」を受けないでした行為は法的には「無効」となりますが、処罰の対象にはなりません(その場合、「無認可」ではあります)。
許可は、ある行為が一般的には(デフォルトでは)禁止(不作為義務)されているときに、特定の条件でそれを解除して、許可を受けたものに限って適法にその行為ができるようにする行政行為です。「許可」を受けないでした行為は処罰の対象となることがあります。
特許は、特定の個人や法人に対して、特定の権利を与える行政行為です。また、「特許権」を与える行政行為です。
免許は、一般的には(デフォルトでは)禁止(不作為禁止)されているある特定のことをすることを、特定の場合、特定の人だけに許す行政処分です。また、権利能力や行為能力をすることを認める行政行為としても使われることがあります。
行政行為は、行政機関が、行政目的を実現するために法律によって認められた権能に基づいて、「一方的に」国民の権利義務その他の法律的地位を「具体的に」決定する行為です。
行政指導は、行政機関が、その任務や所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するために、特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為で、「処分」に該当しないものを指します。平たく言えば関係する私人への「任意」の「協力」に対する「要請(お願い)」です。
精密は、「細かい点まで注意が行き届いていること」です。また、工業製品において、細部まで正確な寸法であることも指します。
綿密は、「詳しく細かいこと」です。また、隅々まで注意が行き届いているさまです。
ITはinformation technology(情報技術)の略称で、PCやサーバーなどのハードウェア、アプリケーションなどのソフトウェア、インターネットなどの情報技術とそれを支えるインフラ全般の技術的側面を指す言葉です。
ICTはinformation and communication technology(情報通信技術)の略称です。こちらも情報技術やインフラ全般を指す言葉ではありますが、ITと比較して技術そのものよりも「情報を伝達する」ことに注目し、技術の活用やその方法についても含む概念です。国際的にはICTのほうがより広範に使われています。
informationは、広義の「情報」です。また、データを分類・集計して、意味化したものを指します。
dataは、狭義の「情報」です。それ単体では文字や数字、記号の羅列にすぎず、ピックアップされてinformationとなることで、「意味」が付与されます。
なお、informationのうち、届ける相手にとって最適に解釈(加工)された情報がintelligenceです。
また、あるdataやinformationから知見を集約したものの集合体がknowledgeです。
オウンドメディアは、「所有メディア」のことで、自らが所有し情報をコントロールできるメディアです。広報誌や機関紙、自社サイトなどが挙げられます。
アーンドメディアは「獲得メディア」のことで、口コミで(結果的に)獲得したメディア露出のことです。FacebookやXでの言及、Youtubeでの(案件でない)言及(いわゆる「勝手に紹介」)など、自然発生的なものが挙げられます。狙ってアーンドメディアに載せることは難しいものの、著名なインフルエンサーのアンテナに引っ掛かった発信があると、ときにほかのメディアにない爆発力も秘めています。
ペイドメディアは、従来型の「有料メディア」です。広告費を支払うことでネットメディア、テレビ、新聞や雑誌に自らの商品や主張を掲載することによるマスへの広告効果を狙います。
ローンチは、「新発売」「新サービス開始」「新規立ち上げ」「新規参入」などの意味です。商品やサービス全般に使われます(金融業界では有価証券の起債の発表を指します)。
リリースは、「新規公開」「新規発表」など、どちらかというと無形のものに使われることが多いです。
また、ICT系のサービスでは、次のような用語もよく使われているので簡単に違いをみてみましょう。
リデュースは、製品を作るときに使う資源の量を少なくしたり、廃棄物の発生を少なくしたり、省メンテナンス化を図ったりすることです。
リユースは、使用済の製品などをそのまま再利用することです。
リサイクルは、廃棄物を原材料やエネルギー資源として有効利用することです。
SDGsは「Sustainable Development Goals」のことで、「持続可能な開発目標」です。国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核概念で、17の目標と169のターゲットが設定されています。
ESGは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)を表しています。企業が成長し続けていくために配慮することが必要な3要素とされ、企業がESGに配慮しながら活動をすすめていくことが、SDGsにつながっていくという文脈で、SDGsとESGは密接不可分な関係にあります。成長企業への投資用語としても使われます。
CSRはCorporate Social Responsibility(企業の社会的責任)を意味し、「企業はステークホルダーのみならず、社会全体の影響(外部経済・外部不経済)を意識した経営・意思決定を行っていく必要がある 」というニュアンスが込められた言葉です。
CSRの活動の中にESGの考え方があり、ESGの結果がSDGsにもつながっていく、というイメージでしょうか。
紛争は、対立する者同士が争いごとやもめ事で争う状態です。武力を用いた紛争は「武力紛争」です。
