最近、「高木さん」の話ばかりしていたので、久しぶりに違う話題を。
夏休みですね。夏休みといえば、「読書感想文」です。学生も、もしかすると社会人も、読書感想文(読書レポート)でお悩みの方が多いのではないでしょうか。
読書感想文というのは、私はいろいろなところで言っているのですが、別に「あなたの感想」なんて求めちゃいないのです。社会的に「正しい」とされていることを課題図書から抽出し、「私は(課題を出した担任/上司に)反逆をしないロボットになることができます」ということを宣言する、通過儀礼みたいなものなんですね。
学生であれば担任に、社会人であれば上司に、「私は従順です」ということを示すためのツールが読書感想文ですから、そこのところを間違えてはいけないのです。
社会人になると、多かれ少なかれ、「人の言葉をつくる」という仕事をするケースが出てきます。自分が話すわけではない会議の説明資料、自分が出るわけではない誰かのメッセージ、その他、直接的であれ、間接的であれ、<誰かの代弁をする>ということが必然的に仕事として課されるようになってきます。そんなとき、この「読書感想文」のノウハウが役に立ってくるのです。
読書感想文は、以下のフォーマットで作成することができます。
<出だし>
 ・私はこの夏、1冊の本から衝撃的な学びを受けた。
 ⇒ポイントは、読書によって思考や行動が変容したことを最初に宣言することです。「私は課題図書から吸収して、なんでも学べる素直な羊です」ということを最初に言うとよいでしょう。羊になりきるのです!!
<本のあらすじ>
 ・「〇〇(書名)」は、〇〇(テーマ)について、最新の有用な知見を記載した書籍である(ノンフィクションの場合)
 ・「〇〇(書名)」は、〇〇(テーマ)について、作者の強い思いを投影した書籍である(フィクションの場合)
 ⇒簡潔にまとめることで、却って「ちゃんと本を読んだ感」が出ます。帯やアマゾンのレビュー、また目次でだいたいテーマはわかりますので、冗長だったら全部読まなくても簡単にかけてしまうことでしょう。
<ほめる>
 ・〇〇(テーマ)について、これほどまでに明快な気づきを得られたことはこれまでなかったといってよい。
 ⇒テーマから学べたということは、「課題図書を出したあなたは天才」と言っているに等しいわけです。すなわち、担任や上司をここで持ち上げるということです。持ち上げて悪いことは1つもありません。
<自分の見解>
 (ノンフィクションの場合)
 ・環境保護
 ・平和
 ・人権
 ・SDGs
 ・多様性
 ・持続可能性
 ・グローバル
 (フィクションの場合)
 ・友情
 ・気遣い
 ・立場の違い
 ・チェンジチェア
 (社会人の読書レポートの場合)
 ・PDCA
 ・サステナビリティ、持続可能性
 ・見える化、可視化
 ・仕組み化
 ・効率化、省力化
 ・利益最大化
 ・最小の努力で、最大の効果を
 ⇒自分の見解に見せかけて、担任や上司が喜ぶことを書きましょう。「相手が何を欲しているか」を察する訓練は、必ず仕事に活きてきます。
 ⇒学生であれば、日〇組の先生だったら「平和」と書いておけば満点でしょう。フェミ教師だったら「男女平等」とでも書いておけばよし。必ず押さえるべき勘所があるはずです。
 ⇒社会人であれば、上司がいつも口癖のように言っているフレーズを散りばめたり、会社の中で流行しているビジネス用語(PDCAとか、効率化とか、なんでもいいですが)を必ず混ぜるようにします。
<行動の変容(まとめ)>
 ・この本からの学びを活かし、私は〇〇を心がけていきたいと思う。
 ⇒ここで、自分の行動を変えることを宣言しましょう。「読んだだけじゃないよ」ということをしっかりとアピールするのです。
・・・ということで、「読書感想文は仕事の役に立つ」という話でした。