遠足新報
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ドラえもんの「作中パロディ」元ネタ大全

漫画の中の「作中パロディ」といえば、
『クレヨンしんちゃん』の「サトーココノカドー(※イトーヨーカ堂)」が有名です。

有名処では『かってに改蔵』あたりになると、パロディの解説サイトまで登場していますが、
『ドラえもん』にも、時代を反映した様々な作中パロディが多数、存在しています。

有名な「フニャコフニャオ(※藤子不二雄)」、「伊藤翼(※伊藤つかさ)」からはじまり、「Dr.ストップ アバレちゃん(※Dr.スランプ)」「ペロペロキャンディキャンディ(※キャンディキャンディ)」・・・

わかるものをざっと調べてみても、<198>のパロディが見つかりました。
そこで今回は、『ドラえもん』作中のパロディとその元ネタをまとめてみました。

**

ちなみに、「ドラえもん」の作中パロディをジャンル別に分けると、このグラフのようになります。

【図:ドラえもんの「作中パロディ」ジャンル別分類】


では、リストをお楽しみください。

【表:「ドラえもん」作中におけるパロディ一覧】

巻・話 分類 パロディ 元ネタ 解説
3巻「あやうし!ライオン仮面」 商品 「中学四年生」 「小学四年生」  
商品 「カンクラッカー」
(雑誌裏広告絵)
「アメリカンクラッカー」 1971年に流行したおもちゃから。
人物 「フニャコフニャ夫」 「藤子不二雄」 有名なセルフパロディ。
どちらかというとA先生に似た風貌だが・・・。
商品 「少年ザンネン」
(p.10平積み絵)
「少年サンデー」 「ライオン仮面」を連載している雑誌。
商品 「少年キャベジン」 「少年マガジン」  
商品 「少年ザンネン」
(旧版)
「少年サンデー」 身内(小学館)の雑誌のパロディを「ザンネン」とするのはまずかったのか、後年の版では「ヨンデー」に差し替えられている。
「少年ヨンデー」(新版)
商品 「少年チャランポラン」(旧版) 「少年チャンピオン」 こちらも 「ちゃらんぽらん」がまずかったのか、後年差し替え。
「少年チャンポン」(新版)
商品 「少年ジャプン」 「少年ジャンプ」 「ジャンプ」のパロディとしての「ジャプン」は、後期まで頻出する。
テレビ 「ライオン仮面」 「月光仮面」

実写の正義の味方活劇「月光仮面」(現TBS、当時はKRテレビ、1958年)より。

同様に正義活劇「怪傑ライオン丸」(フジ、1972年)も元ネタではないかという説もあるのだが、本作の発表年は1971年であり、偶然の可能性が高い。とはいえ、ライオン丸とライオン仮面、とても似ているのは確かである。

余談だが、ライオン仮面のいとこの「オカメ仮面」は、初期『パーマン』に出演(1967年)した「オカメ仮面」をモチーフにしているのではないかという説もあることを付記しておく。

3巻「スーパーダン」 キャラ 「スーパーダン」 「スーパーマン」(R) アメリカのヒーローコミック「スーパーマン」(R)より。

「スーパー男(ダン)」ということか。

4巻「スケスケ望遠鏡」 漫画 「オバケのO次郎」 「オバケのQ太郎」 藤子不二雄の代表作。説明不要か。
5巻「バッジをつくろう」 商品 「週刊まんがヨンデー」 「週刊少年サンデー」+「マンガ少年」  
5巻「地球製造法」 流行語 ジャイアン「ばっかじゃなかろか」 「バッカじゃなかろか」 トニー谷の流行語の1つ。
5巻「うつつまくら」 企業 「ヨメイリジャイアンツ」 「読売ジャイアンツ」 余談だが、ジャイアンの野球チームの名前は「ジャイアンズ」である。
7巻「山おく村の怪事件」 地名

「高伊山」

「高尾山」 「高尾山」のパロディ地名としては、「高井山」が使われるケースが多い。この呼び名は珍しい。
8巻「人間機関車」 漫画 「のらえもん」 「ドラえもん」  
8巻「ぼく、マリちゃんだよ」 人物 「丸井マリ」 「天地真理」 歌手。
9巻「ジーンと感動する話」 人物 「西条ひろみ」 「西城秀樹」+「郷ひろみ」 アイドル。
9巻「王かんコレクション」 商品 「パンダグレープ」 「ファンタ・グレープ」  
商品 「カメコーラ」 「コカ・コーラ」  
商品 「デボリタンV」 「リポビタンD」  
商品 「コラコーラ」 「コカコーラ」  
10巻「おそだあめ」 商品 道具「おそだあめ」 「淺田飴」 のどにやさしいあのブランドがそのまま道具名に。
10巻「人間切断機」 人物 「ももぐちやまえ」 「山口百恵」 アイドル。
10巻「スピードどけい」 その他 「もういくつ寝ると夏休み。夏休みには山のぼり。海でプールでおよぎましょう。早くこいこい夏休み。」 「もういくつ寝るとお正月。お正月には凧あげて、駒を回して遊びましょう。早く来い来いお正月。」 童謡「お正月」(作詞:東くめ、作曲:滝廉太郎)より。