戦争は、武力を用いた紛争のことで、軍隊と軍隊が兵器を用いて闘うことです。しばしば国家間の武力紛争を「戦争」と呼ぶことが多いです。
戦闘は、兵力を用いて敵に攻撃を加えたり、防御したりする戦いの行為です。
戦乱は、戦いによって国が乱れることです。また、戦争と同義でも用いられます。
動乱は、世の中を乱すような暴動や、戦争のことです。
兵乱は、戦争の文語的表現です。
戦火は、戦争による火災や、戦闘のことです。
戦禍は、戦争による被害や、災難のことです。
役は、軍事的目的をもった、組織的な戦闘行為のことです。領土を守るための辺境の地での戦いや、外国や異民族を相手にした戦い、外征に用いられます。
陣は、特定の戦闘や包囲戦を指す言葉です。
変は、突発的な事件や事変、特に宮廷や幕府など政府内部で起こった、小規模であっても政治的影響の大きい事件、政治的変動やクーデターを指します。
乱は、戦いや暴動による社会秩序の乱れ、とくに内戦や反乱、内紛です。
戦いは、戦争や軍隊同士の大規模な戦闘のことです。歴史では、「変」や「乱」、「役」に当たらない争いを指します。
合戦は、敵味方が出合って戦うこと、軍隊同士の大規模な戦闘のことです。
戦は、戦争や戦いの古風な表現です。
内乱は、国内の騒乱のことです。また、反政府勢力と政府のと武力闘争のことです。
反乱は、権力や支配者に背いて、武力行動を起こすことです。
謀反は、ときの為政者に反逆することです。また、国家や君主に背いて挙兵することです。
外戦は、外国との戦争です。
内戦は、国内における同じ国民同士の戦いです。
内紛は、本来仲間であるもの同士が互いに争うこと、内輪揉めをすることです。
騒乱は、事変によって、社会の秩序が混乱することです。
争乱は、争いが起こって世の中が乱れることです。また、世の中を乱す争いについてもあらわすことばです。
事変は、突発的な騒動など、非常な出来事(変事)です。また、騒乱のなかでも、警察力での対応が限界で、軍隊の出動が必要となる規模まで拡大した騒乱のことも指します。このほか、宣戦布告がない状態ではじまる、国家間の戦闘行為(実質的な戦争状態)も「事変」です。
騒擾は、集団で騒ぎを起こし、社会の秩序を乱すことです。
擾乱は、入り乱れて騒ぐこと、また、秩序を搔き乱すことです。
暴動は、群衆が暴徒(徒党を組んで乱暴を働く者ども)となって騒動を起こし、社会の安寧を乱すことです。
騒動は、もめごとや争いのことです。また、多人数が騒ぎ立てることで秩序が乱れる事件や事態を指します。
闘争は、「争闘」ともいい、相手に対して勝つべく争うことです。また、社会運動や労働運動で、権利を獲得したり、要求を得るために争うことです。
戦うは、武器や力を使って争うことです。戦争やスポーツの試合、選挙、ビジネスなど相手と優劣を比べたり、勝負をつけるときに使います。
闘うは、困難や障害などと向き合い、それを克服するために争うことです。
争うは、相手に勝ろうとすること、また抵抗することなどを指す言葉です。
クーデターは、支配階級内での権力闘争で、支配階級の一部が非合法の武力行使によって、既存の政権を奪うことです。
革命は、被支配階級が支配階級を倒して政治権力を握り、政治・経済・社会体制を根本的に変革することです。
反乱は、権力者や支配階級に背いて武力蜂起することです。
テロは、「テロリズム」の略称として使用する場合は、政治的な目的を達成するために、暗殺や暴行、粛清、破壊活動などの直接的な暴力や、その脅威に訴える手段を指します。「テロル」の略称として使用する場合は、暴力的な行為やその脅威によって、敵対者を威嚇すること、またその手法で統治する政体によってなされる恐怖政治のことを指します。
ゲリラは、小集団による奇襲・不意打ちによって、敵を攪乱させることです。
資本主義は、生産手段(資本)を私有する資本家が、労働者の労働力を使って、投下資本以上の利潤を得る経済構造です。利潤追求を原動力とする自由競争によって市場メカニズムを動かし、社会全体の利益を増大させることが志向されます。
社会主義は、生産手段(資本)の社会的な共有と管理によって平等な社会を実現しようとする思想です。しばしば、共産主義の前段階として捉えられます。
共産主義は、財産の私有を否定し、生産手段(資本)だけでなくその生産物も含めてすべての財産を社会的に共有することで、貧富の差のない平等な社会を実現しようとする思想です。階級も消滅し、各人は能力に応じて働き、必要に応じて分配を受けることが志向されます。
誘拐は、言葉巧みに騙すなどして誘い出し、連れ去ることです。
拉致は、暴力や強迫などによって強制的に連れ去ることです。
緊急事態は、何らかの危険なことが差し迫っており、一刻を争う状態(すぐに対応しなければならない状態)のことです。日本の「緊急事態宣言」は、私権制限を伴わず、一般国民にひろく注意・警告を伝えるものです(外出自粛要請など。あくまで「自粛」の「要請」にとどまる)。
非常事態は、平常時とは異なり、危機的な状態であることです。海外の「非常事態宣言」は、一般的には私権制限を伴い、一般国民にひろく行動上の制約を課すものです(夜間外出禁止令など)。
原爆は原子爆弾のことで、ウランやプルトニウムの原子核の核分裂連鎖反応によって得られる巨大なエネルギーを利用した核兵器です。
水爆は水素爆弾のことで、重水素やトリチウム(三重水素)の核融合エネルギーを利用した核兵器です。放出エネルギーは原爆よりも巨大です。
ベクレル(Bq)は、放射性物質が放射線を出す能力(放射能の強さ)を表す単位です。1ベクレルは1秒間に1つの原子核が崩壊(壊変)することを表します。
