ジムをやめた話

8月中旬に入会したジム(最近流行の24時間無人型)を退会いたしましたので謹んでご報告申し上げます。

最初のうちは、毎日のように行っていたわけです。しかも朝6時台に。特にエアロバイクにハマり、『高木さん』とか『プリキュア』のアップテンポな曲なんか聞きながら毎日20分くらい走り続けていたわけです。もうね、健康そのもの。

ウエストも減り、体力もついてきて、おまけに仕事前の憂鬱な気持ちも吹き飛んで、いいことづくめだなぁ・・と思っていました。ときに『スマホ脳』で有名なアンデシュ・ハンセン先生の『運動脳』なんかも読んでいたので、「こりゃあ、いい」・・と思っていました。

ただ、急に走らなくなってしまったんですよね。まず、秋が深くなり、布団が恋しい季節になって朝起きられなくなった。急に涼しくなったうえに、運動後に必要とされる「ストレッチ」なんかが面倒で運動後もそのまま生活していたのがたたり、おまけにテレワークも重なって、ひどい腰痛になった。さらに、通っているジムのアプリがアップデートされて、今まではカレンダーに「ジムに行った日」が表示されたのが消えてしまって、急にモチベーションがなくなった(これは言いがかりですが)。そして何より、数か月運動したところで大して体重も体脂肪率も変化しなくてつまらなくなった。

まあ、これらの複合要因が重なって(これを4文字で「わがまま」という)、寒い中ジムに通うという意義が見いだせなくなってしまったわけです。好きだったら続くのでしょうが、そもそもそんなに好きではなかった、ということなのでしょうか。

こういう時、「ペースメーカーになる人がいると続いたかもしれない」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、世の中には「プライベートくらい、誰からも指図されたくねぇ」という人もいるのですね。もしパーソナルトレーナーがついているとしたら、そもそも私はジムに行っていないのです。「無人」かつ「いつでもいける」からこそ「24時間のジム」を選択したのであって、「有人」で「時間が決まっている」としたら、そもそも選択肢に入っていない-というところに、この問題の根深さがあるわけです。

ひとたび楽を覚えてしまうと、もう二度と、「朝6時にエアロバイクを漕ぐ」というプレイをしようという気持ちになりません。気持ちよく汗をかいて、「よし、今日も1日がんばるぞ」と思っていたあの清々しさはなんだったのかというくらい、今となってはただただ「面倒くさい」しかありません。おそらく、1度としてランナーズハイも起こらなかったとみえて、特に中毒性のある気持ち(走らなければ気が済まない)はまったく惹起されていません。

あのときの燃え上がる「ジム熱」はなんだったのでしょうか。

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ちなみに、行かなくなった時の最適解は、「いつかいくだろう」と入会したままにするのではなく、「すぐに退会すること」だと私は思います。お金をドブに捨てるような行為だからです。「お金を払っていれば、いつかもったいないから再開する」ということはまずないですし、「急に再開したくなった時に(場合によってはもう一度入会金を払うので)困る」ということもありません。

これはあらゆるサブスクリプションサービスに言えることですが、1度習慣が崩れると、それを立て直すのは並大抵のことではありません。ダラダラとお金を払い続けるのだけはやめたいものです。未練がましくサンクコストに縋るのではなく(そもそも積みあがってすらいない)、「やる気がなくなったら、やめる」というのでいいのです。仕事じゃないですからね。

・・・と、やめておいて偉そうにどの口が言うんだという話でした。