丸ごと替え歌というのは極めて珍しいパターン。

10巻「百年後のフロク」 漫画 「モライもんとヒロイもん」 「ドラえもん」  
漫画 「ナイン・テン」 「ツー・スリー」 当時(1975年)に「小学4年生」に連載されていた野球漫画より。聖日出夫作。
漫画 「プラスチックの靴」 「ガラスの靴」 飛鳥幸子の漫画より。こちらも当時同雑誌に収録。
その他 「ジューンのハウスセット着せかえつき」 「着せかえつき淳子ちゃんのハウスセット」 淳子ちゃんとは、「桜田淳子」のことである。こちらも当時の同雑誌の付録として収録。
10巻「XYZ線カメラ」 商品 「少年マンデー」 「少年サンデー」 曜日が1つずれているところが面白い。

以降、「サンデー」のパロディネームとして使われることが多くなる。

商品 「an man」 「an an」 本屋さんの軒先にこっそりポスターとして描かれている。一文字加えるだけで別物になってしまう好例。
人物 「スジコ スジオ」 「藤子不二雄」 p.68にこっそり掲載されている小ネタ。
11巻「テレビ局をはじめたよ」 テレビ 「ジャリっ子歌じまん」 「ちびっ子アベック歌合戦」 掲載年から考えると毎日放送の番組(1974-75年)が元であろうが、タイトルから推測すると「日清ちびっこのどじまん」(フジ、1965-69年)の可能性もある。
11巻「Yロウ作戦」 流行語 ジャイアンがのび太に渡した領収書。

「良集書 Yロウ1コたしかにうけとりました」
「ピーナツ100個受領」(ロッキード事件の某商社専務の領収書より) ロッキード事件を強烈に皮肉り、ドラえもん史上で最も時事風刺の利いた作品となっているのが、この「Yロウ作戦」である。

秘密道具の「Yロウ」がそもそも「賄賂」のもじりという・・・。

ちなみに、「1ピーナツ」が100万円である。

流行語 ジャイアン「記おくにない!」 「記憶にございません」(ロッキード事件の証人喚問で有名になった言葉より)
12巻「正義のみかたセルフ仮面」 キャラ 「あらわし仮面」 「月光仮面」  
13巻「悪魔のパスポート」 漫画 「ベルデカ」 「ベルサイユのばら」+「がきデカ」 池田理代子「ベルサイユのばら」(1972年)と、山上たつひこの「がきデカ」(1974年)より。
13巻「ジャイアンシチュー」 商品 道具「味のもとのもと」 「味の素」 言わずもがなの、有名な調味料より。
13巻「ハロー宇宙人」 キャラ 「UFOレンジャー」 「ジャッカー電撃隊」+「ゴレンジャー」 名前は違うものの、絵柄(顔がトランプのマーク)が明らかに特撮戦隊モノ草創期の「ジャッカー電撃隊」(1977年)のそれである。名前はその1つ前の「秘密戦隊 ゴレンジャー」(1975年)からであろう。
14巻「かがみでコマーシャル」 CM ドラえもん「あばら屋のドラヤキで、百円玉はかえません。あしからず。」 藤谷美和子「カルビーのポテトチップスは百円玉で変えますが、カルビーのポテトチップスで百円玉は買えません。あしからず。」 カルビー「ポテトチップス」CMより。
CM ドラえもん「あばら屋のまんじゅうは、おかしの三かん王です!」 王貞治「ナボナは、お菓子のホームラン王です」 亀谷萬年堂「ナボナ」CMより。
14巻「人食いハウス」 企業 「林永ミルク」 「森永ミルク」  
15巻「騒音公害をカンヅメにしちゃえ」 商品 「週刊少年マンデー」 「週刊少年サンデー」  
15巻「人生やりなおし機」 CM のび太のおばあちゃん「わんぱくでもいい、たくましくそだっておくれ。」 「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」 丸大ハムの流行CMより。
16巻「時間貯金箱」 テレビ 「ボロコン」 「がんばれ!ロボコン」 ドタバタ実写コメディ「がんばれ!ロボコン」(1974年)より。
16巻「宇宙ターザン」 テレビ 「宇宙ターザン」 「ターザン」 アメリカの輸入番組「ターザン」(1964年)が下敷きになっているものと思われる。
17巻「週刊のび太」 商品 「週刊少年ジャブン」 「週刊少年ジャンプ」  
17巻「未知とのそうぐう機」 映画 道具「未知とのそうぐう機」 「未知との遭遇」 スティーブン・スピルバーグ監督の映画(1977年)。
18巻「主役はめこみ機」 キャラ 「ウルトラ・ボーイ」 「ウルトラマン」 円谷プロダクションの特撮ヒーロー物の雄、「ウルトラマン」(1966年)が下敷き。
18巻「あちこちひっこそう」 映画 「十甲田山」 「八甲田山」 森谷司郎監督の映画(1977年)。原作は新田次郎「八甲田山死の彷徨」。
映画 「やさい戦艦トマト」 「宇宙戦艦ヤマト」 松本零士監督の映画版(1977)年が下地であろう。
18巻「ドラヤキ・映画・予約ずみ」 映画 「スタージョーズ」 「スターウォーズ」 ジョージ・ルーカス監督の映画(1978年日本公開)より。