グレイ(Gy)は、放射線のエネルギーが物質や人体に吸収された量を表す単位です。1グレイは1kgの物質が放射線により1ジュールのエネルギーを受けることを表します。
シーベルト(Sv)は、人体が受けた放射線による影響の度合いを表す単位です。
放射線は、放射性物質から放出される粒子や電磁波のことです。
放射能は、放射線を出す力(能力)のことです。
放射性物質から放射線を受けることを「放射線被爆」、放射性物質によってヒトや物、場所が汚染されることを「放射能汚染」と呼びます。なお、体外の放射性物質からの被爆を外部被爆、体内に取り込まれた放射性物質による被爆を内部被爆と言います。
平和は、戦争や災害などがなく、穏やかな状態です。
和平は、戦争や災害などの悪い状態から、平和な状態になること(すること)、すなわち「状態の変化」を表します。
フリーダムは、生得的な「自由」で、「したいことをしたいときに振舞う」ニュアンスです。
リバティは、獲得的な「自由」で、「束縛からの自由」「行動の自由」など、能動的に「勝ち取った」権利というニュアンスです。
いずれも、「在外公館」の一種で、外交を行う拠点です。
大使館は、各国の首都におかれ、その国に対して日本を代表する在外公館です。現地政府との交渉・連絡、政治経済社会や軍事情報の収集・分析、広報・交流、邦人の生命財産の保護を任務としています。内閣が任命し、天皇が認証する認証官であり、外交使節団の長である大使(特命全権大使)がトップです。
公使館は、大使に次ぐ地位の公使を長とする在外公館です。日本においては、公使館がすべて大使館に昇格されているため、日本の在外公館としての「公使館」は現存しません。
総領事館は、世界の主要都市におかれ、当該地域に在留する邦人の保護、各種情報の収集・分析、広報・交流、通商関連の処理を任務としています。
なお、日本においては、格上げにより「領事館」はすべて「総領事館」となっていますが、総領事が館長のものが「総領事館」です。領事が館長のものは「領事館」、副領事が館長ならば「副領事官」、代理領事が館長の場合は「代理領事事務所」と呼ばれます。
政府代表部は、国際機関における日本政府の代表機関のことで、国連やOECD、EUなどに日本の政府代表部がおかれています。
義援金は、被災した自治体の義援金配分委員会によって、寄付金の100%が公平に被災者に直接渡されます。被災地での支援団体の活動資金には使われません。
支援金は、被災地で活動する支援団体(各機関、NPO、NGO、ボランティア団体)の活動資金として使われるお金です。被災者に直接渡されるものではありません。 なお「寄付金」といった場合、多くは「支援金」の意味合いで使われることが多いようです。
募金は、金銭を募って集めることです。
寄付は、金銭を贈ることです。
邦人は、「自国の人」の意味です。
日本に住んでいる日本国籍を有する人のほか(当然ですが)、外国にいる日本国籍を有する人のうち、短期滞在者(旅行者など)はふつう、日本人と呼称します。
日本人のうち、外国での長期滞在者(在留者)が「邦人(海外在留邦人、在外邦人)」です。もっとも、外国にいる日本人そのものを「邦人」と呼ぶこともあります。
海外は、(多くは島国における)国外のことです。日本においては、日本以外の国や地域を指す場合が多いです。
外国は、ある国にとって、その国以外の国(自国以外の国)のことです。1つ、あるいは複数、または自国以外すべての他国を指します。
国外は、国の外のことです。「外」は必ずしも「国」であるとは限らず、例えば公海上や南極大陸も「国外」です。
総理は、内閣総理大臣の略称です。
首相は、行政機関のトップを指す通称です。古来、君主を支える大臣(相)のトップ(首長)なので「首相」です。海外の行政機関のトップも「首相」と呼ぶことがあります。なお日本国憲法上は「首相」という表現はありませんが、メディアにおいては「首相」の呼称がひろく定着しています。
連立政権は、議院内閣制の下で、2つ以上の政党によって内閣が構成される内閣のことです。「閣内協力」とも言います。対義語は「単独内閣」です。
閣外協力は、内閣には閣僚を出さないものの、連立政権を構成する政党として、政策協定に基づいて政権を担うことです。
部分連合は、与野党が協議し、特定の政策単位で法案成立などに協力することです。「パーシャル連合」とも言います。連立政権や閣外協力ではないため、原則として与党と野党間の対立関係は維持されていることが特徴です。
与党は、政党政治において政権を担当する政党です。政権与党、政権党とも言います。
野党は、政党政治において政権を担当しない政党です。
第一党は、ある議会でもっとも議席数の多い政党です。また政党政治において、政権を担当する政党(与党)を指すこともあります。
比較第一党は、ある議会で過半数には達しないものの、議席数が最多の政党です。
少数与党は、議院内閣制において、与党が議席の過半数を獲得していない状態です。
政党は、ある共通の政治的な目的を持つ人々によって組織された政治団体です。なお政党助成法における政党要件を満たした政党を、「国政政党」と呼びます。
会派は、国会内において、活動を共にする国会議員2名以上で結成される団体(院内団体)です。会派の所属議員数によって委員会の議席数や、発言や質問の時間配分、法案提出権などが決まるため、無所属も含め、政党の枠組みとは異なる構成で会派が結成されることもしばしばあります。
法は、国家の秩序維持のため、国家が設ける、国家の強制力を伴う社会規範です。
憲法は、国の最高法規であって、その上記に反する法律・命令・詔勅・国務行為は、その効力を有しません。