以降、「スター・ウォーズ」のパロディは頻出する。

18巻「のび太の部屋でロードショー」 映画 「スタージョーズ」 「スターウォーズ」  
18巻「大氷山の小さな家」 文学 「大氷山の小さな家」 「大草原の小さな家」 ローラ・インガルス・ワイルダーの自叙伝より。
18巻「あの日あの時あのダルマ」 映画 のび太「おかあさん、おかあさん。どこへいったのでしょうねと、大さわぎしたムギワラ帽子。谷へ落としたあの帽子。」 「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ・・」 小説・映画・ドラマで有名な『人間の証明』のセリフ、そのままのパロディ。

時期的には1977年公開の映画版が下敷きになっているかと思われる。

なぜのび太がこんな高尚なパロディをしているのか、理解に苦しむところ(笑)

18巻「ガールフレンドカタログ」 人物 「河合伊奈子」 「河合奈保子」 アイドル。
18巻「お金がわいて出た話」 商品 「少年ヨンデー」 「少年サンデー」  
19巻「アスレチック・ハウス」 地名 「箱毛山」 「箱根山」  
19巻「天井うらの宇宙戦争」 キャラ 「アーレ・オッカナ王女」 「レイア・オルガーナ」 すべて映画「スター・ウォーズ」に出演するキャラクタのパロディである。

しかし「アーレ・オッカナ」だの「アカン・ベーダー」だの、よく思いつくものである。

「天井うらの宇宙戦争」は、ストーリー自体も「スターウォーズ」が下敷きで、スケールの<小ささ>が際立つ秀作となっていることを付記しておく。

この後、映画「宇宙小戦争(リストルターウォーズ)」でタイトルそのままのパロディをやってしまうのだから、F先生の「スター・ウォーズ」好きは相当なものである。

キャラ 「R3-D3」 「R2-D2」
キャラ 「アカンベーダー」 「ダース・ベイダー」
19巻「影とりプロジェクター」 人物 「郷ヒデキ」 「郷ひろみ」+「西城秀樹」 アイドル。
人物 「沢田五郎」 「沢田研二」+「野口五郎」 アイドル。
20巻「天の川鉄道の夜」 文学 「天の川鉄道の夜」 「銀河鉄道の夜」 宮沢賢治の童話より。
20巻「バランス注射」 人物 「山ざくらもも子」 「山口百恵」+「桜田淳子」 掲載当時は「さくらももこ」のデビュー前なので、氏のパロディではない。
21巻「恐竜が出た!?」 地名 「高井山」 「高尾山」 高井山は頻出する地名パロディ。

余談だが、映画「竜の騎士」では「多奈川(多摩川)」も登場する。

22巻「税金鳥」 漫画 「オバケのドラえもん」 「オバケのQ太郎」+「ドラえもん」 安直と言えば安直(笑
23巻「異説クラブメンバーズバッジ」 商品 「毎朝新聞」 「毎日新聞」+「朝日新聞」 新聞名のパロディとしてはよく見かけるものの1つである。
23巻「オキテテヨカッタ」 流行語 テレビのアナウンサー「赤いー さんごしょう。」 「青い珊瑚礁」と「赤いスイートピー」 松田聖子の有名な2曲より。
25巻「四次元ポケットにスペアがあったのだ」 人物 「田野金平」 「たのきんトリオ」 アイドル。

田原俊彦、近藤真彦、野村義男の3名の愛称。

25巻「平和アンテナ」 テレビ 「ムテキマン」 「とんでも戦士ムテキング」 フジ系列アニメ(1980年)より。
25巻「あしたの新聞」 人物 「田原聖子」 「田原俊彦」+「松田聖子」 アイドル。
人物 「河合真彦」 「河合奈保子」+「近藤真彦」 アイドル。
人物 「沢田ひろみ」 「沢田研二」+「郷ひろみ」 アイドル。
キャラ 「怪えもん」 「怪物くん」+「ドラえもん」 直球といえば直球(笑
人物 「チョコレイツ」 「キャンディーズ」 アイドル。
26巻「テレビとりもち」 商品 「コケコーラ」 「コカ・コーラ」  
CM 「ハゲランスー」 「♪アデランスー」 「アデランス」のCMより。
パロディにちょっと毒がある・・・
人物 「松田なお子」 「松田聖子」 アイドル。
商品 「DOKUSOGAN」 「毒草丸」 ・・・そのままである。
キャラ 「ウルトラセブンイレブン」 「ウルトラセブン」+「セブンイレブン」 円谷プロダクションの特撮モノである「ウルトラセブン」(1967年)が下敷き。これに当時東証1部に上がったばかり(1981年)の新進気鋭、「セブンイレブン」がくっついた。
思いつきそうで思いつかない秀逸なネーミングである。
CM 「おじさんおばさんもたいせつにしよう」 「お父さんお母さんを大切にしよう」 日本船舶振興会の有名なCM。「一日一善!」など、スローガンが頻繁に流れていた。ついぞ見かけなくなったが・・・。
CM 「本家ナンチューメン」 大橋巨泉のセリフ「なんちゅうか、本中華。」 ハウス食品の高級即席めん「本中華 醤(ジャン)」のCMより。
26巻「魔女っ子しずちゃん」 テレビ 「魔女っ子しずちゃん」 「魔女っ子メグちゃん」 朝日系アニメ「魔女っ子メグちゃん」(1974年)より。
26巻「アワビとり潜水艦出航」 地名 「四丈半島」 「八丈島」 地名パロディとしてかなり秀逸なネーミングである。作者も気に入ったのか、以降も「スネ夫の別荘のある島」の代名詞として使われる。
26巻「森は生きている」 文学 「森は生きている」 「森は生きている」 サムイル・ヤコヴレヴィチ・マルシャークの作品より。1980年にアニメ映画化もされている。
27巻「職業テスト腕章」 人物 「フニャコフニャ夫」 「藤子不二雄」  
27巻「ジャイアンよい子だねんねしな」 CM ジャイアン・スネ夫のクローン「ピッカピカの一年チェ」 「ピッカピッカの 一年生♪」 「小学館の学年別学習雑誌」の 有名な長寿CMより。


「8時だョ!全員集合」で志村けん&加藤茶も真似して、いかりや長介に怒られていたような・・。

28巻「しずちゃんの心の秘密」 地名 「田之木彦彦」 「たのきんトリオ」にさらに「田原俊彦」をかぶせる  
28巻「キャラクター商品注文機」 キャラ 「かめライダー」 「仮面ライダー」 石ノ森章太郎の特撮シリーズ「仮面ライダー」(1971年)が元。
漫画 「アサレちゃん」 「あさりちゃん」+「Dr.スランプ アラレちゃん」 室山まゆみ「あさりちゃん」(1978年)および、鳥山明「Dr.スランプ」(1981年)より。
キャラ 「バンダム」 「機動戦士ガンダム」  
漫画 「オハゲのO太郎」 「オバケのQ太郎」  
テレビ 「建設巨神イエオン」 「伝説巨神イデオン」 1980年のロボットアニメより。
28巻「のび太航空」 流行語 ジャイアン「ワー、やめろ!! 機長!!なにをするんだ!!」 副操縦士「キャプテン、やめてください!!」 日航羽田沖墜落事故(1982年)、いわゆる「逆噴射事故」の有名な言葉のパロディである。

のび太が操縦する飛行機をハイジャックしたジャイアンであったが、のび太がトイレを我慢できずに漏らしながら墜落するときに、ジャイアンが「やめろ!」と叫んでいる。

28巻「百丈島の原寸大プラモ」 地名 「四丈半島」 「八丈島」  
29巻「プラモが大脱走」 キャラ 「バンダム」 「機動戦士ガンダム」 サンライズのロボットアニメ「機動戦士ガンダム」より。
キャラ 「サブ」 「ザク」 「機動戦士ガンダム」のキャラクタより。
キャラ 「グズ」 「グフ」 「機動戦士ガンダム」のキャラクタより。

しかし「グズ」って・・・。

29巻「広 ーい宇宙で海水浴」 地名 「四丈半島」 「八丈島」  
地名 「尾の島海岸」 「江の島海岸」  
29巻「翼ちゃんがうちへきた」 人物 「丸師丸広子」 「薬師丸ひろ子」 アイドル。
人物 「でめきんトリオ」 「イモ欽トリオ」 スネ夫が一緒に写真に写っているシーンより。

「たのきんトリオ」のパロディかと思ったが、スネ夫がジャニーズのアイドルに会いに行くとも思えないので、ここは「イモ欽トリオ」ということにしておいた。

イモ欽トリオは、「たのきんトリオ」とイエローマジックオーケストラ(YMO)、そして「欽ちゃん」からもじったもの。

人気番組「欽ドン!良い子悪い子普通の子」(フジ、1981年)から生まれた、山口良一、西山浩司、長江健次からなるお笑いアイドルユニットである。

人物 「伊藤翼」 「伊藤つかさ」 アイドル。以降頻出する。ドラえもんの中後期の「アイドル」といえば伊藤翼なのだ。

画も伊藤つかさ本人に似ているし、F先生ご自身がファンであったことが推察されるところ。

人物 「田原のトンちゃん」/「トンちゃん」 「田原のトシちゃん」/「トシちゃん」 田原俊彦。
人物 「千葉県一」 「千葉真一」 アクションスター。
29巻「まんが家ジャイ子先生」 商品 「コミック少女」 「少女コミック」  
商品 「パンジー」 「マーガレット」  
商品 「ルンルン」 「るんるん」  
商品 「マンガレット」 「マーガレット」  
商品 「少女ブレンド」 「少女フレンド」  
商品 「ギャオ」 「ちゃお」  
漫画 「アンコロモチストーリーズ」 「アンドロメダストーリーズ」 ジャイ子(クリスチーネ剛田)の描いた漫画群である。

出典;
・原作:光瀬龍、画:竹宮惠子「アンドロメダストーリーズ」
・山岸涼子「日出処の天子」
・原作:水木杏子、画:いがらしゆみこ「キャンディ・キャンディ」

漫画 「日出処は天気」 「日出処の天子」
漫画 「ペロペロキャンディキャンディ」 「キャンディ・キャンディ」
30巻「実物ミニチュア大百科」 人物 「田之木彦彦」 「たのきんトリオ」にさらに「田原俊彦」をかぶせる 28巻に引き続き、再登場。
人物 松木伊代 「松本伊代」 アイドル。
人物 伊藤つばさ 「伊藤つかさ」  
人物 早目優 「早見優」 アイドル。
人物 真田ヒモ行 「真田広之」 俳優。
30巻「フエール銀行」 映画 「スペースウォーズ」 「スターウォーズ」  
30巻「ジャイアンテレビにでる!」 企業 「あけぼのテレビ」 「テレビ朝日」  
30巻「クロマキーでノビちゃんマン」 キャラ 「ミケちゃんマン」 「タケちゃんマン」 フジ「オレたちひょうきん族」(1981年)のビートたけしの人気キャラクタより。