条約は、国際的な取り決め(国際法)であって、日本では憲法において「条約の誠実な遵守」を定めています。学説上は、法律に優位する法形式とされています。国会が承認した条約に基づき国内法を制定し法環境を整備する必要がある条約と、条約締結を国会が承認することで そのまま国内法として機能する自動執行条約とがあります。
法律は、国会が定めた国法で、国会の議決を経て制定されます。学説上は、憲法と条約の次の効力を持つ法規範で、国民はそのルールに拘束されます。
法規は「法律や、規則(ルール)」のことです。特に、国民の権利や義務に直接関連するルールを指すこともあります。
法令は、「法律」と、国の行政機関が制定する「命令」の総称です。このほか、条例や地方公共団体の規則を含める場合もあります。
命令は、国の行政機関によって制定される規則のことです。厳密には、「行政機関の定める、法律の委任を受けた法規」のことで、「行政立法」ということもあります。政令や内閣府令、省令などがあります。法律よりも下位で、政令は内閣府令・省令よりも優位です。
政令は、内閣が制定するもので、憲法や法律を実施するために制定するルールであり、「施行令」として法律から委任された事項について規定します。
省令は、各省が所管し、各省大臣が担当する行政事務について、法律や命令を実施したり、法律や政令によって委任された事項を遂行するために定めるルールで、「施行規則」として法律や施行令(政令)から委任された事項について規定します。
条例は、法律の範囲内で制定するルールです。地方自治法に依っては、地方公共団体が制定する「自治立法」のことを指し、地方議会の議決によって制定し、当該の地方において適用されます。
規則は、省の外局である庁の長(長官)および行政委員会、ならびに人事院や会計検査院が定める命令です。法律や政令よりも下位の効力です(ただし、三権分立の観点から、議員規則および最高裁判所規則は、政令の下には位置づけられません)。
なお、地方公共団体の長(首長)が発する命令のことも「規則」と呼称します。自治立法としての条例よりも下位の効力で、地方議会の議決を経ずに制定することが可能です。
詔勅は、天皇の意思を表示する文書の総称で、詔書・勅書を含みます。
詔書は、天皇が発する公文書です。日本国憲法下では、国会の召集・衆議院の解散・総選挙の施行の公示など、天皇の国事行為の形式として定められています。律令制では、改元など臨時の大事の際に発せられた天皇の詔として発せられた文書のことです。
勅書は、天皇が発した勅命(勅諚)を下達する文書です。勅旨と同意で、律令制では尋常の小事に用いられました。
勅語は、天皇のおことばです。明治憲法下では、天皇大権のもと、(国務大臣の副書によらず)直接国民に発せられたおことばをあらわします。
宣命は、(漢文ではなく)宣命書きによって記された、天皇の命令を伝える文書の様式です。
通達は、法令を運用するうえでの留意点について、上位の行政機関が下位の行政機関に伝える指示のことです。
告示は、法律や条例、規則に基づいて行われる、行政機関から国民・住民への周知事項です。代表的な告示である「常用漢字表」などは一般的には法令そのものとは見做されませんが、「学習指導要領」などのように、当該の告示が法的性格を有すると解釈されるものもあります。
公示は、天皇の国事行為となる国政選挙(衆議院の総選挙と、参議院の通常選挙)のときに使われる特別な言葉です。国政補欠選挙や、地方選挙はすべて「告示」を使用します。
公告は、法律や条例、規則の命令には基づかず、広く国民(住民)に公表することです。
ガイドラインは、法令に基づいて実務を進めていくための指針や基準のことで、それ自体は原則として法的な性格は具備していません。ただし、行政(規制側)が民間業者に「要請」としてガイドラインを出した場合は、民間業者がそれを阿吽の呼吸で汲み取り、その意に沿うというのは、よくあることでしょう。
要綱は、行政事務を公平かつ円滑に勧めるためのマニュアル、手引きのことです。
規程は、個々の規定のあるひとかたまりの集合体を指します。
規定は、法令・法規における個々の条項の定めのことです。
公法は、国家や公益の規律に関連する法律で、国や地方公共団体の機関や組織・権限について定めたり、また国や地方公共団体と私人との関係を定めたりしています。
私法は、私人間の相互関係を定めた法律です。相互の私益を尊重する(任意規定)一方で、不公平や社会的に望ましくない事態(自由平等の関係を毀損する事態)を惹起する項目については、強制的に相互の取引の効力を排する(調整する)規定(強行規定)も設けられます。
一般法は、一般的な(包括的な)定めをした法律です。
特別法は、限定的な(一定の期間、地域、対象に限る)定めをした法律です。特別法の規定は、一般法の定めに対して優先されます。
国税は国に納める税金、地方税は地方自治体に納める税金です。
国税は国全体で利用するもの(大規模インフラ整備、医療・福祉制度、技術研究など)に、地方税はその地域の行政サービス(上下水道、ゴミ収集、警察・消防、教育、福祉、医療・救急)の維持・提供を目的として徴収され、 その必要に応じて賄われます。
所得課税は、個人や法人の所得に応じてかかる税金です。所得は、収入から経費を差し引いたもので、所得に応じて負担(応能負担)する累進課税が採用されています。 負担者と納税者が一致することから、「直接税」の代表的なものとされます。
消費課税は、商品やサービスの提供に対してかかる税金です。消費に対して公平な負担が課され、財やサービスの提供を受けた消費者がひろく負担し、財やサービスの販売者・提供者(事業者)が納税します。 負担者と納税者が異なることから、「間接税」の代表的なものとされます。
資産課税等とは、土地や建物などの資産の取得や保有、移転などに対して課される税金です。