余談だが、映画「竜の騎士」では「風雲ドラえもん城」(「風雲たけし城」のパロディ)も登場する。

キャラ 「ゴキブリ怪人」 「ブラックデビル」 同様に、「ひょうきん族」の明石家さんまの人気キャラクタより。造形的に判断した。
30巻「へやこうかんスイッチ」 人物 「伊藤つばさ」 「伊藤つかさ」  
31巻「時門で長ーい一日」 テレビ 「宇宙ターザン」 「ターザン」 16巻で打ち切り寸前のところをドラえもんとのび太が救った(1978年)おかげで、まだ番組が継続されていることが確認できる。この時点(1981年)で4年も続く長寿番組ということになる。
31巻「バリヤーポイント」 テレビ 「ジャンボーグX」 「ジャンボーグA」 現朝日系(当時はNET系)で1973年に放映された円谷プロダクションの特撮物。
31巻「まんがのつづき」 商品 「週刊少年ジャブン」 「週刊少年ジャンプ」  
漫画 「Drストップ アバレちゃん」 「Drスランプ アラレちゃん」 かなり収まりのいい、秀逸なパロディだと思う。
人物 「島山あらら」 「鳥山明」 藤子不二雄以外の作家がパロディで出演するのはきわめて珍しい。同じ「ロボットと秘密道具の漫画」として、F先生も意識されていた?
人物 「フニャコフニャオ」 「藤子不二雄」  
商品 「少年キングコング」 「少年キング」 少年画報社の週刊少年漫画誌。
商品 「少年キャベジン」 「少年マガジン」  
商品 「少年ホリデー」 「少年サンデー」  
商品 「少年ジャブン」 「少年ジャンプ」  
商品 「少年チャンポン」 「少年チャンピオン」  
商品 「てれびさん」 「テレビくん」  
31巻「改造チョコQ」 商品 「チョコQ」 「チョロQ」 この話を読むと「チョロQ」で遊びたくなる・・・。
32巻「巨大立体スクリーンの中へ」 企業 「松上電機」 「松下電機」  
人物 「伊藤翼」 「伊藤つかさ」  
テレビ 「ドキドキ動物ランド」 「わくわく動物ランド」 TBSの人気テレビ番組(1983年)より。司会は関口宏。
32巻「時差時計」 キャラ 「鉄人戦士」 「鉄人28号」、及び、「スター・ウォーズ」 タイトルこそ「鉄人28号」(横山光輝、1956年)から来ているが、テレビの画面は「スター・ウォーズ」調であった。
32巻「大富豪のび太」 企業 「四越デパート」 「三越百貨店」  
企業 「西部デパート」 「西武百貨店」  
企業 「炭友銀行」 (旧)「住友銀行」  
企業 「目本生命」 「日本生命」  
企業 「小和証券」 「大和証券」  
32巻「ほしい人探知機」 人物 「フニャコフニャオ」 「藤子不二雄」  
33巻「フィーバー!! ジャイアンF・C」 人物 「伊藤翼」 「伊藤つかさ」  
33巻「ガッコー仮面登場」 キャラ 「勉強のみかた ガッコー仮面」 「正義の味方 月光仮面」 これが中学生ののび太のセリフである。ちょっと情けなくて泣けてくる・・・。
34巻「ワの字で空をいく」 地名 「高井山」 「高尾山」  
34巻「フクロマンスーツ」 キャラ 「コンドルマン」 「正義のシンボル コンドールマン」 現朝日系(当時はNET系)で1975年に放映された特撮物である。原作は「月光仮面」の川内康範。
34巻「自動返送荷札」 漫画 「ガラスのカメ」 「ガラスの仮面」 美内すずえによる少女漫画(1976年)。
35巻「レプリコッコ」 漫画 「あばれちゃん」 「アラレちゃん」  
35巻「空ぶりは巻き戻して・・・」 漫画 「うる星ケニヤ」 「うる星やつら」+「少年ケニヤ」 高橋留美子「うる星やつら」(1978年)と山川惣治原作「少年ケニヤ」(1951年)より。「少年ケニヤ」は新聞連載の絵物語(当時の「産業経済新聞」、現「産経新聞」)であったが、ラジオドラマ、映画、テレビドラマ化された人気作。
35巻「ジャイアンへのホットなレター」 人物 「伊藤つばさ」 「伊藤つかさ」 「翼」と「つばさ」で表記ゆれが続くものの、同一人物であろう。
35巻「ネンドロイド」 商品 「少年カンデー」 「少年サンデー」  
35巻「ドンジャラ村のホイ」 流行語 「エリマキガエル」 「エリマキトカゲ」 三菱自動車の「ミラージュ」CMで大流行した動物より。
その他 「ドンジャラ村のホイ」 「♪森の木陰で ドンジャラホイ」 童謡「森の小人」(作詞:玉木登美夫・山川清、作曲:山本雅之)の歌い出しより。
企業 「目通」 「日通」  
36巻「貸し切りチップ」 映画 「スペースウォーズ」 「スターウォーズ」  
36巻「ツモリナール」 人物 「伊藤翼」 「伊藤つかさ」 もはや「空気」のように当たり前に登場する翼ちゃん。
36巻「タイムふしあな」 キャラ 「ゼイ肉マン」 「キン肉マン」  
36巻「神さまごっこ」 人物 「トンちゃん」 「トシちゃん」 田原俊彦
37巻「魔法事典」 キャラ 「魔女っ子ノブちゃん」 「魔女っ子メグちゃん」 朝日系アニメ「魔女っ子メグちゃん」(1974年)より。 パロディ再び。
37巻「なんでも引き受け会社」 人物 「ジャイケル・マクソン」 「マイケル・ジャクソン」  
37巻「アトカラホントスピーカー」 人物 「(伊藤)つばさ」 「(伊藤)つかさ」  
37巻「かわいい石ころの話」 テレビ 「名犬ラッキー」 「名犬ラッシー」 「動物もの」の名作。
37巻「大人気!クリスチーネ先生」 商品 「ラフレジア」 「マーガレット」 受ける印象が全く違う・・。
38巻「友だちの輪」 テレビ 道具「友だちの輪」 タモリ「友達の友達はみな友達だ、世界に広げよう友達の輪!」 フジ「笑っていいとも!」より。
38巻「ドリームプレイヤー」 テレビ 「ヒョータンスペシャル」 「ひょうきんスペシャル」 「オレたちひょうきん族」の正月特番のパロディ。
テレビ 「ギンちゃん」 「欽ちゃん」 萩本欽一関係の特番。
人物 「(伊藤)翼ちゃん」 「(伊藤)つかさちゃん」  
39巻「乗りものぐつでドライブ」 地名 「高井山」 「高尾山」  
39巻「ジャストホンネ」 人物 「薬師丸知世」 「薬師丸ひろ子」+「原田知世」 アイドル。
人物 「伊藤つばさ」 「伊藤つかさ」  
39巻「さとりヘルメット」 商品 「少年ヨンデー」 「少年サンデー」  
39巻「風船がとどけた手紙」 企業 「テレビ朝目」 「テレビ朝日」  
人物 「ミッチャー首相」 「サッチャー首相」 イギリスの女性宰相。

1980年代、西側の経済大国が中曽根・レーガン・サッチャーと新保守主義派政権で固められたことは、冷戦終結の遠因となった。

40巻「架空人物たまご」 キャラ 「マイティマン」 「スーパーマン」(R)  
40巻「ふつうの男の子に戻らない」 流行語 「普通の男の子に戻らない」 「普通の女の子に戻りたい」 キャンディーズの解散宣言時(1977年)、伊藤蘭が発した言葉。
流行語 スネ夫「一分間時間をください、やめるように説得します」 「私に一分間時間を下さい」

歌手の都はるみは、第35回NHK紅白歌合戦(1984年)を以て「普通のおばさんに戻ります」と引退を宣言していた。

都の大トリ『夫婦坂』の直後、会場からは、都が頑なに拒否していた「アンコール」の声が引きも切らない。

白組司会のアナウンサー、鈴木健二は「私に1分間時間を下さい」という有名な言葉を発し、都はるみも最後はついに応諾。紅白史上初の「アンコール」が実現した。『好きになった人』である。

ちなみにこの年の紅白は有名な「ミソラ発言」もあるなど、まれにみる大波乱を巻き起こしたことでも知られる。視聴率は78.1%(関東地区)であったという。

スネ夫のセリフは、ジャイアンに歌を歌わせないための説得である。都はるみのケースと真逆なのが、面白さに拍車をかけている。かなり秀逸なパロディだろう。

40巻「環境スクリーンで勉強バリバリ」 その他 「灯京大学」 「東京大学」  
40巻「タイム・ルーム 昔のカキの物語」 漫画 「タンキくん」 「のんきくん」 藤子スタジオチーフアシスタントでもあった片倉陽二の漫画(1977年)。
40巻「空とぶマンガ本」 漫画 「タンキくん」 「のんきくん」  
40巻「しずちゃんをとりもどせ」 漫画 「ロボケット」 「すすめロボケット」 藤子先生の初期作品がこっそり登場。

ロボットとロケットの合いの子を、出木杉の息子ヒデヨが工作。
41巻「未来図書券」 人物 「フニャコフニャオ」 「藤子不二雄」  
商品 「ハラハラコミック」 「コロコロコミック」  
商品 「コミックドキドキ」 「コミックボンボン」  
41巻「気まぐれカレンダー」 その他 「どらやきクエストX」 「ドラゴンクエスト」 テレビゲームのパロディは珍しい。
42巻「万能クリーナー」 人物 「五島くに子」 「後藤久美子」 アイドル。
42巻「男女入れかえ物語」 テレビ 「男女入れかえ物語」 「男女7人夏物語」 明石家さんま・大竹しのぶら主演の大ヒットトレンディドラマ(1986年)より。
43巻「上げ下げくり」 キャラ 「宇宙戦士ジュゲム」 「機動戦士ガンダム」  
43巻「ジャックとベティとジャニー」 商品 「ジャニー」 「ジェニー」 「ジェニーちゃん人形」のパロディである。
44巻「アニメばこ」 漫画 「アストロ学園」 「アストロ球団」 原作:遠崎史朗、作画:中島徳博のスポ根漫画(1972年)。
45巻「四次元くずかご」 地名 「高井山」 「高尾山」  
45巻「タイムワープリール」 漫画 「ピーマン」 「パーマン」 ストレートすぎて思いつかないネーミング。
45巻「ガラパ星からきた男」 人物 「ケビン・イーストウッド」 「ケビン・コスナー」+「クリント・イーストウッド」 俳優。
人物 「内田裕実」 「内田有紀」+「安達祐実」 女優。