直接税は、税金を負担する本人が直接納める税金です。代表的なものは「所得税」です。
間接税は、税金を負担する人と納税者とが異なる税金です。代表的なものは「消費税」です。
目的税は、用途が決まっている税金です(目的外の使用はできません)。
普通税は、用途を特定しない税金です。
いずれも内閣の機関(国家行政組織)です。省は所管する業務の最大の包括的単位で、省の内部部局(官房、局)だけでは事務処理の単位が大きくなりすぎるときに、原則として政策を担う外局として「庁」や「委員会」が法の定めにより設置されることがあります。
庁は、内閣府に属して省に準ずる役割を担うもの(宮内庁、金融庁など)、省の中であるまとまった専門的な任務を担うもの(国税庁、特許庁など)、現業を担うもの(気象庁、海上保安庁など)があります。
委員会は、政治的中立を要する専門的な分野を、大臣から独立して合議体で担当する場合に設置されます(公害等調整委員会、公安審査委員会など)。
なお庁・委員会ともに、その長が国務大臣である場合(金融庁、国家公安委員会など)と行政職公務員が担う場合(国税庁、文化庁など)があります。また外局ではなく「特別の機関」としておかれる庁も存在します(警察庁や検察庁など)。
特別の機関とは、外局とは一段階下のレイヤーでまとまった組織を設置したい場合、ないしは、さらに1段階下の合議制の組織である審議会・調査会(審議会等と呼称する) のレイヤーを一段階格上げする場合に、法の定めによりおかれる組織です。
国の行政機関(内閣府と省)におかれる組織のうち、官房と局を「内局」、庁や委員会を「外局」と呼びます。
内局は内閣府と省の基本的な任務を担い、その組織は政令で定められます。
外局は府や省に準じて専門的な任務を担い、その組織は法律で定められます。
政策官庁は、政策立案を主たる任務とする官庁です。法整備や執行に必要な企画の立案を行います。文部科学省、経済産業省などが挙げられます。
現業官庁は、公共事業や現業分野での役務を行う官庁です。気象庁、水産庁、海上保安庁などが挙げられます。
執行官庁は、政策遂行に必要な行政執行を担う官庁です。国税庁、公正取引委員会、会計検査院などが挙げられます。
日本における地方政府のことで、一定の行政区画内を施政・統治します。
現在、法令上は「地方公共団体」の呼称を統一して使用しますが、憲法の章名(地方自治)や法令名(地方自治法)などから、「地方自治体」ないし「自治体」という表記もしばしばなされます。また戦後すぐの時期には「自治体警察」の制度もありましたし、 そもそも中央官庁としての「自治省」もありました。
独立行政法人は、国が直接行っていた公共的な事業のうち、「民間に委ねると実施されないおそれのある事業を国から独立した形で行うもの」と「各省庁が直接手がけないが、ある程度国の関与が必要とされる事業」のいずれかもしくは両方を担う法人です。純粋な民間企業とは異なり、半官半民の立場から、公共性の高い事業を手がけます。資金調達に関しては国の援助がないことから、事業計画に政府の監督は不要です。
特殊法人は、特殊会社の形態の1つです。特殊会社とは、国策上、公共性の高い事業ではあるものの、行政が行うよりも会社形態で行うほうが適切であると判断される会社のことで、特別法で名称や目的、営業活動の範囲が定められています。
特殊法人は特殊会社の中でも、政府から資金調達や税制においての優遇や保護を受けることから、法律に基づいて事業計画に政府からの特別の監督を受けることが独立行政法人とは異なります。
なお、特殊会社にはほかにも「認可法人」と「特別民間法人」があります。
認可法人は非政府が設立母体や発起人となって設立されるものですが、設立にあたっては特別法に基づくことが必要な法人です(日本銀行や日本赤十字社など)。
特別民間法人は、特殊法人や認可法人が特別の法によって民間法人化されたもので、国が役員を任命せず、国からの出資がない法人です。正式には「特別の法律により設立される民間法人」です。
警察庁は日本全国の警察を管理する国家組織です。警察庁のトップは警察庁長官、職員は国家公務員となります。
警視庁は、首都である東京都の警察本部組織で、他の道府県警察本部と同様に地方公共団体の組織です。トップは警視総監(道府県警は警察本部長)で、職員は地方公務員です。
「罷免」は、職務をやめさせることです。特に公務員の地位を失わせることを「免職」と呼びます。
違法は「法律に違反すること」です。
不法は、違法とほぼ同じ意味ですが、「道徳に外れること」「人の道から外れること」といった、反社会的な行為を含めた違法よりも包括的な概念もあります。 なお民放上の「不法行為」は、故意または過失によって(つまり、知っていてわざとだろうが、そんな気がしていて注意していたけれどうっかりだろうが)他人の権利または法律上保護される利益を侵害する行為を指します。
脱法は、法律(の条文に記載されている文言)に直接的には触れない方法で、法が想定している禁止行為に抵触することです。いわゆる「グレーゾーン」が近しい概念です。
非合法は、違法または不法の行為を、秘密裏に(発覚しないように)行うというニュアンスのある言葉です。
故意は、意図的・意識的なことで、「結果が発生することを認識していながら、敢えてその行為をすること」です。端的に言えば「わざと」のことです。
過失は、不注意のことで、「結果の発生を予見し、その発生を防止する注意義務を負っていたにも関わらず、注意義務を怠って結果を発生させてしまうこと」です。端的に言えば「うっかり」です。ただし、「重過失(重大な過失)」といって重大な注意義務違反があった場合は、法的に故意と同等の責任が問われる場合もあります。