 

こうしてみると、主に1970-80年代の世相が「ドラえもん」世界にも色濃く反映されていることがお分かりいただけるかと思います。何といっても「天地真理」から「伊藤つかさ」、そして「ひょうきん族」ですからね・・・。

「未来のロボット」の漫画でありながら、少しも「未来感」を感じさせず、その時代の空気をたっぷり取り込んだ<生活感溢れる世界が描かれていること>が、ドラえもんが支持されている1つの理由ではないか、とも思えてきます。それでいて古臭く感じることはないのですから、その時代を超えた普遍性にはただただ感じ入るばかりです。


付録;

パロディ以外にも、『ドラえもん』には「モチーフ」や「パスティーシュ」、さらに直球の「時事ネタ」がふんだんに盛り込まれています。それを探してみるのも作品鑑賞の世界を広げることでしょう。ここでは、判明しているモチーフ、パスティーシュ、時事ネタをメモ形式で列挙してみました。

<モチーフ(アイデア源に基づく新しいストーリーや道具の着想)一覧>
巻・話 解説
4巻「おもちゃの兵隊」 作中の道具「おもちゃの兵隊」は、童謡「おもちゃのマーチ」(作詞:海野厚、作曲:小田島樹人)の 歌詞「人形のへいたい せいぞろい」そのものである。
6巻「赤いくつの女の子」 ストーリー全体が、童謡「赤い靴」(作詞:野口雨情、作曲:本居長世)を下敷きにしている。隣のノンちゃんは、外国へ行ってしまった。
13巻「チョージャワラシベ」 昔話「わらしべ長者」より。ストーリーも道具もこのモチーフ。
13巻「宝さがしごっこセット」 登場する暗号「死神山」のくだりは、落語「死神」より。
16巻「いっすんぼうし」 昔話「一寸法師」より。道具名は漢字で書くと「一寸"帽子"」だと思われる。
19巻「無敵コンチュー丹」 モハメド・アリのような「チョウのように舞い」「ハチのように刺す」「アリの怪力」が身に付く道具「無敵コンチュー丹」。そのまま、モハメド・アリのキャッチコピーが使われているのが面白い。おそらく時期的には1976年のアントニオ猪木との「来日戦」当たりが直接のモチーフになっているのではないかと推測。
22巻「しあわせをよぶ青い鳥」 ストーリーはメーテルリンクの童話「青い鳥」を下敷きにする。道具「チルチルペンキ」と「ミチルあみ」は、主人公のチルチルとミチルにちなむ。
37巻「魔法事典」 暗号の「テケレッツノパー」は、落語で使われる呪文より。
38巻「バショー扇の使いみち」 「西遊記」の鉄扇公主の持つ大きな扇「芭蕉扇」より。
41巻「ハメルンチャルメラ」 グリム童話「ハーメルンの笛吹き男」より。
41巻「時限バカ弾」 玉子「オッペケペッポー ペッポッポー」は、川上緒二郎のオッペケペ節「権利幸福嫌いな人に自由湯をば飲ませたい。オッペケペ、オッペケペッポー、ペッポッポー」より。
同上 玉子「アジャラカモクレン!!」は、落語で使われる呪文「アジャラカモクレン」より。

<パスティーシュ(過去の著作を明確にベースに置いたうえでの、オリジナル著作の創出)一覧>
巻・話 解説
2巻「ぼくの生まれた日」 「出産にあわてた主人が妻を(実子を)間違える」というパターンは、落語「安産」より。
9巻「世の中うそだらけ」 ジャイアンがのび太を騙す口上はそのまま落語の「壷算」より。
10巻「人間切断機」 切り離された胴部が最後にトイレに行きたくなって大弱り、という描写は落語の「胴切り」が下敷きにある。
10巻「百年後のフロク」 1975年の「小学四年生2月号」の100年後の付録をそのまま「未来」にしたらどうなるだろう、というテーマの作品。パロディの項目でもいくつか取り上げているが、どちらかというとパスティーシュ的なものを取り上げておくと、
・『科学特集 宮崎サファリパーク訪問』→『月面にある宇宙動物パークをたずねました』 にグレードアップ。
・『算数名コーチ』→本物のコーチが飛び出てくる仕様に。
・『クイズパズル百科』→有名な「アルファがベータをカッパらったらイプシロンした。なぜだろう」が登場する難関クイズ集に進化。
・『びっくり立体スコープ』→本当に飛び出す仕様に。
・『日本一周大旅行ゲーム』→本当に現地を旅行できる。
11巻「いやなお客の帰し方」 道具の使い方を間違えて、いやなお客でなくて妻が「実家に帰らせていただきます」となるオチは、そのまま落語の「嫁の下駄」より。
12巻「ゆうれいの干物」 のび太がこっそり出入りしていたアパート。そこへ新住人がやってきそう。まだまだそこで遊びたいのび太は、お化けに扮して新住人を脅かそうとするが・・というストーリーは、落語の「お化け長屋」が完全に下敷き。ドラえもんは「古いなぁ、今どきそんなのはやらないよ。」と暗にパスティーシュであることをほのめかしているところが秀逸。
27巻「かがみのない世界」 落語「松山鏡」より。鏡を見たことのない人の反応で事態は予想外の展開へ・・という部分も同じ。
36巻「天つき地蔵」 のび太が絵本「天突き地蔵」を読んでいる間、ドラえもんは過去の世界に迷い込む。そこでは、のび太が今まさに読んでいる「天突き地蔵」の世界をトレースせざるを得ない状況に、ドラえもんがどんどん巻き込まれていく。「ドラえもん」におけるパスティーシュ作品では、右に出るもののない傑作であろう。
43巻「仙人らくらくコース」 「今昔物語」の「久米の仙人」より。コケた静香のパンツを見て心が乱れた仙人が、たちまち神通力を失って地上へ真っ逆さま・・という部分は完全に同作のパスティーシュ。