物理的な暴行を加えることそのものが「暴行罪」、暴行の結果ないしは、暴行以外であっても、相手に怪我や病気(精神的なものを含む)を負わせた場合は「傷害罪」です。
自首は、事件が捜査機関に発覚する前、ないしは事件発覚後に捜査機関によって被疑者が特定される前に、自ら捜査機関に申告して処罰を求めることです。
出頭は、(罪を認める、認めないに関係なく)事件が捜査機関に発覚したり、捜査機関によって被疑者が特定されたりしてから、捜査機関・役所・裁判所に出向くこと自体を指します。
死体は生命活動が終わった亡骸を表す言葉で、人間以外にも使用します。
一方の遺体は、人間の亡骸を表します。
死去は直接的に人の死を表す言葉です。
死亡は、客観的なニュアンスが強く、主に報道や公文書などで使用されます。
逝去は死去した人へを敬うニュアンスを込めた言葉で、第三者が使用します。
「亡くなる」は、どちらかというと身内が使用するニュアンスの言葉ですが、第三者も使用することが多い言葉です(その場合は、「お亡くなりになる」や「亡くなられる」がより丁寧とされます)。
永眠は死去の婉曲的表現です。身内・第三者のどちらでも使用できます。喪中はがき等でよく使われる表現です。
他界も婉曲的表現です。仏教の影響がある言葉といえるでしょう。身内・第三者のどちらでも使用できます。こちらも、喪中はがき等でよく使われます。
昇天も婉曲的表現です。キリスト教の影響がある言葉です。
身罷るも婉曲的表現の1つです。なお、第三者に使用する場合は「身罷られる」となります。
「息を引き取る」は、闘病の末など、どちらかというと急逝でないときに使われることが多い表現です。
いずれも、不祝儀袋の表書きとするものです。
通夜から三十五日の法要までは、「御霊前」です。宗教や宗派を問わず使うことができます。
四十九日以降は、仏式の場合は「御仏前」です。神式の場合は「御神前」や「御玉串料」です。キリスト教の場合、カトリックでは「御ミサ料」、プロテスタントでは「御花料」となります。
ほかに「御香料」「御香典」は葬儀・法要ともに使えます。
検視は、事実関係を調べることです。また特に、変死があったときに、その状態や環境などを踏まえ、犯罪性の有無を調査し、判断する刑事手続きのことです。
変死(異常死)があったときは、強制的な検視が行われます。この際は、「死亡診断書」ではなく「死体検案書」による火葬許可申請が必要となります。 犯罪性があるときは「司法検視」、ないときは「行政検視」となります。
検死は、死体について調べる際の、「検視・検案・解剖」を含んだ言葉です。
検案は、遺体の外表面を調べ、死因や死亡時刻を医学的に判定することです。
いずれも、変死があったときに行われるもので、死因や犯罪性を検視・検案では判定できないときに行います。
司法解剖は、犯罪性が明確またはその疑いがある場合に、裁判所の許可を得て行われます。
行政解剖は、犯罪性が認められないものの、監察医や警察医による検案等の結果、死因が特定できない場合に遺族の承諾を得て行われます。
新法解剖は、「死因・身元調査法」に基づき、犯罪と無関係の変死において、警察署長や海上保安部長の判断によって、死因を明らかにする目的で行われます。
容疑者は、犯罪の容疑をもたれた者を指します。マスコミは「容疑者」と報道することがほとんどですが、法律では「被疑者」と呼称します。
被疑者は、現時点で起訴されておらず、犯罪の嫌疑を受けて捜査機関の捜査対象になっている者を指します。起訴されると「被告人」(被告)に、刑を受けると「受刑者」や「死刑囚」と呼ばれます。
逮捕は、被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐために被疑者の身柄を強制的に拘束することです。逮捕には、一般的な逮捕(裁判所によって逮捕理由と必要性が認められ、逮捕令状の発布をもって逮捕すること)である「通常逮捕」、 重大な犯罪において、逮捕状の請求の時間がない場合の「緊急逮捕」(この場合は事後的に逮捕令状が必要となる)と、(犯罪行為が行われていることが自明であって)逮捕令状が不要な「現行犯逮捕」の3種類があります。逮捕後も逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断された場合は、さらに勾留となります。
検挙は、捜査機関が犯罪者を特定し、「被疑者」として扱うことです。逮捕だけでなく、書類送検や微罪処分をした場合も含めて使われます。
書類送検は、警察から検察への「送致」と呼ばれる手続きの1種です。警察は、微罪処分としない限りにおいて、捜査した事件を原則としてすべて検察に送致(事件を引き継ぐ こと)します。逃亡や証拠隠滅の恐れがあるために被疑者の身柄を拘束して捜査書類と証拠物を検察に送致することを「身柄送致」、逃亡や証拠隠滅の恐れがないため被疑者を拘束せずに捜査書類と証拠物を検察に送致することを「書類送検」と呼びます。
摘発は、犯罪の事実そのものや犯罪を行っている団体などを公表し、知らしめることです。
いずれも、広義の「牢屋(牢獄・牢)」に含まれ、その意味内容は「罪人を入れておく場所」です。
留置場は逮捕した被疑者を取り調べるために留置する施設で、警察署の中にあります。いわゆる「ブタ箱」です。
拘置所は未決勾留中の刑事被告人および死刑囚を拘置するための刑事施設です。警察ではなく、法務省の管轄です。
刑務所は、自由刑(懲役・禁固、新しく導入される拘禁など)が確定した受刑者を収容する刑事施設です。かつての「監獄」です。
検察官は、検事総長・次長検事・検事長・検事および副検事の総称です。検察官の中の1つの地位が「検事」です。