<時事ネタ(時事テーマに基づいたアイデアの創出、作品への挿入)一覧>
※物語のテーマに関わるものを中心に掲載しています。

巻・話 解説
2巻「オオカミ一家」
(1973年)
「日本オオカミが発見された?」というニュース(1973年)を作中で引用。
5巻「地底の国探検」
(1974年)
いわゆる「ダウジング」の手法が、地方公共団体によって取り入れられたというニュース(1974年)を作中で引用。※リンク先はwikipediaの解説記事です。
8巻「キャンデーなめて歌手になろう」(1973年) 歌手の天地真理が実名で登場。ジャイアンが天地真理の声になるという、よく考えると壮絶なギャグが・・・。
8巻「マッド・ウォッチ」(1975年) のび太が持っているレコードが「ピンポンパン」と「ロンパールーム」。
「ピンポンパン」は「ママとあそぼう!ピンポンパン」(フジ)、「ロンパールーム」(日テレ)はみどりお姉さん(うつみ美土理は2代目)でつとに有名。いずれも昭和を代表する子ども番組の1つより。
9巻「ツチノコ見つけた!」
(1975年)
ツチノコブーム(1973年)を反映。ジャイアンがツチノコの発見者ということで、後世に名を残すことに・・・。
10巻「ニセ宇宙人」
(1976年)
宇宙人の襲来(ウソ)に慌てたジャイアンとスネ夫は、公衆電話から三木(武雄)首相を呼ぼうとする(1974年)。現在の版では鈴木(善幸)首相(1980年)に変更されており、以降は変更なし。これは、「鈴木」が汎用な名前だからであろうと推測される。
※なお、中央公論社『藤子不二雄ランド ドラえもん』第15巻では「中曽根(康弘)首相(1982年)」になっている、という情報もいただきました。
14巻「念録マイク」
(1977年)
ジャイアンが「およげ!たいやきくん」(1975年)と山口百恵の「横須賀ストーリー」(1976年)を熱唱するシーンがある。歌中に出てくるセリフが、ストーリーにも直接関わってくるところが面白い。
17巻「週刊のび太」
(1978年)
好きなまんが家アンケートに、「手塚治虫、鳥山明、松本零士、ちばてつや」と実名で掲載。初出時は鳥山明は「鴨川つばめ」であったことを付記しておく。
18巻「のび太が九州まで走った!!」(1978年) 「ルームランナー」(1976年頃の通販ヒット商品)がストーリーの下敷きになっている。
18巻「大氷山の小さな家」(1978年) 南極の巨大流氷のニュース(1978年)を作中で引用。
19巻「無敵コンチュー丹」
(1978年)
作品の最初でドラえもんが「スライム」をいじって遊んでいる。このスライムは、ツクダオリジナルが発売してヒットしたおもちゃ(1978年)。
25巻「のび太のスペースシャトル」(1981年) スペースシャトル「コロンビア」号の打ち上げ(1981年)を受けてのもの。
26巻「魔女っ子しずちゃん」
(1981年)
静香が「サリーちゃん、メグちゃん、ララベル」に憧れることがストーリーの発端。すべて魔法少女アニメである。サリーちゃんは横山光輝原作の「魔法使いサリー」(1966年)、メグちゃんは「魔女っ子メグちゃん」(1974年)、ララベルは藤原栄子原作の「魔法少女ララベル」(1980年)より。
27巻「のび太は世界にただ一匹」(1981年) 佐渡島の純日本産の野生のトキ(最終的には全部で5羽)が捕獲されたというニュース(1981年)がストーリーの下敷きになっている。
31巻「恐竜さん日本へどうぞ」(1981年) 国立科学博物館で開催された「中国の恐竜展」(1981年)にのび太が行くところからストーリーが始まる。
44巻「恐竜の足あと発見」(1985年) 恐竜の足跡の化石が発掘されたというニュース(1985年)がストーリーの下敷きになっている。
44巻「宝星」(1980年)

埼玉県で江戸時代の小判(時価1億円相当)が発見されたニュース(1979年)がストーリーの下敷きになっていると思われる。余談だが、1980年の頭には東京・銀座で「1億円事件」(持ち主不明の1億円が拾得された)も起こっている。

45巻「トロリン」(1976年) 単行本では「松井選手のホームランボール」が登場するが、初出時は「王選手のホームランボール」であった。

 


参考文献;
・ 藤子・F・不二雄 『ドラえもん』1-45巻、小学館(てんとう虫コミックス)
・ 藤子・F・不二雄 FAN CLUB https://www.fujiko-f-fujio.com/
・ ドラえもん FAN CLUB https://www.fujiko-f-fujio.com/fan/dora/


最終更新: 2013年1月20日(更新番号4)
初版公開: 2013年1月13日

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