裁判官は、最高裁判所長官・判事、高等裁判所長官、判事、判事補、簡易裁判所判事の総称です。裁判官の中の1つの地位が「判事」です。
失踪は、事件や事故ではなく、突然行方不明になることです。近しい人には行方をくらました理由が(何となくでも)推測できる状態です。
蒸発も、事件や事故ではなく、突然行方不明になることです。しかし、近しい人でも理由や動機が推測不可能な時に使います。
懲役は刑務作業が義務付けられた拘置刑で、禁固は刑務作業が義務付けられていない(希望により刑務作業を行うことは可能)拘置刑です。
なお2022年に国会で成立した改正刑法によって懲役と禁固を一本化した「拘禁刑」が創設され、懲役刑と禁固刑は廃止されます。
「捕まえる」は、自分から遠ざかっていく相手が逃げないようにしっかりと押さえたり、引き止めたりすることです。
「捕らえる」は、逃げないように、相手の動きを押さえて止めることです。やや文語的な表現で、抽象的な概念を意識下で掌握することにも使用します。
防衛省の内局官僚(文官)を背広組、自衛隊の幕僚監部(武官)を制服組と呼びます。 一般組織で言うところのスタッフ部門とライン・現業部門をアナロジーとして見立ててみるとイメージしやすいかもしれません。
抵当権は、ローンで不動産を購入する際に、その不動産に対して金融機関が設定するものです。ローンの返済が滞った場合は金融機関はその不動産を差し押さえることで債権を回収します。ローン完済後は、抹消登記が行われます。
抵当権の一種である根抵当権は、極度額(上限となる額のこと)を定め、その範囲内で借り入れと返済を繰り返すことのできるものです。また、抵当権とは違って連帯保証人を設けることができない、債務が完済されても賃借人と金融機関との間で双方の合意がない限り抹消できないなどの差があります。
「Uターン」は、地方出身者が大学進学や就職などで都市部に移住した後で、再び就職や転職、結婚などで地元に移住することです。
「Iターン」は、就学、就職や転職、結婚などで出身地ではない場所へ移住することです。都市部から地方、または地方から都市部への移住の両方を指します。
「Jターン」は、地方から都市へ移住した後、「完全に地元」とまでは言わないが、地元に近い地方に移住することを指します。
「学ぶ」は勉強や学問をすることです。語源は「まねぶ」で、真似たり見習ったり経験したりすることで知識や技芸を身につけることです。
「習う」は知識や技術などを教えを受ける(教わる)ことです。「慣らう」や「馴らう」とも書き、教わったことを繰り返し練習・稽古・経験を積むことで習得することです。
「稽古」は、先生について繰り返し習うことです。
「倣う」は、あることを見本や手本として、それに従ったり、真似したりすることです。
見本は、具体的な例のことです。
手本は、習う人が見習うべき(真似るべき)ものごとのことです。それが書いてある書物も指します。
模範は、「見習うべき手本や則」のことです。「手本」と比して、見習うべき理想の「状態」を含んだニュアンスが強いです。
博学は、多種多様な学問・知識に通じていることです。
碩学は、修めた学問・知識が広く深いことです。
顕学は高名な学問・学派や、有名な学者を指す言葉です。
博識は、広く物事を知っていること、知識の幅が広いことです。
見識は、物事についての鋭い判断から、すぐれた考えや意見を具備していることです。また、「物の見方」そのものを指すこともあります。
教育は、教えることで知能や技能をつけたり、才能や能力を伸ばす行為です。
学習は、教育機関や師について、学問や技芸、技能などを系統立って学ぶこと、勉強することです。また、経験をもとにあることに適応することです。
覚えるは、習得すること、または意識におかれることです。前者は「単語を覚える」「運転を覚える」、後者は「覚えがめでたい」「怒りを覚える」ですね。
憶えるは、記憶することです。「名前を憶える」ですね。常用漢字外のため、同義で「覚える」も通用します。
洗脳は、暴力など、強制的な行為によって思想を改造することです。
マインドコントロールは、(当事者からみて)一見すると強制力がないように見せかけながら、(自発的にその行為や思想を自然とするように)思想を改造することです。
先生は、学問や技術・芸能を教える人です。学校で教える先生を特に「教師」と呼びます。医師や弁護士など、主に士業の人々や地元の名士への敬称にも使います。
師匠は、学問や武術・芸術・遊芸の師です。
コーチは、運動などの技術を指導・訓練する人、またはその人です。原義は「馬車で、人を目的地まで連れていく人」、転じて「ゴール達成に向かえるよう、能力を引き出す人」を指します。
トレーナーは、競技の練習を指導する人です。多くは、選手の心身のコンディション・コントロールの役目も担います。
インストラクターは、スポーツや技術の指導を行う人です。日本語では「指導者」とも言います。
学校で教える教育者全般、学術や技芸を教授する人、宗教の指導者や宣教師などが「教師」です。
教諭は、教員免許を持ち、幼稚園・小中学校・高等学校・特別支援学校などの文部科学省の管轄にある教育機関で教育を行う教師です。
いずれも学校教育法で定められた大学教員の役職です。
教授は、独立した研究者・教育者として専門分野の研究活動と学生教育を主業務とする役職で、大学や学部運営にも関わります。
助教授は、「教授の職務を助ける」役職でしたが、2007年以降は「准教授」と改められました。独立した研究者・教育者として専門分野の研究活動と学生教育を主業務とする役職で、教授に次ぐ職階です。
講師は、教授・准教授に次ぐ大学教員で、常勤の専任講師と非常勤の兼任講師とがあります。
助教は、講師に次ぐ大学教員の職階です。自身の研究活動と学生の指導を担います。
助手は、教授・准教授・講師・助教の研究や学生教育を円滑に進めるためのアシスタントで、授業は担当しません。
児童は子ども、生徒は学校教育を受ける者、学生は学業を修める者、をそれぞれ指します。 なお通う学校の学齢に応じて、小学生が児童、中学生・高校生が生徒、大学生・短大生・大学院生・高専生は学生と呼びます。
ちなみに、生後28日未満の赤ちゃんは新生児、1歳未満の赤ちゃんは乳児、1歳以降~就学前の子ども(幼稚園児・保育園児)は幼児、専門学生は生徒です。
このほか、「児童福祉法」「児童の権利に関する条約」などこどもに関する条約や法律での「児童」は原則18歳未満を、道路交通法では6歳~13歳未満までを「児童」と定義しています。
また「学生割引」といったときの「学生」は、通っている学校というよりも、「学業を修める者」に対しての割引という意味で解釈してよいでしょう。
チャイルドは、アダルト(大人)に対しての「子ども」一般を指す言葉です。英語圏ではキッズよりもかしこまった表現で使われます。
キッズは、(誰かの)子どもという意味を含まない、「子ども」一般を指す言葉です。ジュニアと対比するときは、ベビーより年上で、ジュニアよりも年下になります。なお、英語圏ではくだけた言葉です。
ジュニアは、(誰かの)子どもを指すほか、「子ども」一般も指す言葉です。キッズと対比するときは、キッズよりも年上になります。また、しばしば「シニア( 年長者・上級生)」と対比して「ジュニア」が使われます。この場合は、年少者や下級生、若手という意味合いです。
アダルトは「成人」「大人」です。
シニアは「年長者」や「上級生」という意味です。また、日本ではしばしば定年以上の年齢層を「シニア」と呼ぶことがあります。
いずれも、年齢層の別をあらわし、主に入場券や運賃などの料金区分に用いる言葉です。
大人は、成人(高校生は含まないことが多い)、あるいは小人ではない年齢層(中学生以上、あるいは高校生以上)を指します。
中人は、小・中学生です。
小人は、小学生以下を指します。
保育園は厚生労働省が管轄する児童福祉法に基づいた福祉施設で、保護者が仕事などで子どもの世話をできない乳児や幼児を保育することを目的としています。
幼稚園は文部科学省が管轄する学校教育法に基づいた教育施設で、義務教育の基礎を培うことを目的としています。
こども園は文科省と厚労省が連携し、「就学前の子どもに関する教育・保育等の総合的な提供の推進に関する法律」に基づいた幼保一体型施設で、その目的として保育施設でもあり、教育施設でもあることが特長です。
国立/公立/私立
国立は、国家が設立し、維持・管理するものです。かつては「官立」とも言いました。
公立は、地方公共団体(都道府県・市区町村)が設立し、維持・管理するものです。また私立に対して「国立」を含む場合もあります。
私立は、個人または民間の団体が設立し、維持・管理するものです。公立たる「市立」と区別する場合は、「市立」を「いちりつ」、「私立」を「わたくしりつ」と呼称します。
大学は文部科学省が管轄する学術研究・教育の最高機関です。卒業時に「学士」の学位が授与されます。
大学校は、学校教育法に基づいた大学とは異なる施設で、高等教育訓練施設を指す言葉です。大学評価・学位授与機構に認定された大学校の場合は、大学と同様に学位の取得もできます。一般的には省庁が幹部養成や専門技術や知識の研究のために設置した教育訓練施設(防衛省の防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安庁の海上保安大学校、気象庁の気象大学校など)を指すことが多いですが、民間を含め、どの施設が「大学校」を名乗ることも法的には可能です。
大学は、学術研究・教育の最高機関として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授・研究し、知的・道徳的・応用的能力を展開させる学校で、教養および学術研究の成果に基づいた専門教育が行われます。修業年限は4年で、卒業時に「学士」の学位が授与されます。
短大(短期大学)は、深く専門の学芸を教授研究し、職業及び実生活に必要な能力を育成することを目的とした学校で、大学に準じた専門教育が行われます。修業年限は2年または3年で、卒業時には「短期大学士」の学位が授与されます。
専門職大学(および短大)は、深く専門の学芸を教授研究し、専門性を求められる職業を担うために必要な実践的かつ応用的な能力を育成・展開させる学校で、理論に裏付けられた実習を重視し、幅広い知識の習得を通じて、理論と実践を架橋する教育が行われます。修業年限は専門職大学で4年、専門職短大で2年または3年で、卒業時には「学士(専門職)」や「短期大学士(専門職)」の学位が授与されます。
大学、短大、専門職大学は、いずれも国による設置認可が必要で、学位授与機関としての国際通用性を確保するための設置基準が定められています。大学・短大の設置基準は「学問重視」、専門職大学の設置基準は「実践的な職業教育重視」となります。入試(入学者選抜試験)は学力の三要素(知識・技能、思考力・判断力・表現力等、主体的に学習に取り組む態度)を踏まえつつ、能力・意欲・適性を多面的・総合的に判定します。
専門学校は、職業に必要な能力を育成することを目的に、特定職種の実務に直接必要となる知識や技能の教育が行われる学校です。修業年限は1年以上で、卒業時には「高度専門士」や「専門士」といった称号が付与されます。
専門学校は、都道府県による設置認可が必要で、大学等と比してより自由度高く設置が可能です。入試も、個々の学校がそれぞれの目的に応じて自由に選抜します。
参考文献: